心理学から学ぶ “令和新入社員の育て方”
あなたは新入社員にこんなことを言っていませんか?
・自分が新入社員の頃は先輩や上司がもっと厳しかったからな
・今はパワハラとかうるさいからなにも言われなくていいよな
・大学出てるんだっけ?
だいたいこのようなことを言う人の部下や後輩になってしまった新人は数年以内に、早い人だと数カ月で会社に見切りをつけて辞めていってしまいます。
この辞めていく新入社員をみて“最近の子は根性がないな”“あの程度で辞めてたらどこにいっても続かないよ”と言っている人がいたら赤信号です。
そんなことを言っていてはいつまで経っても後輩や新入社員から尊敬される上司・先輩にはなれません。
今回は尊敬される上司・先輩になるための新入社員への接し方について話していきたいと思います。
【尊敬される上司・先輩になるために】
①ミスをしてもしなくても声をかけ続ける
日本と海外ではなにかを教える時にこのような違いがあります。
■日本
・できていないことを指摘する
■海外
・できている所を褒める
この一文を見ただけでも「あぁ…たしかに…」となる方も多いのではないでしょうか?
海外を中心に活躍するアスリートがインタビューで「日本のコーチは悪い所を指摘し改善させようとするが、外国人コーチはできることを褒め、伸ばそうとしてくれる傾向がある」と答えていました。
このアスリートが言うように、日本人は他人に何かを教える時、間違った時にだけ指摘し間違いがなければ放置していることが多い。
しかし外国人は間違えずにいるだけでも「That’s right!」「Great!」と褒め続け、逆に間違えたときは目立たないようにササっと訂正し、それが終わるとまた褒める、といったスタンスの人が多いそうです。
もちろんミスをしたことについても指導はするが有り余るほど褒めてもらえるため、ミスを指摘されてもへこたれることなく前向きに捉えられることが多いようです。
しかし文化の違いもあるためこれが日本の職場でも当てはまるかといえばなんとも言えません。
ここでは“褒めまくる”のではありません。「間違えたとき」にだけ声をかけるのではなく「間違えないでいるとき」にも声をかけるということを心がけましょう ということです。
その上で可能ならば、「褒め言葉」や「ポジティブな言葉」を付け加えることができれば最高です。
②上下の区別なく誠心誠意で接する
“日本人は礼儀正しい”なんて言われていますが実際はどうでしょうか?
仕事が忙しくパソコンの画面を見ながら会話をしたり、目を合わせずに会話をすることが普通になっていないでしょうか。
上司や先輩のように会社に慣れた社員同士であればこのコミュニケーション方法でも意思の疎通がはかれるかもしれません。
しかし新入社員にこのような対応をすると
“こっちを見てもくれない”
“忙しそうで話かけられない“
”質問したいけどどうしよう”
と、悪循環によりどんどんと委縮していってしまいます。
忙しいのは理解しているが自分のことを少しも見てくれない人と、どんなに仕事が忙しくても、会議中であっても、必ず作業を中断してこちらに向き合ってくれる人だったら新入社員にとってどちらの人から指導してもらいたいかなんて一目瞭然ですよね。
自分の作業より相手に向き合うことを優先し、敬意をもって接していれば新入社員の方もきっと一生懸命応えてくれるはずです。
③自分自身も新人の目線に戻って教育する
アメリカの家庭教育学者のつくった「子ども」という詩にこのようなものがあります。
批判ばかりされた 子どもは 非難することを おぼえる
殴られて大きくなった 子どもは 力にたよることを おぼえる
笑いものにされた 子どもは ものを言わずにいることを おぼえる
皮肉にさらされた 子どもは 鈍い良心の もちぬしとなる
しかし,激励をうけた 子どもは 自信を おぼえる
寛容にであった 子どもは 忍耐を おぼえる
賞賛をうけた 子どもは 評価することを おぼえる
フェアプレーを経験した 子どもは 公正を おぼえる
友情を知る 子どもは 親切を おぼえる
安心を経験した 子どもは 信頼を おぼえる
可愛がられ 抱きしめられた 子どもは 世界中の愛情を 感じとることを おぼえる
あなたが新人の頃の先輩上司はどんな方でしたか?
あなたが受けて嫌だった指導を新入社員にもしていませんか?
あなたが指導した新入社員があなたよりも良い成績をあげるかもしれません。しかし誠心誠意敬意をもって育てていれば仕事の成績が逆転したからといってバカにしたりしてくることはありません。
逆に“新人の頃にいじめられた”と思われていたら「あの人は仕事もできないくせに新人いじめをしていたんだ」とバカにされ、見下されてしまうことになります。
■さいごに
令和の子たちはとても繊細ですが賢い子ばかりです。丁寧に育てることでこれまででは考えられなかった程の戦力になります。
最近では新社会人の早期離職が問題になっていますが、彼らの立場になってから自分自身を見つめ直すことで部下から尊敬され、新入社員も立派に育っていくのではないでしょうか。
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