ひらやま

Webディレクター。デザインしたり実装したりライティングしたりすることもある。note…

ひらやま

Webディレクター。デザインしたり実装したりライティングしたりすることもある。noteでは個人的な考察を書いてます。

最近の記事

読書記録(2022年 晩夏)

フランシス・ベイコン・インタヴューGINZA SIXの蔦屋が、アート・デザイン・サブカル系のラインナップが充実してた…!話題の新刊はしっかり押さえつつ、洋書や古書(プレミアついてる系)も取り扱ってて、宝探し感がある素敵な空間だった。「フランシス・ベイコン・インタヴュー」も、そこで見つけた一冊。 フランシス・ベイコンが「本質を捉えたい」というような旨を繰り返し発言していたことが印象的だった。リアルを追求した結果出てきた造形物が、あの作品群だ。 「リアル」という言葉は、写実的・

    • 読書記録(2022年 夏)

      奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスムなぜ読んだのか? 展覧会に行きそびれてしまったため…図書館で図録を借りました 感想 特異な進化を見せた「やりすぎ」なファッションを垣間見れる面白い作品集(図録)。 単に奇をてらったのではなく、なるべくしてそうなったのだな、と感じさせる時代背景や技術的進歩の解説も添えてあって興味深い。 個人的に最も印象に残ったのがマルタン・マルジェラのトルソ型ジャケット。マン・レイ、ハンス・ベルメールらシュルレアリスムの作家たちと同じ

      • ダミアン・ハースト展 所感:近代絵画へのオマージュと現代美術からの脱却

        穏やかな絵?SNSでダミアン・ハースト展の広告が流れてきた時には、ものすごく穏やかな絵を描くようになったんだな、とびっくりした。でも実物を見てみると、穏やかとは程遠い荒ぶった筆致で、パワフルで、その点では良い意味で期待を裏切られた。 ダミアン・ハーストといえば新しい素材や技法を制作に取り入れてインパクトを生み出す現代美術家というイメージだったが、今回は技法的には新しいものではなく、むしろわざと伝統的な手段を用いているという印象を受けた。絵画史へのオマージュと再構築といった様相

        • 読書記録(2022春)

          数学とはどんな学問か? 数学嫌いのための数学入門なぜ読んだのか? ジェネラティブプログラミングなど、グラフィカルな表現ができるプログラミングの話を読むと、三角関数の話が出てくる。数学は苦手だったけど、わかるようになると楽しいのかも…と思って数学を解説する本を読んでみたくなった。 感想メモ 数学の概念が変わった。数学とは思考を伝えるためのひとつの表現様式なのだ、と思うと、公式などは壮大な物語のようで、ロマンチックだなーと思った。本書内の数式は難しくて読み飛ばしてしまったと

        読書記録(2022年 晩夏)

          「民藝の100年」所感:民藝と量産品

          東京国立近代美術館で開催中の「柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年」を見た感想を綴っていく。 民藝運動はなんとなく知っている、程度の前知識で展示を見てきた。見終わった今も、理解しているとは言い難い状態なので、多分に個人的な主観や想像が含まれた状態で書いている。 民藝運動はカウンターカルチャーだった?まず展示を見て最も強く残った印象として、民藝運動とは、当時としては前衛的で結構トガッた活動だったのだなということだ。 展示を見る前は、民藝運動とは「古き良きものを愛する」「日

          「民藝の100年」所感:民藝と量産品

          「役に立つ」が飽和してきた

          「役に立つ」コンテンツが溢れかえっている。Googleの検索アルゴリズムが日々進化を遂げ、ユーザーにとって有益なコンテンツが上位に表示されているからだ。 スパムや内容の薄いコンテンツは評価されない。ユーザーにとって有益なものを優先的に提供しようとしている。この方針には、とても賛成できる。 そしてこの方針はあらゆるプラットフォームで採用されている。 さらに、コンテンツを作る側もそのことを理解していて、有益なものをつくろうとする動きが大きいように思う。では、有益なものとは何

          「役に立つ」が飽和してきた

          疲れたなあ、って日

          今日は疲れたなあ、って日のためのメモ。そういう日にはなんの役にも立たない言葉が読みたい。全然役に立たないので有料エリアで隠してます。

          ¥100

          疲れたなあ、って日

          ¥100

          組織文化は余白のなかで生まれる。学校組織から見る考察。

          明文化されてない独自のルール=組織文化の一端とも言えます。組織文化が生まれる背景を考察しました。 まえがき下級生は上級生よりスカートを短くしてはいけない。 下級生はヘアゴムを手首につけてはいけない。 こういった代々口伝されていくタイプの謎ルール、内容は変われど、私の通っていた小学校・中学校・高校それぞれでありました。そんなものは一切なかった、という人の方が少なそうな気はします。 謎ルールの内容は、今では笑っちゃうようなものも多いんですよね。 ヘアゴムを手首につけて、誰に迷

          組織文化は余白のなかで生まれる。学校組織から見る考察。

          引きこもる、引きこもらない、どちらも許容されて欲しい

          世界で1番好きな場所を聞かれたら、私は間違いなく自分の部屋だ。どこよりも落ち着けて、ずっと過ごしていられる場所。子供の頃から筋金入りのインドア派だ。 外出自粛が続く今、そろそろ髪の毛切りたいな、とか、買い物したいな、という気持ちにもなるけれど、それほど強い衝動は無い。むしろ堂々と家に引きこもっていられるので、自分の特性と世間との整合性がようやく取れたという感覚もある。 一方で、元々がアウトドア派だった人からは家にいるのが耐えられないという声を聞く。ずっと家に居ること、それ

