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【映画観覧記】

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映画の感想を、お絵描き付きで発表してみる試み。映画は一日に一本は観る。 多い日には3本とかいってしまう。 これは酒の肴のようなもので、夜長の楽しみのひとつ。
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記事一覧

【映観】『ボーはおそれている』(2023)

『ボーはおそれている (Beau Is Afraid)』 監督・脚本・製作: アリ・アスター 出演: ホアキン・フェニックス、ネイサン・レイン、エイミー・ライアン 「ミッドサマー」アリ・アスター監督、+「ジョーカー」ホアキン・フェニックス というだけでも、絶対に観ないといけないヤツ。 そうして長尺179分というコトも知らず、予備知識もなし、ある意味驚愕の3時間でした。 率直に云えば、最初の何をやってもダメダメになってく主人公ボーの可笑しさは好き。 ほらチャップリンの有名な

【映観】『マッシブ・タレント』(2022)

『マッシブ・タレント(The Unbearable Weight of Massive Talent)』(2022) 監督・脚本: トム・ゴーミカン 出演: ニコラス・ケイジ、ペドロ・パスカル ニッキー F u c k i i i i i i i i i i i ~~~~ n' ケイジ! 残暑の爆コメディ! こんな役柄を演じられるのはニコラス・ケイジくらいぢゃないのか、と。 彼の出演は多作で、当たり外れが多い、肩すかしを喰らうコトも多い。 それというのも、彼の気質に由来す

【映観】『エイリアン:ロムルス』(2024)

『エイリアン:ロムルス (Alien: Romulus)』(2024) 監督: フェデ・アルバレス、制作: リドリー・スコット 出演: ケイリー・スピーニー、デヴィッド・ジョンソン、イアン・ホルム(A.I) 僕の唯一の贅沢は、映画館で映画を観るコト。 昨今入場料も跳ね上がってるけれど、ここの映画館は月曜日1300円、 Dolby Atmos(立体音響)で100円追加だ。 前回「マッドマックス:フュリオサ」もここで観た。 いつものように上映前のサイゼで腹ごなし、準備万端だ

【映観】「ドント・ウォーリー・ダーリン(2022)」

『ドント・ウォーリー・ダーリン(Don't Worry Darling)』(2022) 監督: オリヴィア・ワイルド 主演: フローレンス・ピュー、ハリー・スタイルズ 先月観たなかで、とっても奇妙さを醸し出した一作。 なにしろ今年の夏も酷暑であり、トタン屋根の2階は籠った暑さが深夜にまで及び、冷房装置も付け焼き刃だ。 これから地球環境の負荷に拍車がかかり、さらに過酷な状況になっていくんだろうか。 そんな夏の一作。 映画の舞台は、出来すぎなようなアメリカの小さな町、 カラ

【映観】「DOGMAN」(2023)

『DOGMAN ドッグマン』(2023) 監督・脚本: リュック・ベッソン 主演: ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ 7月、2番目に良かった映画。 リュック・ベッソン監督だ。 「グラン・ブルー(1988)」が大好きだった。 その当時、何度も何度も見返して、それからほぼドキュメント「アトランティス(1991)」にどっぷり浸かった。 その頃僕は20代前半、海への憧れが強過ぎて、とうとう海水魚の飼育にまで至っていた。 180cmオーバーフロー水槽を特注し、海を部屋に再現しようと

【映観】「エンドロールのつづき」(2021)

「エンドロールのつづき」(Last Film Show/2021) 監督・脚本: パン・ナリン 出演: バヴィン・ラバリ 今月見た映画で一番素敵でした。 インド映画、僕の中では「ムトゥ 踊るマハラジャ」くらいしか記憶にない。 とにかく、中年で恰幅よく中肉中背髭ちょびん、それがリズミカルに踊ってると絶世のインド美女にモテる(らしい) 痩せてると貧相で、小太りくらいが富を象徴するんだろうか、だいたい太っちょが主人公だよねインド映画。 この映画はそれとは違う。 まず最初に、い

【映観】『マッドマックス:フュリオサ』(2024)

『マッドマックス:フュリオサ (Furiosa : A Mad Max Saga)』(2024) 監督・脚本: ジョージ・ミラー 出演: アニャ・テイラー=ジョイ、クリス・ヘムズワース、トム・バーク もちろん映画館、"Dolby Atmos"という立体音響システムで観ました。 もうこうなると一つのアトラクションでございます。 映画館がいいのは大画面もさることながら大音量、そして今後VRな空間が提供されていく方向にいくのだろう。 それにしてもだ、もの凄い映画だった!!!

