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齋藤綾治「後輩・部下の育て方、関わり方 公務員の新・育成術」

・本書は、コーチング、ストレングスコーチングをベースとして一人ひとりの能力開発を支援している26年間自治体職員生活を送った元公務員の著者が、育成のステップを、「相手を理解する」→「相手に関わり、力を引き出す」→自分の考えを伝える」という順番で伝え、コーチングの技術から特に役立つ実践スキルを紹介した1冊。

・育成に大切な3つのこと
①育成とは抱えるものではなく、関わること
②育成とは、共に育つ関わりのこと
③自分ができるかどうかよりも、目の前の相手に意識を向けること

・人を育てるという行為は、仕事を過去から未来へと紡いでいくうえで欠くことのできないもの。育成するものとされる者が共に関わり合い、高めあうことこそが育成である。育成の意識を持って後輩(部下)と関わることはとても重要なことである一方でらあなま自身がひとりで抱えるべきものではない。この感覚が育成者にとって大切である。そして育成とは、日々の関わり合いの延長線上にあるものなので、あまり大きな負担感や不安を抱えながら完遂しなければならないような「大変なもの」ではない。

・育成者は先生である必要はない。共に育つ関係を築いていけばいいのだ。たしかに相手が新人教員や、異動してきたばかりの職員であれば、基礎知識やスムーズに業務を進めるためのルールを初めに教える必要がある。しかし、育成者が正解を用意するのではなく、育成者とされる者とが共に考え、共に育っていく時代なので、育成者から問いを投げかけ、共に考え!お互いの思考力や判断力を高めていく。その関わりこそが、育成者のなすべき行動である。

・育成者にとって大切なのは自分に対する自信よりも目の前の後輩(部下)の成長である。まずは相手に意識を向けることを忘れないようにすること。「自分を意識すればするほど相手が見えなくなって空回りする。相手に意識を向けるほど、気づくことが増えて育成よりも上手くなる。」ということは頭の中に入れておくこと。

・育成において一番大事なのは「関わる」こと。「関わる」ことさえできれば、「きちんとできるかどうか」、「準備ができているかどうか」なんて、気にする必要などないとも言えるほどに、「関わる」ことは大切なのである。あなた自身が答えを用意しておく必要などなく、むしろ答えが見つかっていないことを題材に話をして共に見つけていけば、この関わりはあなた自身にとっても貴重な成長の場となる。

本書では、先に紹介した「人を育てるということ」「何を育てるのか」「育成のステップ(相手を理解する・相手に関わり、力を引き出す・自分の考えを伝える)」「育成のための実践スキル」という章で構成されており、「軸を育てる7つの着眼点」「「理解」から育成は始まる」「軸の育て方(着眼点で会話・コミットメントし、承認する)」「強みの伸ばし方」など、育成力を磨くために大事なこと(マインドやスキル)が紹介された内容となっている。

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