【体験談】フリーランスがクラウドソーシングを活用するメリット
多くのフリーランス指南書には「クラウドソーシングは早めに卒業しろ」と書かれています。こうした指摘は、正直浅いです。
私はこれまでフリーランスのwebライターとして「クライアントとの直接取引のみ」と、「クラウドソーシングのみ」の両方を経験していますが、クラウドソーシングには主戦場にするだけの価値が十分にあります。
今回は、フリーランスがクラウドソーシングを活用し続けるメリットをお伝えしていきましょう。
クラウドソーシングとは
クラウドソーシングとは、企業または個人がインターネット上で不特定多数の人に向けて業務を委託する仕組みのことです。
クラウドソーシングの定義は明確に定まっておらず、現実とは乖離した解説を上げているサイトも多いので注意しましょう。例えば「発注から納品までweb上で完結する」とするサイトがありますが、対面での打ち合わせが発生することもあります。私もライターという仕事柄、何度も現地取材やインタビューに出かけています。
代表的なクラウドソーシングサイトとしては、「クラウドワークス」「ランサーズ」「ココナラ」などが挙げられます。サイト選びについては求人サイトと同じで、有名サイトほど案件が集まるので、この3つのうちのどれかを第一選択とすれば間違いありません。
フリーランスがクラウドソーシングを活用するメリット
フリーランスがあえてクラウドソーシングを活用し続けるメリットについて、クラウドソーシングの機能・特徴を踏まえて解説していきます。
報酬の未払いを防げる
フリーランスがクラウドソーシングを活用する最大のメリットは、報酬の未払いを防げることです。
クラウドソーシングではシステム(利用規約)上、クライアント側がクラウドソーシングサイトに報酬を入金することにより、初めて依頼が成立します。このシステムにより、仮にクライアントからの連絡が途絶えたとしても、納品完了を申請すればクラウドソーシングサイトから報酬が入金されるわけです。
私はフリーランスとして5年以上活動していますが、その間に様々なクライアントと出会いました。幸い、私は報酬の未払いトラブルにこそ遭ってはいませんが、何度か入金が遅れたことがあります。
クライアントに対してわざわざ督促の連絡を入れるのはストレスですし、「トラブルになるのでは」と心労も溜まりました。
近年ではフリーランス保護の法整備も進んでいますが、何らかのトラブルが発生した場合、基本的に対応にあたるのは自分しかいません。会社員であれば、トラブル解決に当たっているあいだも給料は発生します。しかしフリーランスは、報酬未払いでクライアントとバトルをしているあいだは無収入に陥ります。
フリーランスにとって報酬の未払いは、単に仕事をした分の報酬が入金されないだけでなく、その後の機会損失にまで繋がってしまうわけです。
クラウドソーシングを活用すればこうしたトラブルを未然に防げるわけですから、相当なメリットといえるでしょう。
営業をしなくても依頼が来るようになる
クラウドソーシングで実績を積み重ねていくと、営業をしなくても依頼が舞い込むようになります。これこそ、クラウドソーシングのあまり気付かれないメリット、「実績の見える化」です。
直接依頼が届くほどのフリーランスになるためには、実績以上に知名度が必要となります。
とくに私のように、採用のためのコンテンツやSEOライティングをメインに活動していると、ゴーストライティングになってしまうことがほとんどです。つまり、記事を書いても自分の名前が売れません。エンジニアや動画編集者なども同様で、「自分の仕事」を対外的にアピールするのは思いのほか難しいものです。
SNSなどで宣伝しようにも、胡散臭いアカウントたちに押しやられるのが関の山でしょう。
その点でクラウドソーシングでの仕事は、サイト内の「実績」として数字が積み重なっていき、実績に応じたランク認定制度もあります。上位ランカーになれば提案が通りやすくなりますし、発注者側からの直接依頼も増えてきます。
自分に合った仕事を探しやすい
自分に合った仕事を探しやすいのも、クラウドソーシングの魅力のひとつでしょう。「副業を始めたいけど、自分のやりたい仕事がどこで募集されているかわからない」という人こそ、クラウドソーシングを主戦場すべきです。
とくに「キャラクターボイス」や「歌ってみた」なんて項目は、SNSなどでは基本的に売れっ子に依頼が集中します。同人声優や歌い手の世界は名前を売るだけでも超高難度ですし、クラウドソーシングは案外ブルーオーシャンかもしれませんね。
また、一口にライターといっても「取材が得意な人」「SEOを理解している人」「脚本を書きたい人」など様々です。そうした依頼が一カ所に集まっているというのは、やはり仕事を探すうえで大きなメリットとなります。
フリーランスとしての箔がつく
「営業をしなくても依頼が来るようになる」とも重なりますが、一部のクラウドソーシングで成果を残すと、フリーランスとして箔がつきます。
例えば、代表的なクラウドソーシングサイト「ランサーズ」では、「ランサーズオブザイヤー」と題して、毎年ランサーズ内で活躍するフリーランスを表彰するリアルイベントを開催しています。
普通にフリーランスとして生きていて、表彰される機会などまずありません。これも、クラウドソーシングを活用するメリットのひとつといえるでしょう。
クラウドソーシングを活用する際の注意点
「クラウドソーシングは卒業しろ」というサイトも多いくらいですから、クラウドソーシングの活用時にはそれなりの注意点があります。
バカ高い利用手数料
クラウドソーシング最大のデメリットは、バカ高いシステム手数料です。以下、最大手2社の「クラウドワークス」と「ランサーズ」のシステム手数料を引用します。
以前まで「ランサーズ」と「クラウドワークス」は同条件でしたが、「ランサーズ」は2022年に一律16.5%(税込)へと改定しました。webライターを中心とした低額取引を行うワーカーにとっては実質的な値下げであり、私もこの時期からランサーズを主戦場に据えています。
※20万円以上の高額取引を行うワーカーにとっては10%の値上げなので、かなり思い切った改定だったと思います
しかし値下げがあったとはいえ、相当な金額を持ってかれることには変わりありません。下のスクショは直近の私の取引ですが、2万円の報酬に対して3000円以上の手数料を持ってかれています。
クラウドソーシングに対する評価は「いくつかのメリットとシステム手数料のデメリット、どちらかを評価するか」で分かれます。つまり、バカ高いシステム手数料を支払っても、報酬の未払い防止や直接依頼が届くメリットのほうが大きいと考えられるかどうかです。
詐欺まがいの案件が存在する
クラウドソーシングには、詐欺まがいの案件がゴロゴロ転がっています。とくに初心者は実績を稼ぐためにこうした案件に手を出しがちですが、こうした案件は損失のほうが大きいので避けるべきです。
クラウドソーシングは月10数万円くらいなら普通に稼げる
バカ高い手数料や詐欺案件のせいで「クラウドソーシングは単価が安い」といわれますが、実際には月100万円以上を稼ぐ人もいます。
実際、私のような利用者から見ても、こんな人は異次元の存在です。ただ、ここまでは辿り着けずとも、日陰者のままでも月収10数万円程度なら普通に稼げます。ホロライブの配信ばかり見ている底辺ライターでも、「パッケージ売上・ライター部門1位」を取れるくらいには夢がありますよ。
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