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【映画観覧記】

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映画の感想を、お絵描き付きで発表してみる試み。映画は一日に一本は観る。 多い日には3本とかいってしまう。 これは酒の肴のようなもので、夜長の楽しみのひとつ。
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記事一覧

【映観】『ドント・ルック・アップ』(2021)

『ドント・ルック・アップ(Don't Look Up)』(2021) 監督: アダム・マッケイ 出演: レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・ローレンス、 ロブ・モーガン、メリル・ストリープ、アリアナ・グランデ、ロン・パールマン 心が弱ってる時、ふらりと吸い込まれるように映画を見てしまうコトがある。 予備知識もなく、ふらりとだから、それは呑み屋に入るのと似てるのかも知れない。 ただ酩酊して正体を無くしたいのだから、その店の看板メニューやらオススメなんて知ったこっちゃない

【映観】『クラム "Crumb"』(1995)

『クラム(Crumb)』(1995) 監督: テリー・ツワイゴフ ロバート・クラム(Robert Crumb) ドキュメンタリー映画。 1968年『Zap Comix』創刊、アンダーグラウンド・コミックスの旗手。 映画チラシは額に飾ってるくらいだけど、公開当初は見られず、今回amazon primeで見ました。 クラムといえば、まずコレですね。 彼自身も一番売れたヤツと云っております。 "Keep on Truck'in" 続けていく、走り続ける、とかいう意味だけど、

【映観】『生きる(1952)』と『LIVING(2022)』

『生きる』(1952) 監督: 黒澤明 出演: 志村喬、小田切みき、日守新一、金子信雄、ほか 映画ファンとしてクロサワ映画を見たことがない人がいたら、それは実に勿体ないコトをしてる。 お寿司屋さん行って、ナマモノ食べられませんて云うようなもんだ。 身につまされる社会派ドラマから、活劇エンターティナー、チャンバラ、人情劇、時代絵巻まで多岐に渡る世界のクロサワ。 この映画はいわゆる"余命宣告"モノだ。 もうタイトルだけでお腹いっぱいになっちゃうかも知れないし、生半可な作品にこん

【映観】『道 (La Strada)』(1954)

『道 (La Strada)』(1954) 監督・脚本: フェデリコ・フェリーニ 出演: アンソニー・クイン、ジュリエッタ・マシーナ、リチャード・ベイスハート ジェルソミーナを白痴と云うな! と、強く言いたい。 なんか、白痴だの知的障害者だの簡単にすまし顔で評論してるのが散見されるが、僕は決してそうじゃないと思ってる。 ただ純粋で、生き方が上手じゃないだけ。 フェリーニの代表作にして大傑作。 大道芸人の悲哀が余すコトなく描かれる。 しりあがり寿のマンガっかつーくらいの(いや

【映観】『ゴジラ-1.0』(2023)

『ゴジラ-1.0』(2023) 監督・脚本・VFX : 山崎貴 出演 : 神木隆之介、浜辺美波、吉岡秀隆、安藤サクラ、他 ■第96回アカデミー賞 視覚効果賞 映画館で観たいと思った。 アジア映画史上初アカデミー視覚効果賞である。 製作費15〜22億円で、34年ぶりに全米での歴代邦画実写作品興収第1位(それまでの「子猫物語」に驚く) 韓国「パラサイト」を抜きアジア映画最多の興行収入であるという。 予備知識もなく、怪獣娯楽映画をしっかり楽しもうと、ビールを買い込んで。 そうした

【映観】『エルヴィス(Elvis)』(2022)

『エルヴィス(Elvis)』(2022) 監督: バズ・ラーマン 出演: オースティン・バトラー、トム・ハンクス エルヴィス・プレスリー伝記映画。 あなたは、エルヴィスて呼ぶ、プレスリーて呼ぶ、フルネームでもいいよ。E.Pが気に入った。 もう言わずもがなではあるが、やはり敬遠してしまう人も多いコトだろう、あゝディナーショーの人だとか、 もうこのご時世、名前さえ知らない人もいるだろう、寂しいコトだけどそんなコトもあるだろう。 ロックンロール(Rock’n’Roll)は、19

【映観】『ブルーベルベット』(1986)

『ブルーベルベット』(Blue Velvet)(1986) 監督・脚本: デヴィッド・リンチ 出演: カイル・マクラクラン、イザベラ・ロッセリーニ、デニス・ホッパー、ローラ・ダーン 86年公開当時、映画館でちゃんと観ました。 僕は18歳くらい、TAさん*と行ったのを覚えてる。(*青の時代・参照) あまりにも衝撃的だったのですごく覚えていた、積もり。 当時はこういった今でいうミニシアター(単館)系の映画が花盛で、リンチもそうだしヴィム・ヴェンダース、ジム・ジャームッシュ、ジ

