本当に女性がいると会議が長くなるのか?
少し前に「女性がいると会議が長くなる」というような発言が話題になりました。私自身「女性は話が長いなぁ」と思ったことがありますし、女性の方からよく「女性はおしゃべりが好きだから」という内容の話をされることもあります。でも、本当にそうなんだろうか?と考えてみました。
本当に女性は話が長いのか?
私の会社では従業員20人ほどのうち9割以上が女性です。全員がテレワーク環境で仕事をしています。普段なんとなく女性は「話が好き」「おしゃべり」「話が長い」という印象を持っていましたが、「本当にそうなのか?」と自分に問いただしてみることにしました。
私の会社の女性従業員を思い浮かべてみて、よくよく考えてみると、おしゃべりだなと思う人は2割弱しかいません。
私の会社はほとんどの方がシステムエンジニアということもあると思います。営業の方でしたらもちろんおしゃべりな女性は多いと思いますが、それは男性も同じように思います。
仕事上での付き合いで考えてみても、おしゃべりだと思う人は、女性も男性もそれほど大差がないように思います。
おしゃべりの印象はどこからくる?
では、「女性はおしゃべりだ」という印象がどこからくるのかよく考えてみました。私の場合は、子供の頃に母が近所の主婦たちと井戸端会議をしているシーンや、親戚が集まった時のシーンから来ていると思います。
その中で私や父はほとんどおしゃべりをしない印象です。
しかし、私が物静かで寡黙な人かと言えば、私を知る人はその逆だと言う人もいると思います。私の父もそれほどおしゃべりな印象を持っていないのですが、家の外ではどうだったかわかりません。
気の合う仲間の中にいる時、仕事をしている時など、状況次第で誰もがおしゃべりになる時もあれば、あまりしゃべらない時もあると思います。
昔の女性にとっては特に家の中が(家事をする)仕事場だった時代を通して、女性はおしゃべりに映ったのかもしれません。
社会に刷り込まれる思い込み
ここまで色々と書きましたが、詳しく統計を取ったわけでもないし、生物学的なこともわかりませんので、本当はどうかはわかりませんし、そんなことはどちらでもいいと思っています。
今回の問題発言は、女性がいると会議が長くなるかどうかではなく、女性蔑視が問題だということも承知しています。
人は、自分の周りの情報を見て、全体もそうだと思いがちです。偶然見かけた外国人を見て、〇〇の国の人はこうだとか、自分の奥さんを見て、女性はこうだとか、決めつけてしまいがちです。
今回の問題発言をした方も、日本ではなく、アメリカで生まれていたらきっと異なる価値観を持っていただろうし、生まれる時代が違っていても同じです。
人は社会によって作り出されているとも考えられると思います。
女性に社会参画してもらうためには社会や組織を変える必要がある
経済同友会の方が、企業で女性の役員登用が進んでいない理由について、「女性側にも原因がないことはない。チャンスを積極的に取りにいこうとする女性がまだそれほど多くないのではないか」というような発言をしてニュースになっていました。
私はこの発言には同意できません。
私の会社で子育てしながら働く女性を中心に採用し始めたころ、積極的に発言したり、行動できる人が少ないと感じていました。
各従業員との対話の中で、その理由が自己肯定感の低さにあるのではないかと思いました。
産休・育休を取るときに、直接的ではないにしろ、会社を辞めるように促されたり、産休・育休を取れたとしても、うしろめたさを感じていたり、家事や子育てにおいても、ちゃんと出来て当たり前、褒められることがないなかで、自己肯定感が低くなってしまう女性は多いと思います。
こうした女性にとってハンディキャップがある社会で、女性側に原因があるということではなく、社会や組織に原因があり、変えるべきは社会や組織なのです。
画一した働き方を止め、もっと多様化した社会をつくる
今、役員などになっている女性の多くは、より男性的な女性が多いと思います。今の社会の中で女性にもっと社会参画を望むのであれば、女性は女性を捨てるしかないように思います。
たとえば、1日8時間働くということが普通です。1日8時間働かなければ、1時間あたりの実力が同じでも、評価が下がってしまいます。
なぜならお客さんも8時間働いているし、営業時間が8時間だからです。
私の会社では8時間働いている人は少数です。1日4時間だったり、6時間だったり、または週4日で働く方もいます。
子育てをしていたり、それ以外の理由で1日8時間、週5日働けない人たちがいます。
子育てSES(現在は、リモート情シス、リモートSE)と呼んでいるサービスを行っています。
クライアント企業様の中に入って業務を行う仕事なのですが、実力のある方でも、社会の画一化された働き方ができない人は、働くことが難しかったり、評価が低くなるのが現実です。(そんな中で子育てしている人を応援したいと言ってくださる企業様とのみお取引させて頂いています。)
もっと色々な働き方があっていい。この社会での普通を壊し、もっと多様化した社会を作っていきたいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?