          引きこもる、引きこもらない、どちらも許容されて欲しい

          Afterコロナ=Withコロナ、変わってしまった世の中のルールは元には戻らない

          コロナが流行り出した当初、Afterコロナの世界とは、コロナが蔓延する前の世界に戻った状態だというイメージを漠然と抱いていた。 でも、多分違う。Afterコロナは、Withコロナと同一の世界だ。 コロナをきっかけに、急速に世の中のルールが変わっていく。常識が覆される。それを今、目の当たりにして、これは不可逆の変化だと思った。 コロナウィルス自体は、おそらく数年かけて収束に向かうのかなと思う。 でも、コロナをきっかけに変わってしまった世の中のルールは、もう元には戻らない。

          Afterコロナ=Withコロナ、変わってしまった世の中のルールは元には戻らない

          肩書きへのこだわり方を間違えるとダサい

          自分の肩書きや名乗る職種へのこだわり具合って人それぞれですね。私は不便でなければ良い、ぐらいの感覚なのですが、相当なこだわりを持っている人もいますよね。そこをモチベーションに頑張れる人もいるので、それも良いと思います。 ただ以前、肩書き(職種)を言い訳にする人に出会ったことがあり、言い訳のために肩書きにこだわるパターンもあるのか…と新たな発見でした。 「自分は○○なので△△はできません」 「○○ってそういう生き物です」 あ、今超絶でかい主語で誤魔化して正当化したな… 他

          肩書きへのこだわり方を間違えるとダサい

          自社サービス系Webディレクターが、ライティングをするときに意識していること

          Webライティングのポイントをまとめました。 LTさせていただける機会があったので、その際に使用したスライドです。 このスライド作成に至った背景私は自社サービスを運営していますが、「ここに入れるテキストが必要だな…書こう。」という場面が結構ありました。 ワンフレーズ(10〜30文字ぐらい)必要なこともあれば、2000〜3000文字ぐらいガッツリ欲しいこともあります。 今のところ一番多いのは100〜200文字ぐらいです(Webサイトに掲載する説明文や告知文、SNSのテキスト

          自社サービス系Webディレクターが、ライティングをするときに意識していること

          EC全盛時代、実店舗の購買体験と何が違うのか

          D2Cブランドが大きく取り上げられ、ECがますます脚光を浴びるようになった。 ECがここまで伸びた要因は商品価格の安さにあるのだろうか? 確かにECという仕組みが認知を広げていった初期段階の頃は、価格が大きな武器だったかもしれない。しかし今なお拡大している要因はEC独自の購買体験にあるのではないかと思う。 ECの購買体験とは昨今のECで得られる購買体験は、実店舗では常連さん(ヘビーユーザー)向けに提供されていた(いる)体験である。 例: ・商品を自宅に届けてくれる ・購買

          EC全盛時代、実店舗の購買体験と何が違うのか

          Yahoo、LINE経営統合後の未来予想

          ニュース見て思わず書いた…。以下個人的な未来予想です。主に広告という観点から書いてます。 私の親は地方在住でITに疎くて、購買行動はTVとか新聞から影響受けることが多い。 ITとのわずかな接点はLINE。(意外とそういう人多いんじゃないかな?)なのでこれまではデジタル系のPR施策・広告に触れる機会も少なかった。 LINEがYahooと資本提携すると、そういった今まで広告が届いてなかった層にまで深くリーチできるようになる。 なぜなら、LINEをフックに沢山の行動データを取得

          Yahoo、LINE経営統合後の未来予想

          note酒場レポート:スタッフとして参加して見えた、運営チームのチャレンジ

          私は2019年の第二回note酒場に受付スタッフとして参加しました。事前の参加受付(キャンセル待ちチケットへ応募いただいた方への連絡)と、当日の受付をしていました。運営に関わるほんの一部をお手伝いしただけなので、私には見えていない部分もたくさんあると思いますが、「運営チーム」にフォーカスを当てて振り返ってみたいと思います。 note酒場の裏側、運営チームの話 note酒場運営チームの構成としては、コアメンバー(5~6名?ちゃんと把握できておらず申し訳ない・・)+有志のボラン

          note酒場レポート:スタッフとして参加して見えた、運営チームのチャレンジ

          遠近法から見る、「リアル」を表現する手法の違い

          遠近法は発明です。 「遠くのものは小さく、近くのものは大きく描く」という遠近法は、写真的な見方に慣れてしまっている私たちには「発明」と言われてもピンと来ないかもしれません。 しかし、遠近法とは、2次元の紙の上でいかに3次元世界を構築できるかに挑戦した先人画家たちによる発明です。 そして「遠くのものは小さく、近くのものは大きく描く」以外にも、さまざまな手法が存在します。 日本の遠近法:積立遠近法日本の古典美術に見られる代表的な遠近法は、積立遠近法です。 画面上部が遠方・下部は

          遠近法から見る、「リアル」を表現する手法の違い