自虐ネタの危険性

自虐ネタというのは意外と危険な場合があります。
自らのコンプレックスを笑いに変えて昇華するという試みは時に非常にプラスに働きます。
乙武洋匡さんなんかが例として分かりやすいのではないでしょうか。
今回の記事では自虐ネタの悪い例について話していきます。

僕が真っ先に思い浮かぶ危険な自虐ネタは、自己受容ができていない人の自虐ネタです。
まず自分で自分のコンプレックスを受け入れていないという事そのものが自尊心を低下させます。
その上でさらに自分を下げるような笑いの取り方をすれば、さらに自尊心が低下していくでしょう。
これは非常に危険です。

そもそも何故自己受容ができていないのに自虐ネタをするのでしょうか。
僕は自分がコンプレックスを受け入れているんだと自分に思い込ませる為の生存戦略ではないかと考えています。
しかしこれは本心を抑圧する事に繋がり、精神衛生上かなり危険でしょう。

ここで言う本心とは自分がそれをコンプレックスに感じているという事実です。
つまり自分が感じている事を感じてはいけないものとして拒絶しているのです。
強がりであったり弱い自分を受け入れられない人、あるいは環境的に自分が強くいるしかなかった人がやりがちな行動パターンでしょう。

また自分である程度受け入れられている小さなコンプレックスを積極的に自虐ネタを使う場合というのがあります。
こうする事で自己受容した上で自虐ネタをしている人だと相手に錯覚させる事ができます。
このような錯覚をさせる目的はなんだと思いますか?

それは他人から自分が一番受け入れられていない深い部分にある強烈なコンプレックスを覆い隠す為なのです。
ダミーのコンプレックスをたくさん用意する事によって本当のコンプレックスが何なのかを隠すことができるのです。
あるいはダミーのコンプレックスを自主的に曝け出す事によって開放的で話しやすい人であると周りに印象づけたいという意図があるのではないでしょうか。

このような生存戦略をする人は実のところ根っこの部分ではまるで自己受容できていない傾向にあります。
自分を受け入れられていない、自分を許せない、それが辛いから受け入れているフリをするのです。
自虐ネタにはそのような背景がある場合があるという事を認識していただければ幸いです。

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