ブチャの惨劇を目撃した亡命元ロシア兵の証言【記事要約】
今回の要約(ほとんど全訳)は、ロシアからスペインに亡命した元ロシア兵に関する『インサイダー』の記事です。こちら↓
ツイッターで私が投降したスレッドがこちら↓
彼の言葉は、ロシア兵による市民の虐殺と戦争犯罪が大きく報道されたキーウ近郊ブチャ(Bucha)と、ロシア軍の実態に関する貴重な証言となる可能性が高いでしょう。
(未だにブチャの惨劇を自作自演だと言う人がいるようですが、彼の証言以外にもたくさん状況を記録する動画や画像はありますし、もういい加減にしてはと思っています……)
【以下記事翻訳】
・スペインに亡命申請中の元ロシア兵ニキータ・チブリンは、ブチャでの戦争犯罪を問われている第64機動狙撃部隊に所属していた。
・「略奪があったのは事実だ。LypivkaとAndriivkaで車が盗られるのを見たし、(ロシア兵が)エンジンをかけられなかった車を壊したのも、家が破壊されるのも見た。」
・「彼ら(ロシア兵)は狂っていったんだ。俺たちには力がある、戦車がある、(歩兵戦闘車)もある、武器もあるだとか言って。『ランボー症候群(映画のキャラクターを模して)』が始まったんだ。家々から宝石や携帯電話も盗んでいた。」
・チブリンはAndriivkaで女性がレイプされた事実も証言。
・「このことも皆おかしかった。多くが(侵入した)家で酒を見つけて酔っぱらっていた。Andriivkaでは母親と娘がレイプされた。やったのは4人だ。一人は逃げて、残りは他の兵士や指揮官たちに椅子で殴られボコボコにされていた。(兵士は)打ち殺されたがっていた。証拠が無いから責任を問われることは無いと、ただ免職されただけだった。(捕まることなく)離されたんだ。」
・前線でのロシア兵たちの状況はひどいものだったとも言及。
・「彼らは長いこと『普通の世界』から切り離されていた。 彼らが居た前線は普通の状況じゃない。ウクライナ軍は全て揃った『人道的な』塹壕の様子を公開していた。シェルターがあって、断熱処理されていて、普通のベッドがあって、電気がある。ウクライナ軍の自軍の兵士たちに対する態度は(ロシア軍より)ずっと良い。」
・ロシア兵たちは、必ず家に帰れると約束されていた。しかしロシア軍の司令官たちは、前線を離れたがっている兵士やウクライナ軍に捕まる可能性のある兵士たちに物理的、心理的なプレッシャーをかけ続けていた。
・「皆が脅されていた。ペニスや睾丸を切り落とすだとか、他のことをするだとか。」
・チブリンは前線に送られないように、精神的に病んだふりをしたと。撃つのを拒否して逃れたことで、知り合いや友人、家族にすらも拒絶された。
・「俺は母国にとっては裏切者でしかない。戦争でウクライナの市民を殺すべきだったか?それとも刑務所へ?3つ目の選択肢を選ぶしかなかった。ただ去ることだ。」
・チブリンは国際裁判所で証言することを望んでいる。
・「私に隠すことは何もない。これはロシアが始めた犯罪である戦争だ。これを終わらせるために出来る限りのことをしたい。」
・チブリンは経済的な理由からこの夏に自らロシア軍に加わった。彼の部隊は騙されてウクライナに送られてしまったと。
・戦場に放り込まれてから1か月はキーウから50㎞のLypivkaの村で過ごした。この間に、彼の戦友たちはブチャとAndriivkaで虐殺を行った。
・6月16日に、チブリンはロシアに向かうトラックに隠れてウクライナを去った。その後Gulagu.netの人権活動家に連絡を取り、ロシアを去るための支援を求める。11月15日にスペインのマドリードに到着。即座に亡命を申請。受理されるまで、難民施設で過ごすことになると。
【要約以上】
彼が無事亡命を受理され、身の安全を確保されることを願います。
翻訳者、瀬道
【1月14日追記】
本件を扱ったCNNの日本語記事も見つけたのでリンクを張っておきます。補足情報も多くこちらの方が網羅的。
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