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さっぱりばっさりBASSAI!! いろんな意見があるけど どーしよ?(どーする?)

社会派な記事じゃないですし、そもそもプリキュアです。

前回までのあらすじ

ちょっとした時事の話題から脱線して、かつてプリキュアグッズのお店で経験したちょっと怖い話を披露したたかやまさん。今でも熱心にプリキュアを観ているたかやまさんは最新作『わんだふるぷりきゅあ!』のポップアップショップを見に行こう、とささづかまとめに提案したのでした。

前回をちゃんと読む↓


本文です

たかやまさん
「で、さーさちゃんは切る派? 切らない派?

ささづかまとめ
「ええ……いきなりぶっこんでこないでくださいよ。センシティブ!

たかやまさん
「悲しい。外苑の話するのがセンシティブだなんて」

たしかにそうだな、と思う。

今日はプリキュアのポップアップショップに行く。本当はオープンしてすぐ行こうとしたのだが、あまりにも雨がしっかり降っていたのでやめたのだ。それからずるずると何日も経って、すっかり開催期間の終わるぎりぎりになってしまった。

ショップは新宿三丁目のマルイアネックスにあるが、たかやまさんが指定した集合場所はなぜか神宮外苑。わたしは銀座線で来たけれど、たかやまさんは市ケ谷にあるいちがやさんの部屋からはるばる歩いてきたらしい。

歩くのが好きだが暑がりのたかやまさんにとって、秋の終わりから春の初めにかけては絶好の散歩シーズンで、とにかく歩きたがっている。

たかやまさん
「まあ私はイチョウの木なんてバッチバチに切っちゃえばいいと思ってるけどね!!!」

拳法みたいなポーズを決めながらたかやまさんは叫んだ。指はチョキ。今日のたかやまさんは赤いスタジャンとネイビーのスカートがくっついたようなワンピースを着ている。ただでさえ色彩のない外苑の景色の中ではよく目立つのに、声も動きもやたら大きい。

ささづかまとめ
「しーっ!」

ちょうどわたしたちのとなりを自転車が2台通り過ぎていく。

たかやまさん
「私は野球が安全にプレーできて、お客さんが快適に観られるスタジアムを作ってくれるならそれでいい」

ささづかまとめ
「ちなみに切らないらしいですよ、ここらへんの並木のところは」

たかやまさん
「そう。でも現状維持なんてほとんどろくな結果にならないよ。私は外苑全部作り替えてほしいくらい」

ささづかまとめ
「たしかに『迷ったらとりあえず買おう、変えよう、動こう』がモットーのわたしたちとしてはそっち側かもしれませんね」

これまでの旅行やオタク的生活の中でたかやまさんとわたしの中で固まった方針だ。これに従って行動していると無駄が生じることもあるけれど、取り返しのつかない大失敗はほぼ起こらない。

たかやまさん
「うん。だからね、さーさちゃんがうずうずしちゃうのはすごく好き」

わたしが同じところにとどまっているのを苦手にしていることをたかやまさんは「うずうず」と呼んだのだろう。時間のかかる外食や買い物、美容院、美術館や博物館の類はあまり気が進まない。スポーツもじっと席に座って観るのはできない。つい売店などを冷やかしに行ってしまう。

ささづかまとめ
「ほかのみなさんには不評なんですけど。もうちょっと落ち着いたら、って言われます」

たかやまさん
「ううん、それでいいんだよ。で、シェイクシャックって何時から開くんだっけ」

ささづかまとめ
「えっと、たしかほんとにお昼にならないと開かなかった気がします」

まだ10時になったばかりだ。シェイクシャックは店員さんがテラス席のテーブルを拭いたりしていて、いかにも準備中。

たかやまさん
「じゃあ今日はシャックスタックあきらめる。ちょっと歩こうか」

ささづかまとめ
「はーい」

たかやまさんは絵画館のほうに向かって歩き出す。その後ろ姿がまさにたかやまさんだ。

「BOSTON」と綴られたアルファベットのワッペンが、たかやまさんの肩甲骨と肩甲骨を結ぶように縫いつけられている。今日は服をいちがやさんから借りたのではなく、珍しく自前なんだろうな、と思った。


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