又吉移籍に関する雑感

今オフ、中日・又吉がソフトバンク・又吉となった。それに関する雑感をつらつらと徒然なるままに書き散らしていこう。

又吉の躍進の要因

又吉が今年ここまで活躍した一因として、間違いなく挙げられるのはカットボールの存在だろう。以前までの又吉はストレートとスライダーが主体の典型的なサイドスローピッチャーで、対左の攻めのバリエーションには苦労し続けてきた。しかし今年は全体の40%以上をカットボールが占め、スライダーはわずか10%ほど。対左では、カットボールを50%近くも投じている。カットボールの本格導入によって、カットボール、シュート、ストレートを主体にバットの芯を外し続けるゴロPへと変貌を遂げたのだ。

ソフトバンク移籍に際しての不安要素

ソフトバンクに移籍しての不安は数点ある。まずは、捕手が変わること。贔屓目を抜きにしても、木下拓哉のリードは優れていたように思う。弱すぎたことと普通に忙しかったこともあってちうにちの試合はほぼ柳、大野の登板試合しか見ていなかったが、木下はとにかく「安易なストレート要求」をしない。それはクローザーのライデル・マルティネスの時も同様。(余談だが、ライデルと組む時の初球チェンジアップで完全にヤマを外し、ストレートで差し込んであとは好きに料理する黄金パターンが個人的にすごく好みだ。対丸なんかはその手法で打たれた記憶がないのではないか)
 そんな木下のリードもあって、左右に延々と動かす投球で又吉は好成績を収めた。しかし、その木下はソフトバンクにはいない。具体的な選手名はもう差し控えておくが、私はソフトバンク・又吉が以前のストレートスラの2ピッチピッチャーに戻ってはしまわないかという一抹の不安を抱いている。

また、又吉はリリーバ―ではあるが、奪三振が多く制圧するタイプではない。バットに当たらないことはないので、「まさか」が起こる可能性はある。言うなれば、7回or8回等の1イニングを頭からいくタイプの投手で、火消し向きではない。だからそのポストを勝ち取る必要があるのだが、捕手との相性でそれが叶うかもまだ分からない。
①捕手が変わることに対する不安 と、②それに関して1イニングを投げ切るAチーム勝ちパターンのポストを確固たるものにできるかどうか がソフトバンク移籍に関する不安要素だろう。

実は西武か巨人に行ってほしかった話

もうこの章はまるごと余談。実はFAで移籍するなら私は西武・又吉か巨人・又吉を見たかったのだ。まず、又吉の特性からニーズを考えてみる。第一に必要なのは、固い内野守備だ。ボールを左右に動かして打ち取っていくタイプの又吉は、どうしてもボールは前に飛ぶ。そうなると、内野守備は固いに越したことはない。そして、柔軟な配球ができる捕手がいること。今年の又吉は組み合わせで抜けていった投手なので、操縦する捕手の力量も問われる。(事実、中日・桂がマスクを被った試合で又吉登板時さえも桂がインコース特攻に固執したことで又吉は大炎上した)
その2点のニーズを満たすのが西武、そして巨人だったと考える。西武は源田を中心に守備が固い(と思うが最近見ていない)し、正捕手・森はレベルの高い柔軟な配球ができる。もし又吉と組んだら、絶対に対左でバックドアのスライダーなど投げさせていただろう。巨人も守備は申し分なく、また巨人の終盤には小林誠司がいる。又吉、小林のバッテリーも見たかった。

人的補償について

制度の云々はさておき、又吉の人的補償として岩嵜が中日にやってくることになった。これは正直予想外で、なんならプラスに転ぶ可能性もある。前述の通り、又吉は火消しで出ていけるタイプではない。「まさか」がある投手なのだから。だから去年、今年のちうにちブルペンでは祖父江がその火消しの役割を担ってきた。今年の祖父江はクローザーから始まり、8回でもいくわ火消しでも行くわなんならビハインドでも行くわと「運用とは?」状態だった。そこにもう一人それをこなせる可能性がある投手が来てくれたということ。

岩嵜はストレート、フォークを主体に投げる。ストレートは150キロを超え、フォークも140キロ前後出る三振を獲れるリリーバ―だ。欠かせない存在になる可能性は十分にある。

人的補償という制度のせいもあって、リリーバ―同士のトレードのようになってしまったが、又吉の活躍を祈りつつ、岩嵜、ようこそ!という言葉でなあなあにしてこのnote1を閉じようと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?