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普通のおじさんが税理士目指して25年もかかっちゃった件#22

プロフィールを作成しました。ホームページは初めのうちは時間もありそうだし勉強しながら自分で作ろうかなと考えていましたがデザインセンスないしこりゃえらい時間かかりそうだ、でもウン十万も掛けるつもりもないし・・・。ということで、こういったことが得意な人にお願いできないかなとふと思い立ったのがココナラ。検索するとたくさん出てくるんですね。その中から作風的に「わたし」に合っていそうで料金も安かったwebluanaさん、似顔絵についてはこずまもさんに依頼しました(おっさんの顔写真より似顔絵の方が良い、との奥様から指摘で。大正解でした)。両方合わせて27,000円位で完成しました。それぞれとても丁寧な方で即対応してくれて大満足です。
「わたし」の仕事もそうですがやはり専門家にお願いすべきで、自分でやることのコストアップ考えるとお願いして正解でした。「餅は餅屋」です。


税理士の仕事・使命

税理士の仕事は依頼者からの依頼に基づき税務代理や税務申告を行うことが仕事です。前にも書きましたが提供する商品がモノやサービスではなく(そうとも言えるのですが)、究極「これだけお金(税金)を払ってください」というのが商品なのでお客様からするとそもそも嬉しくない。ましてこれが間違っていたとなると信頼を失ってしまいます。やりがいもありますが常に緊張を強いられます。
この他、税理士には「使命」があります。日本国憲法第30条に
「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」というものがあります。国民は納税の義務を負っています。だから納税しなくてはなりません。税金の使い道では昨今国会議員がいろいろやらかしているので問題がありますがまずは義務があります。
ではどうやって納付するのか。多くの税金が「申告納税方式」と呼ばれる納税者自身が自分で税金計算をしてこれだけ納めます、という申告に基づいて納税するのがルールです(自動車税のように勝手に役所が計算して納付書を送ってくるものを賦課課税方式と呼びます)。
では、この税金、納める金額について個人個人で内容が違っていたり不公平があったらどうでしょう?ンざけんなよ!!となりますよね。ここで各税法に細かくルールがあってこれに従って計算してください、となります。平等に計算するためにどんどんルールが多くなり複雑になります。納税者はおいてけぼり、もはやついていけない、誰か代わりに計算して!となったのが税理士のはじまりです(昭和初期の頃らしい)。税理士法第1条には
「税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。」と規定しています。
難しく書いてありますがこの「納税義務の適正な実現を図る」というのがみそで国民皆が不公平なく平等にね、ということです。だから税理士は「独立した公正な立場」とあり、依頼者だけに向いているのではなく、中立にねということです(そうは言っても報酬をいただいて作業していますので中立かと言われると?)
国の根幹にかかわる税金の計算をする人なので法律できちんとその人を定め法律に束縛・保護されているのだと思います。だから税金計算は税理士の独占業務で有償・無償を問わず税務代理・税務相談を税理士以外の人が行うことを認めていません(公平でなくなってしまうから)。
「わたし」も申請して税理士になりましたが税理士会が税理士登録を認めるのか審査するのではなく、国税審議会という組織が審査をして税理士会に登録することで晴れて税理士となれます(法律の立て付け上、税理士は税理士会に所属していなくていけない。だから税理士会未登録の税理士さんは存在しません)。
すごくダラダラの書いてしまいましたがこの機会に税理士は非常に社会的責任が大きく、その分やりがいも大きいし是非目指してほしい資格です、ということをアピールしたかった。巷で言われるようなAIにとってかわり無くなってしまう職種では少なくとも現時点ではありません。

自己研鑽

そうは言っても人間ですのでミスもします。今は大分少なくなりましたが「わたし」が業界に入ったのは消費税が導入後まだ10年ほど、3%の税率が5%へ上がってちょっとしてからでした。当時は消費税の仕組みがよく判っていない事務所も多く、試験勉強しかしていない「わたし」でも明らかに間違っている申告書を目にしたことがあります(その事務所が作成した申告書ではなく他の事務所から移ってきたお客さんのもの)。
特に消費税は届出書の提出期限が早くに到来するものが多く、気づいた時には手遅れということがあり、またそのミスによる差額が多額になるのが特徴です。
こういったともあり、今税理士には年間36時間の研修目標というものがあり、皆さん自己研鑽してくださいねと税理士会よりお話があります。まだ努力目標で達成できなくても罰則はありませんが税理士の使命でもありますので一生勉強です。
インボイス、非常に複雑でまだまだ想定していないケースも多く日々アップデートされていきます。正直若くないとついていけないですね~。個人的には40代から50代前半までが一番頼れる税理士(知識豊かな税理士)ではないかと。70過ぎるとなかなかどうして、「わたし」も将来その年になったら自信ないかな。昨年廃業した税理士が多く、業種間でもっとも廃業が多い職種だったのもうなずけます。

目指す事務所像

税理士(士業)は病院に似ていると思っています。企業買収、M&Aなど高度な取引は大手の税理士事務所でなければ対応できないしそれを無理して経験のない税理士が行ってしまって後々大変なことになるのであれば手を付けるべきではないと考えています。なんでもやってみる、それが成長だ!とおっしゃる方もいます(一理あるかなとは思います)がお客様を実験台にするわけにはいきません。きちんと事情を説明して専門の方に引き継ぐべきと考えます。それよりもそうなることを早くに予見して予防や対策を打っておく。事前にこの先どういったことが起こるのか丁寧に説明して理解してもらうことが「わたし」の責任かと。町医者みたいな事務所を目指します。日常の愚痴や不満を聞いてあげられるような優しい事務所にしたいです。

あとがきに代えて

今日書いたように税金って平等に負担するように作られていて平等を維持するために税理士や税務署があると思っています。
税金は租税立法主義といって法律が定めるところで計算・納税しますから逆に言うと法律に従っていればお咎めなし、ということになります。そうは言っても理不尽なことありますよね。
法人税法第132条に行為計算の否認といった規定があります。内容は法律には沿っているけどそこれを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められる場合には税務署長はその行為、計算にかかわらず課税標準や法人税を計算することができる。とあります。所得税にもこれに似た規定があります。最後の最後はこれです。確かに違法ではないけれどこれ認めちゃったら他の人とのバランスが保てないよね。その時は認めません、と。
さて、先日報じられた国会議員が自分が代表を務める政党支部に「寄附」をして寄付金控除を受けていた、との報道。政党に対する寄附は所得の40%が上限なのでこの上限を計算して寄附をすれば税額を圧縮することができます。日本赤十字社や共同募金会へ寄附したのであれば問題ないと思いますがこれって自分が代表を務める支部に寄附していますからお金は還流してますよね。当の国会議員は「法律に従って適正に処理しているので問題ない」と言っていますが一般人からするとこれってズルじゃない?って思いますよね。親族やその親族が経営する会社との取引で法律には則っているけどどうなの?というときに行為計算の否認が問題になります。なかなかハードルが高いのでよほど多額でない限り税務署もこれを持ち出すことは少ない気がします(最後の最後の強権ですからね)がこちらからすると社会通念上どうなの?最悪こういった指摘を受けるのでは?と検討します。裏金問題もいろいろ言われていますが是非とも税務署の判断を聞いてみたいものです。そもそもこれを問題ないとする国会議員の神経を疑ってしまいますが・・・(こういうことしてるから信用してもらえなくなるのでは?)。

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