東京の大学病院は、〇〇さん部屋があります。
ホームレスさんの行き倒れとかの行き先って、大体、大学病院へ来ます。
嘘だか、偽名だか、ホントだか、わかんない名前を使って、入院してきて、
検査して、癌が分かったら治療して、生保に入って、おむつ買いに行かされたり、文句言われたり
世話が焼けます。
ホームレスさんを集めたホームレスさん末期部屋があって
皆んな、中心静脈輸液してて、
何故か手動で、点滴管理されてて。
立ったり座ったりするから点滴の速度が変わりやすく、
よく、急激に落ちて、始末書。
ゆっくり落としすぎて、輸液ルートが詰まってこれまた始末書書かされたりして
本当に落ち込みました。
ホームレスさん部屋にはほんと、泣かされました。
それに、しょっちゅう、タバコ吸いたいとか言われて、
車椅子に移動して、腹水抱えて、点滴して、喫煙所に連れていくのですが、
大体、ホームレスさんになる様な人は性格?で。
声かけても無視されたり、
んも〜ってなってました。
ところが、
ある時、ホームレスさんが「実は兄がいるんだよね。」みたいな事を言い出して
私「えっ!
それは!連絡しても良いですか?」
と聞くと
「俺、もう死ぬんだよね、連絡つくならして欲しい。」
と言って、早急に、探し出して、連絡をし、なるべく急いで来て欲しい旨を伝えたところ、アッサリ
明日、来てくれるということになり、こっちまでワクワクしてしまいました。
その日の夜、夜勤に入って、すぐ見に行くと、そのホームレスさんの呼吸が不自然になっていて、
お話できない状態で
あ!
これは、明日の兄の再会まで持たない!と
急いでドクターが兄に連絡をとったところ、
兄さんが、深夜に駆けつけてくれて
でも、もう、本人さん意識ほぼなくて
お兄さんが、グッと堪えて
向き合っていて
本人さんが何か言おうとするんだけど、苦しすぎて言えなくて(…の様に見えた)
誰かが無理して喋らなくて良いですよと、
言った瞬間、
亡くなりました。
意識のあるうちに再会できたかは微妙ですが
お兄さんはとても良い人で、引き取ってくださいました。
ちょっと泣けました。
あと、めちゃ看護師に対して、反抗的なホームレスさんがもう1人いて、手を焼いていたのですが、
いつもの様に喫煙所に連れて行って、迎えに行くと
外に出たいとか言われて
私「チョー時間ないから、ちょっとね!」と外に出ると
「緑ってさ、いいよね。」って、いつになく良い表情をした。
翌日、浮腫をきたし、亡くなりました。
その後、私は緑を見るたびに、その人を思い出して、緑って良いよねって、思ってしまいます。
そして、また、新たなホームレスさんが、補充するかのように、やって来る。
気品のある、がん末期の爺さんは、相撲のハッキョー一イ
の、号令かける事に生涯を費やし、
亡くなったら、あの服を着て送って欲しいと言ってて、
亡くなって、ハッキョーイの服を着ての死亡退院して行きました。カッコイイお見送りがあったり
がんの再入院で、亡くなったり
外科病棟って!
こんなに死亡率高いの?!!
、意外すぎました。。。
あとは、毎月、夜中にイレウスで緊急入院してくる人。
お腹を一度開けたら、避けられない合併症など、
切ったら治るわけではない。
振り返ればそこそこ思い出があって、あまり患者と触れ合ってないけど、
とにかく忙しくて、毎日、緊張の連続で怯えていました。
タバコが吸いたいなーと思っても、家には非喫煙者がいる為、寛げないし、
ストレスは溜まって行きました。