【映観】『ノマドランド』(2021)

『ノマドランド(Nomadland)』(2021) 監督・脚本:クロエ・ジャオ 原作:ジェシカ・ブルーダー「ノマド:漂流する高齢労働者たち」 出演・制作:フランシス・マクドーマンド 公開当時、映画館で観ました。 その年(2021年)は、新型コロナが世界を席巻し、緊急事態宣言が連発されてる最中でした。 僕はといえば自宅軟禁を楽しんでいて、外仕事は2年弱しないでNETでレコード販売を続けていた。 いま考えてもよくそんな生活ができたもんだと驚くが、世の中ぜんぶがそんな状況だと、

【映観】虫プロ『クレオパトラ』(1970)

『クレオパトラ』(1970) 原案・構成:手塚治虫 / 監督:手塚治虫、山本暎一 声の出演:中山千夏、ハナ肇、なべおさみ、吉村実子、加藤芳郎 他 もうすぐ2月9日は、マンガの神様・手塚治虫の命日となる。 云うまでもなく僕の人生を揺らした"マンガ"、 ここはやはり漢字で"漫画"ではなく片仮名で"マンガ"としたい。 「手塚治虫漫画全集」400巻をコンプリートするコトが夢、 だけど急いではいない。いつか、でいい。 この映画は、アニメラマ(アニメーション + ドラマ + シネラ

【映観】『PERFECT DAYS』(2023)

『PERFECT DAYS』(2023) 監督・脚本: ヴィム・ヴェンダース 出演: 役所広司、柄本時生、石川さゆり、三浦友和 月曜日は映画が1300円になる。それで今年の初映画館。 僕よりも10以上年配の方々で賑わっており、たぶん主人公・平山を演じた役所広司に近い頃合だろう。 時間帯は午前10時半スタート、それ一回きりの上映なので地方で映画を観るのは大変だ。 124分という上映、至福の時間を過ごしました。 最初に言っておこう、まさにタイトル通りパーフェクトな作品だ。 余

【映観】『ひとくず』(2017)

『ひとくず』(2017) 監督・脚本・主演:上西雄大 出演:小南希良梨、古川藍、徳竹未夏、堀田眞三 木下ほうか、田中要次 去年に見た邦画では一番フルっていた作品。 まったく予備知識もなく見始めたので、いったいこれはどんな毛色の映画なのか、 次から次へと予想を裏切っていく展開に震えた。 それだからなるべく内容は知らなければ知らないほど、肝を冷やすコトでしょう。 主演の上西雄大(敬称略)には、驚いた。 こんな乱暴な人、攻撃色がいつでも真っ赤っかで、相手を恫喝させるような暴言

【映覧】北野武・監督 『首』(2023)

今月初めに映画館で観劇。 いつか書こうと思ってたらもう今月も終わりジャマイカ、 いや今年もお終いジャマイカ! 書きたいと思ってる映画は渋滞を起こしていて、上塗りするように新たな映画を見てしまうので、実際の色が霞んでしまう。 肛門見えても(ナイツねた) いやこうみえても、たけし(敬称略)映画はほとんど見ている。 僕らぐらいの年代にとっては、絶対といっていいほどの影響を受けている。 小学生で漫才ブームの洗礼を受け、いつしかお茶の間はビートたけしで溢れ、 "赤信号みんなで渡れば怖く

【映観】『ミッション・ワイルド(2014)』+1

トミー・リー・ジョーンズといったら「MIB」ヒットと共に、缶コーヒーBOSSの宇宙人ジョーンズというぐらい国内では有名であろうが、こういった作品はどうでしょ? 2本続けて観ると、なお高揚するよ。 『ミッション・ワイルド』(The Homesman)2014年 監督・主演: トミー・リー・ジョーンズ 出演: ヒラリー・スワンク、ジェームズ・スペイダー、メリル・ストリープ 19世紀、西部開拓時代。 いわゆる西部劇といったジャンルであるがイメージするドンパチではなくダーク色。

【映画観覧記】『GONIN(1995)

松竹シネマPLUSシアター にて無料公開中(終了) 『GONIN』監督・脚本: 石井隆 製作総指揮: 奥山和由 出演: 佐藤浩市、本木雅弘、根津甚八、竹中直人、椎名桔平 ビートたけし、木村一八、鶴見辰吾、永島敏行 なんと前回に、いつかちゃんと書きたいと宣っていたら、youtube(公式)で観られた。 「その男、凶暴につき(1989)」とこの映画はその後の日本娯楽バイオレンス映画の金字塔(と思ってる) 90年代にレザボア・ドッグス('92) パルプ・フィクション('94)