見出し画像

【日記】お風呂屋さん

スーパー銭湯
色々な温泉が一度に楽しめて、お食事処や休憩スペースなどもある施設。

私は幼い頃、年に一度の夏の帰省以外ではほとんど旅行に行かなかった。
父は自分の時間が大切な人で、休日はテレビを見て昼寝をして、気ままに散歩に出かけて、早めにお風呂を済ませて晩酌を始める、そんな人だ。
時間はたくさんあったハズだが、家族で旅行なんてことは頭の片隅にもなかったような人だ。
母はそんな状況の私や姉のことを思い、タイミングを見て父に進言してくれて、全て日帰りではあったものの、何度か遠出が実現したことがあった。

その数少ないうちの一つが、道後温泉の近くにあったスーパー銭湯だった。
他にもあったのかもしれないが、その銭湯の大きさや広さ、面白さが強烈過ぎてそのことしか覚えていない。

そこは地方ということもあり、敷地も十分確保されていたのだろう、その温泉施設の温泉はかなり大きかった。2階部分は吹き抜けになっていて天井もかなり長く、開放感が半端なかった。

私は当時確か小学生の中学年頃。
身長はクラスで小さな方ではなかったが、大人から比べるとまだまだ小さかったから、余計に広く感じたのもあるかもしれない。

また、お風呂のある階にはジャングルさながらに背の高い植物がたくさん植えられており、それぞれのお風呂も、数段高い位置に作られていて、出る時に滑らないかどうかヒヤヒヤしながら入った記憶がある。

私は母と姉と話しながら女湯を楽しんだので、すごく楽しくて印象深くて面白い良い思い出なのだが、小学生で日帰りのスーパー銭湯というのはなかなか人に話せるものではないのも確かだった。

そんな私の幼い頃の体験が、私にとっては人生初のスーパー銭湯だった。

それから時は流れ、私も結婚をし、子供が二人いる。
夫は有名な観光地でもある名の知れた温泉街出身の、温泉大好き人間。家族旅行や部活で数多くの旅行や宿泊も経験した人。
私とは大きく違う人生を歩んできた人で、初めは価値観の違いに驚いたけれど、その夫の影響でいったのことのなかった旅行(泊まりも日帰りも)も幾つか経験し、普通の週末でも遠出をたくさんした。その土地ごとに温泉にもいくつか入ったりした。

そして昨日、突然夫がスーパー銭湯に行きたいと言い始めた。
お風呂が大好き過ぎて、夫はたまにこういうことを言う。もう慣れたが、半ば苦しくない発作のような感じだ笑
一応、一緒に行くかと聞いてくれているようなのだが、頻度や回数が多かったり、以前は子供が小さかったりして、私はお供しないことも多かった。
しかし今回は子供達も大きくなったことだし、ちょっと疲れていたので、銭湯でゆっくりしたいと思って一緒に連れて行ってもらった。

うちの家族は夫婦と息子と娘だから、ちょうど家族二人ずつで男湯・女湯にそれぞれ分かれる。
夫の地元へ帰省すると温泉に入っていたことから、まだ小学校の低学年と年長さんの子供達ももう温泉大好きっ子。
今回も喜んでスーパー銭湯に行くことになった。

初めての場所で少し戸惑ったが、基本は同じ。
準備を済ませて、娘と一緒にさまざまな種類のお風呂を楽しんだ。
その店舗にあったお風呂は、
普通のお風呂、炭酸泉、泡風呂、電気風呂、ジェットバス、サウナ、水風呂、
外に出て、露天風呂、寝そべるタイプのお風呂が二種類、細かい泡風呂、少人数が入る壺のような形のお風呂、塩サウナ。
年齢的に娘がサウナには入れないので必然的に私も入れず大変残念だったが…塩サウナというのがどうしても気になって、サウナの中には入らないけれど、塩だけ少し体に塗ってみて一緒に体験した。シャワーで流すと一気にツルツルスベスベになって、最近オシャレに目覚めた娘には良かったみたいだ。

しっかり全てのお風呂を堪能して、ドライヤーをしていると、近くにビン牛乳を発見!
お風呂といえばという品物だが、私も娘も牛乳は苦手…。コーヒー牛乳もあったが、雰囲気だけ楽しんで女湯を出た。
男性陣と合流し、家路についた。
帰りの車中で、どのお風呂が一番良かったか聞いてみると、息子は細かく泡風呂、娘は水風呂だった。
娘は多分季節外のプールの感覚だったのだろう笑

みんな満足して帰ってきた。
しばらくはまた「お風呂屋さん行きたい!」と子供達にねだられることになるだろう。

頻繁には行かないが、子供達とゆっくり話せるし、定期的に行くのは良いかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?