【映観】『レット・イット・ビー』(1970)

『ザ・ビートルズ: Let It Be』2024年修復版 監督:マイケル・リンゼイ=ホッグ 僕が若かりし頃(80年代)既に伝説化され、教科書に載ってしまうくらいポピュラリティを得てしまっていた。 80年にジョンが殺され、もはやビートルズ再結成は叶わなくなり神格化されていくのだが、ご存じの通り20世紀末のアンソロジープロジェクトで実質的に3人が新曲を演奏し、去年「Now and then」で残る2人がA.Iの力を借りラスト曲を発表した。 10代の僕は、FAB4好きを隠すよう

【映観】『ドント・ルック・アップ』(2021)

『ドント・ルック・アップ(Don't Look Up)』(2021) 監督: アダム・マッケイ 出演: レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・ローレンス、 ロブ・モーガン、メリル・ストリープ、アリアナ・グランデ、ロン・パールマン 心が弱ってる時、ふらりと吸い込まれるように映画を見てしまうコトがある。 予備知識もなく、ふらりとだから、それは呑み屋に入るのと似てるのかも知れない。 ただ酩酊して正体を無くしたいのだから、その店の看板メニューやらオススメなんて知ったこっちゃない

【映観】『クラム "Crumb"』(1995)

『クラム(Crumb)』(1995) 監督: テリー・ツワイゴフ ロバート・クラム(Robert Crumb) ドキュメンタリー映画。 1968年『Zap Comix』創刊、アンダーグラウンド・コミックスの旗手。 映画チラシは額に飾ってるくらいだけど、公開当初は見られず、今回amazon primeで見ました。 クラムといえば、まずコレですね。 彼自身も一番売れたヤツと云っております。 "Keep on Truck'in" 続けていく、走り続ける、とかいう意味だけど、

【映観】『生きる(1952)』と『LIVING(2022)』

『生きる』(1952) 監督: 黒澤明 出演: 志村喬、小田切みき、日守新一、金子信雄、ほか 映画ファンとしてクロサワ映画を見たことがない人がいたら、それは実に勿体ないコトをしてる。 お寿司屋さん行って、ナマモノ食べられませんて云うようなもんだ。 身につまされる社会派ドラマから、活劇エンターティナー、チャンバラ、人情劇、時代絵巻まで多岐に渡る世界のクロサワ。 この映画はいわゆる"余命宣告"モノだ。 もうタイトルだけでお腹いっぱいになっちゃうかも知れないし、生半可な作品にこん

【映観】『道 (La Strada)』(1954)

『道 (La Strada)』(1954) 監督・脚本: フェデリコ・フェリーニ 出演: アンソニー・クイン、ジュリエッタ・マシーナ、リチャード・ベイスハート ジェルソミーナを白痴と云うな! と、強く言いたい。 なんか、白痴だの知的障害者だの簡単にすまし顔で評論してるのが散見されるが、僕は決してそうじゃないと思ってる。 ただ純粋で、生き方が上手じゃないだけ。 フェリーニの代表作にして大傑作。 大道芸人の悲哀が余すコトなく描かれる。 しりあがり寿のマンガっかつーくらいの(いや

【映観】『ゴジラ-1.0』(2023)

『ゴジラ-1.0』(2023) 監督・脚本・VFX : 山崎貴 出演 : 神木隆之介、浜辺美波、吉岡秀隆、安藤サクラ、他 ■第96回アカデミー賞 視覚効果賞 映画館で観たいと思った。 アジア映画史上初アカデミー視覚効果賞である。 製作費15〜22億円で、34年ぶりに全米での歴代邦画実写作品興収第1位(それまでの「子猫物語」に驚く) 韓国「パラサイト」を抜きアジア映画最多の興行収入であるという。 予備知識もなく、怪獣娯楽映画をしっかり楽しもうと、ビールを買い込んで。 そうした

【映観】『エルヴィス(Elvis)』(2022)

『エルヴィス(Elvis)』(2022) 監督: バズ・ラーマン 出演: オースティン・バトラー、トム・ハンクス エルヴィス・プレスリー伝記映画。 あなたは、エルヴィスて呼ぶ、プレスリーて呼ぶ、フルネームでもいいよ。E.Pが気に入った。 もう言わずもがなではあるが、やはり敬遠してしまう人も多いコトだろう、あゝディナーショーの人だとか、 もうこのご時世、名前さえ知らない人もいるだろう、寂しいコトだけどそんなコトもあるだろう。 ロックンロール(Rock’n’Roll)は、19