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藏本貴文「意味と構造がわかるはじめての微分積分」

・本書は、微積分や三角関数、複素数などを駆使して、半導体素子の特性を数式で表現する「モデリング」という業務を行うエンジニアであり、エンジニアライターとして、サイエンス・テクノロジーを中心とした書籍の執筆(自著)、ビジネス書や実用書のブックライティング(書籍の執筆協力)などの活動をしている著者が、「微分積分」の一番易しいところから、微分方程式の活躍まで、「微分積分」の本当の姿(意味と構造など)を一つ一つ丁寧に解説した1冊。

・高校で勉強する数学の中で、多くの人にとって、最も役立つのは微分積分(以降、微積分)。
・なぜなら、微積分を学ぶことによって、数学から得られる情報が倍以上になるからだ。
・身の回りの数学にも微積分は溢れているが、その力が最も発揮されているのは理工学の分野と言える。車が走るのも、飛行機が飛ぶのも、ビルが建つのも、スマートフォンで通話ができるのも、ロボットが私たちの手助けをしてくれるのも、微積分の力なしにはありえない。
※その中でも現代社会で特に重要なのが「コンピュータ」であると語られているが、詳細は本書をお読みください。

・微積分の力は、お金の計算にも役立つ。本書では、ラーメン屋で出た利益についてが例として取り上げられている。
・ある人がラーメン屋を営んでいて、ある月に吠える50万円の利益が出たとする。これが多いか、少ないかの判断するには、先月の利益を比較すること。
・先月の利益が出て40万円であったとすると、25%も増えており、50万円という収入は多いのかなと考えられる。一方、先月が60万円だとすると、20%近くも減っているから、少ない。
・このように、毎月の利益などのお金の数値を分析する時に、その絶対額だけでなく増減を管理することは重要である。
・お金の流れはある瞬間の数字を見るだけでは適切に判断できない。過去のデータと比較して、その増減を確認して判断しないといけない。
・このように、収入のグラフから、増減を知ることが「微分」なのだ。
・お金の流れを積分で分析する場合、1月から12月のデータを用意する。この利益を1月から12月まで積分すると、積分した数字は1年分の利益になる。
・1年を通して利益の累積がいくらになったかという視点も重要であり、積分はその「累積」という視点を与えてくれるのだ。
・ただの利益の数字だけを見ていると、また月◯◯円の利益という1つの情報しか得られない。しかし、微分によって「変化」、積分によって「累積」という情報を得ることができるわけである。
※本書では、「ウイルス感染・車の中・スマートフォンの中」の微積分についても触れられているが、詳細は本書をお読みください。

・本書では、「微積分はこんな視点を与えてくれる」「微積分とは何なのか?」「なぜ数式を使うのか?」「数学の世界での微積分」など、合計7章で構成されており、「微積分を身近な事例(ウイルス感染・車の中・お金の流れなど)」「未来を予測するためにどのように数式を使うのか」「積分での面積の求め方」「微分での傾きの求め方」「微積分の構造・使われる記号・計算方法」「極限を考える理由」「様々な微積分のテクニック」など、実は身のまわりに溢れている微分積分の考え方、それをもたらす技術の姿、そしてその細部についてわかりやすく解説した内容となっている。

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