「テレワークができると聞いて志望しました」 これはもうやめようか
国土交通省の2023年度の調査によると、テレワークを実施している企業は着々と減少している。
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001733057.pdf
おそらくテレワーク半分、出社半分というハイブリッド型が増えてきたのかもしれない。
働き方改革として政府方針としては引き続きテレワークを推進している。
とはいえコロナ禍ほど熱心というわけではない。
企業としてはテレワークでも仕事ができるといる環境が浸透したことは大きい。
例えばお子さんが微熱で保育園を休まなくなったとすると、従業員は有給休暇を取らなくてはならなかった。
だが子供が寝ている間、そばで在宅ワークができるなら、有給を使わなくても良いかもしれない。
営業先から会社に戻って営業報告しなければならなかったが、家から報告できることで、もう一件、訪問できるようになったかもしれない。
完全在宅ワークは労務管理をする上で、面倒な事が多かったが、ハイブリッド型はメリットが大きい。
ここに企業と求職者、特に新卒との間に認識のズレがあると問題だ。
「テレワークができるから」という志望動機はやめた方が
テレワークが先進的だから…
テレワーク・在宅ワークができる企業と聞いて志望した、とダイレクトに言う求職者はあまり会った事がない。
「テレワークを取り入れているような、先進的な会社だから志望した」と少しマイルドに言ってくる。
自分は決してテレワークをしたいわけじゃ無いという予防線だろうか?
ところがテレワークをしている事はもはや先進的というわけではない。一周まわって出社させている企業の方が多いのだ。
つまり先進性はあまりない。
従業員のことを考えてくれていると感じるから
コロナ禍では「コロナなのに出社させるなんて酷い会社だ」と内定を辞退されたり、従業員からクレームを受けたこともある。
従業員の健康や感染予防を鑑みると、テレワークという働き方は、確かに従業員の健康のためであった。
しかし今はテレワークは新しい働き方、効率的な働き方、というメリットがあるだけで、従業員の感染予防のためという目的は薄いだろう。
そこを誤解してテレワークができる事を志望動機にされると困ると言うわけだ。
移動時間も仕事ができるから
仕事頑張りますアピールかもしれないが、これもやめた方がよい。確かに在宅ワークは移動時間の無駄が省ける。
しかし在宅だろうが出社だろうが、仕事すべき時間は決まっている。移動時間は労働時間じゃない。移動に往復2時間かかるところを仕事する時間にまわすというなら、本来は残業にすべきなのだ。
これを「やる気あり」と見なすかどうかは会社次第だが、堂々と残業宣言をしている事は把握した方が良い。
テレワークは企業の魅力ではないのか
テレワークという働き方ができるというのは、企業がPRすべき「魅力」とは言えなくなってきた。
またテレワークは福利厚生ではない。従業員が受けれる特典という性質のものでもない。
またテレワークは従業員の「権利」でもないだろう。なぜ私だけテレワークが出来ないのか、なぜ他の人はテレワークができるのかと不満をもつ人もいるだろう。
しかし勤務形態の一種に過ぎず、多くの場合はその勤務方法を会社が「命じる」ものだ。
テレワークは魅力ではない、福利厚生でもない、権利でもない。この認識に齟齬がないよう、就活をおこなってもらった方がいいだろう。
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