見出し画像

自己効力感を引き出す、目標の設定方法

心理系大学院の試験科目は、
英語と専門科目(心理学)と小論文の3つだった。

専門科目はひたすらな暗記、小論文はこれまでの社会人経験で何とかなると踏んで、問題は英語だと考えた。
英語は大学受験レベルの能力があればできると聞いていたけど、私が大学受験をしたのは20年以上前。。。1年前に受けたTOEICが衝撃の460点台だった私は、志望校の過去問英語を見て、全く読める気がせず、戦意喪失していた。

TOEIC460から大学院合格に必要な英語レベルまで、どのくらい距離があるのかわからない。
そこで、まずは大学受験レベルとされる英検2級の試験を受けることにした。ただ私の英検の歴史は高校1年の準2級の受験で終わっており、しかも不合格という消せないシミのような記憶だった。
そこで、過去の自分へのリベンジとして、準2級合格を目標に設定し、英検対策の勉強を始めた。

とはいえ、英語学習に苦手意識がある私は、英検対策本を隅々まで勉強するわけはなく、Youtubeの合格秘策動画を見まくって、何冊か買った教材から要領よくかいつまんで覚えていく日々。
それでも、英検をオンラインで申し込んで、証明写真機で写真を取って受験票に貼って、受験当日は中高生と混じって受験し、最後までやり遂げた。
結果、合格。しかも英検2級合格に必要なレベルの点数もとれており、これから大学院英語に取り組んでいく上で大きな自信となった。その後、英検2級も受験して合格。
「自分は英検2級に合格したんだ」という自信が、大学院受験の勉強の歩みだしを大きく支えてくれた。

後に、専門科目である心理学の勉強をして、この自分の体験が何だったのかを知り、エビデンスを得ることとなる。

<達成目標の設定>
やる気が起きるかどうかということと、自分のしたい目標を現実的かつ具体的に決められるかどうかということはおおいに関係がある。バンデューラとシャンク(Bandura&Schunk,1981)は、より具体的で身近な目標を立てた場合の方が遠い大きな目標を立てた場合よりもセルフ・エフィカシー(後述)が高まり、課題の成績がよくなったと報告している。したがって、たんにいい成績をとりたいというよりも、どのレベルの成績をとりたいのかがわかっている方が動機づけは高まるといえる。目標をより身近なものにすることによって、その目標に取り組む際の現実的でより確かな自信が増してくるのである。このような体験に基づくたしかな可能性の確信をバンデューラはセルフ・エフィカシー(self-efficacy;自己効力感)と呼び、さまざまな課題に取り組む際の実行性を高める重要な要因であると考えた。

武藤隆ほか『心理学 新版』有斐閣 P.223

私の例に当てはめると、自分の持っている能力を知り(TOEIC460点)、自らが立てた大きな目標(心理系大学院受験レベルの英語力;英検2級)との間にどのくらいの距離があるのか、把握する。そのために、現実的で具体的な目標(英検準2級)を立てて取り組むことで、自信が増して「自分には達成しうるだけの力がある」という自己効力感が生まれる。といった感じだろうか。

40代からの心理系大学院合格には、マーケティング的思考だけではなく、達成目標の設定が大事、というお話。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?