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【レビュー】『お探し物は図書室まで』

ほとんど本を読んでこなかった人間がポツポツ読書を始めました。
そんな人間によるレビューです。カナリ個人的で的外れな内容もあるかと思いますので、その点ははじめにお断りしておきたいと思います…。
(読書記録も兼ねている為、ネタバレを含みます。お気をつけ下さい)


『お探し物は図書室まで』
青山美智子 著 ポプラ社 2020.11.11

●この本について
・本屋大賞2位 受賞作
公共の施設内にある図書室。
そこを訪れた人はそれぞれに悩みを抱えていた。
レファレンスコーナーの司書さんはほんの少しの会話から、その人に合った本を紹介する。本の付録とともに。
その本と付録は一見、その人達に関係がないように見えるが、その人達の悩みは不思議なくらいその本と付録のおかげで次々と解決されていく。

●レビュー
★★★★★(星5つ)
いやぁ〜これも当たり本だった。
この作者の作品は初めて読んだと思うのだけれど、登場人物もお話しの展開も面白かった。
それぞれの登場人物の話だけでも十分面白い内容だったが、繋がらなそうな人達を見事につなげて終わらせる点はさすがだなぁ〜と感嘆。

一つ一つの話(この本は悩みを抱える5人の話が描かれている)も面白い(あるよなぁ〜という身近な設定からの解決・回収のされ方が素敵)のだけど、自分の境遇に特に近かった3人目の話ではボロボロに泣かされてしまった。
私は読書や絵画鑑賞でもよく泣く方だけれど、ここまで涙が次から次へと流れて溢れて止まらなくなるような作品は片手の指で数えられるほどだ。
私が抱いたことのある悩み・気持ちにほど近い部分に触れられていたんだなと気付かされた。
その当時は本を読むなんて余裕はなかったが、その当時にこの本に出会えていたら心が救われただろうなぁと心から思った。

現実にこの図書館があったら、是非行って小町さんのレファレンスを受けてみたい。

●真似したい点
・小町さんのキャラ設定
→イメージがすぐ出来るくらいの表現
・一つ一つの話の散らばり具合(全く違く境遇の老若男女が登場)
・最後のまとめ方

●う〜んな点
・なし!

●最後に
今回も当たり本だった。さすがは本屋大賞受賞作。
まとめ方はミステリーほどではないにしろ、ここでも繋がってくるのは面白いし、まとめられないと期待していたので、つながって嬉しくも感じた。
そしてのんといってもあの小町さんのキャラクターだ。本文を読むだけで勝手に想像が進んでしまうその特徴的過ぎる個性的キャラクターは素晴らしい。
出来ればシリーズ化してもらって、また私を泣かせて欲しいと思う。
この作家さんの他の作品タイトルを拝見したが、どれも気になるタイトルなので、ちょっと探してみたいと思う。

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