人前でイチャつく人を叩く心理

今朝Twitterで「人前でイチャつく奴は、自分を客観視できない人間なのでブサイクばかりだ」というようなツイートがありました。
なんとも酷いツイートだなと思いました。
このたった一つのツイートで低次の自己防衛が出揃っているんですよね。
自己防衛のフルコースとでも言いましょうか笑

このツイートをした人はフォロワー数が非常に多くおそらくインフルエンサー的な立場の人なのかもしれないが、結構バズっていました。
僕はこのツイートに賛同する人が多い事に心底ガッカリしました。
あくまでTwitterでの話なので実際にはどれくらいの人間がこのツイートに賛同するかどうかは分からないとはいえリプ欄を見ているとおいおい大丈夫か?と感じざるを得ませんでした。

このツイートは明らかに人前でイチャつくという事自体への否定というニュアンスでした。
つまりイチャつく事によって道を塞ぐとか公然猥褻にあたる場合などの条件はありませんでした。
その為、このような行為については何も問題がないの一択です。
それ以外あり得ません。

では何が問題なのかと言うと、他人がイチャついているという自分と無関係の事に対していちいちイラついてしまう未熟な精神性にあります。
自分がイラつくから相手が悪いという理屈を通してしまう事は極めて危険です。
Twitterで自分とは無関係の有名人の揚げ足を取ってクソリプを送るというのも全く同じ事です。
自分と無関係の問題にいちいちイラつくのは課題の分離ができていない証拠でしょう。
(課題の分離とはとても簡単に説明すると、自分の問題と相手の問題は明確に区分しましょうというような構えの事です)

成熟した精神性の人間であれば「自分には恋人がいないから羨ましいな」だとか「幸せそうでいいね」などの素直な反応を持つか、もしくはそもそも全く気にならないのではないでしょうか。
ましてやイチャついている人を不快だと感じるだけならともかく、相手を批判し挙句の果てにブサイク呼ばわりするというのはあまりにも程度が低すぎるなと思うのです。

このツイートは「人前でイチャつく事は客観性がないからだ」という論理になっていますが、これも暴論すぎます。
客観性とは周りがどう思うかに配慮する事であるというような一見正論ぽい考えに見えますが、このような人が気にしているのは「自分が周りからどう思われるか」です。
つまり本質的には自分を気にしているという事です。
根っこにあるのは周りへの配慮ではなくただの嫉妬心であるにも関わらず、周りに配慮している客観性のある成熟した人間を演出しようという自己防衛的な魂胆が見え隠れします。

このような的外れな批判は、批判してより良い未来を思い描くというポジティブな意味での批判ではなく、自分にとって人前でイチャつく人間が悪でないと困るという原動力に基づいた批判であって、批判して相手をはけ口にする事自体が目的というのが本当のところじゃないでしょうか。
このような幼児的な批判をする人は悪質なクレーマーのようなもので、この手の暴論を正当な意見として受け取ってはいけないと思います。

そして何より影響力の高い人物がこのような暴論を発信する事で偏った価値観を植え付けられる人が増えないと良いなと思います。
ああ人前でイチャつくとこんなに叩かれるんだ、周りの人間に常に見られているんだという意識を植え付ける事によってこのような思想が蔓延して集団心理が働いてますます負の循環が加速するという未来が想像できて僕はとても怖くなってしまいました。

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