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【レビュー】『正欲』

ほとんど本を読んでこなかった人間がポツポツ読書を始めました。
そんな人間によるレビューです。カナリ個人的で的外れな内容もあるかと思いますので、その点ははじめにお断りしておきたいと思います…。
(読書記録も兼ねている為、ネタバレを含みます。お気をつけ下さい)


『正欲』
朝井 リョウ 著 新潮社 2021/3/26


●この本について

・オーディオブック大賞2023 聴き放題部門大賞受賞
・2022年本屋大賞 4位受賞作
・第34回柴田錬三郎賞受賞作

これは共感を呼ぶ傑作か?
目を背けたくなる問題作か?

オーディオブック この作品について より一部抜粋

●あらすじ

《多様性》について、複数の人物の視点で描かれるが、それはある一点で重なる…。

頻繁に聞くようになった《多様性》について考えさせられる一冊。

●レビュー

評価は★★☆☆☆(星2つ)
ただ、オススメ度は★★★★☆(星4つ)

通勤時間にオーディオブックにて倍速読書。
4日で読了。長かった…。

傑作か問題作かと言われるだけあるなと納得の作品。
評価は正直迷った。
テーマに関しては星4つをつけたかったが、語り口や終わり方にモヤモヤが残った。
読む人それぞれの捉え方が出来る作品という点からすれば終わり方はこうなるか…とは思いつつも、なんとも言えない読後だった…。

だいぶ長いし、視点が頻繁に変わるので頭を使うが、今の時代、一度は読んでおくべき一冊かと思う。
これを読んでどう感じるか、何を考えるのかも人それぞれ。
ただ、安易にそれを他人に話せないなという気にもさせられた。

●真似したい点

・取り扱うテーマの深さ
・時代にあったテーマ
・いろんな人物の視点で進められる物語の形
・読む人それぞれの捉え方が出来る作品
・考えさせられる話
・タイトル

●う〜んな点

・ここで終わるの!?という終わり方
・いろんな人物の視点故に、一気に読まないと分かりにくい
(その点、オーディオブックでは声優さんごとにキャラの判別がつくのでオーディオブック向きの作品だったかとも思った)
・読み直したくなる部分が多くあった
・読後感のモヤモヤ
・作者の考えが見えない
(問題提起の本で結末は読者に委ねる形か…?)

●感想・気付き

先にも書いたが、評価は悩んだ…。
結局星2つにした。
その理由は、テーマは新しく、時代に合っているとは思うのだけれど、話の進め方の特徴から読みにくさを常に感じていたことと読後のモヤモヤ感。

問題提起の本で結末は読者に委ねる形か…?と思うと仕方がないのかもしれないが、作者の考えがハッキリ見える作品とは読後のスッキリ感はやはり感じられなかった。

ただ、時代にマッチした話だとも思うし、多様性について多角的な見方を養うにはうってつけの作品だったと思う。
これを読んでどう感じるかは人それぞれであり、それを簡単に人に打ち明けることはできない(本書を読んでもらえたら分かると思う)が、それらの見方・視点を知っていることと知らないことの間にはかなり大きな差が生まれるように感じてならない。
だから、本書を読んで良かったとは素直に感じている。なので、オススメ度として星4つとお知らせさせてもらった。


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