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古島尚弥「パラレルティーチャー 「パラレルキャリア」が気になりだした先生がまずはじめに読む本」

・本書は、21年間の教員生活で、公立高校3校、私立中高2校の計5校を経験、20年以上バスケットボールほ審判員として活動し、これまで2000試合以上を担当し、現在は「教員のパラレルキャリアを考える会」を主催し、オンライン講座と交流を通じて、教員の次世代の働き方を提唱している著者が、「パラレルティーチャー」の概要ならびにそれを実践するべき理由とその事例について紹介した1冊。

・「パラレルキャリア」とは、本業以外で行う活動のことを差し、パラレルティーチャーとは、「パラレルキャリア」と「先生(ティーチャー)」を掛け合わせた造語であり、「パラレルキャリアを実践している先生」という意味である。
・著者は、大阪の私立中高で先生としてフルタイムで働き、「教育」という軸のもと、本業以外の時間には、「フィリピン・セブ島の貧困・教育支援」「地元自治体の教育委員」など、さまざまな活動を行っている。

・「パラレルキャリア」はこれからの時代に必要な考え方である。なぜならば人生って100年時代、誰しも、働く時間が長くなるからである。ひとつのことを優先し、本当にしたいことや好きなことを犠牲にして、本当にあなたがあなたとして「やり切った」「生き切った」と思えるだろうか。自分が自分として生きられる最初で最初の人生を誰もがしたくないはずである。

・パラレルキャリアが先生にとって大切な理由は、
①指導の幅が広がる
②「背中で語る」先生になれる
③他の先生や生徒との関係性が深まる
の3つが挙げられる
・先生が「パラレルキャリア」を築くことができれば、生徒に伝えられる言葉や態度、表現に幅が生まれる。また、パラレルキャリアは自分自身のためになり、
□自分の好きなこと、興味があることができる
□取り組む中で自分にできることが増える
□授業の質が上がることで、自己肯定感も上がる
など、たくさんのメリットがある。このように、自分の状況、立場を客観的なら見ることが増え、地に足をつけ、「今の自分ができること」を1つひとつこなせるようになるのだ。
・つまり、先生が「パラレルキャリア」を築くことは「先生」としての価値を高めること、そして、関わる生徒に勉強とは別の「社会を生きる上で必要な要素」を届けることにつながるのだ。
※①〜③の詳細については、本書をご覧ください。

・もちろん、本業とは別に活動することになるため、必然的に時間に限りが出てくる。しかし、だからこそ、「限りある時間の中で、どれだけのことができるのか」を自然と考えられ、行動できるようになる。それが結果的に、仕事に磨きをかけたり、まわりへの気遣いができるようになったりと、「人として」の器も大きくしてくれるのだ。
※先生の「パラレルキャリア」には、さまざまなカタチ(正規職員として働きながら、他の活動をするパターン・非常勤講師や期限付き(常勤講師として働きながら、複業や起業をするパターン・先生をやめ、先生をしていたときの経験を活かした活動をするパターン)があるが、詳細は本書をお読みください。

・本書では、「「先生として」だけじゃない「人として」のキャリア」「パラレルキャリアを実践するべき3つの理由」「実は身近なパラレルキャリア」「パラレルティーチャーのはじめかた」「パラレルティーチャー実践の声」という章で構成されており、パラレルティーチャーとはどういったものであるか、実践することのメリットとはなにか、どのようにしてパラレルティーチャーを始めていけばよいか、小学校、中学校、高校でのパラレルティーチャーの実践例、パラレルティーチャーを実践したことで、先生から他の職業にキャリアチェンジした事例など、先生が「先生としてのキャリア」について見つめ直し、より一層、人生を輝かせたい人に向けた内容になっている。

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