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広島叡智学園の「振り返り作文」は、どう書く?【第二次選抜対策】

こんにちは!公立中高一貫校対策のiBASEです。
今回も、広島叡智学園の第二次選抜の対策について解説していきたいと思います。

※2023/11/12:追記
2023年度も、第二次選抜の対策講座を開講します。詳細は以下の記事よりご覧ください。

二段階の選抜が実施される、広島叡智学園中学校。第二次選抜では、「グループワーク」「振り返り」「面接」の3つが実施されることとなります。(※募集要項より引用)

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前回の記事では、「グループワーク」で課される内容や求められる力について考察しました。

今回は「振り返り」について、その取り組み方や考え方を解説していきます。(※募集要項には、「グループワーク等において感じたことや考えたことを文章等で表現する」とあり、文章以外で表現する課題が出る可能性もありますが、ここでは作文という仮定のもと、解説を進めたいと思います。)


そもそも「振り返り」とは?

「振り返り」は、小学校の授業においても頻繁に取られる時間です。授業や日々の取り組み、生活の中で起きたことを思い出し、そこから得られる「気づき」や「学び」を言葉にするプロセスです。振り返る力を大切にすることは、広島叡智学園のパンフレットにも明示されています。(P.04)

【教育の特色】2.失敗こそ最高の学び
「正解」か「不正解」しかない「テスト」ではなく、「成功」も「失敗」もある「プロジェクト」へ。「不正解」は人が決めます。しかし、「失敗」は自分自身が決めるもの。大切な「成長のきっかけ」である「失敗」を、子供たちから取り上げる「過保護な教育」は、この学校では行いません。

つまり、第二次選抜においては、グループワークに取り組む中で起きた出来事の中で、うまく行ったこと(成功)も行かなかったこと(失敗)も含め、そこから学んだことを言語化することが求められます。(=「経験を学びに昇華する力」と、iBASEでは呼んでいます)

「振り返り」は4つの観点で

そんな「振り返り」にも、技術があります。もちろん、普段の学校の授業においての振り返りでは、制限なく自由にのびやかに振り返ることが大切ですが、第二次選抜においては制限時間の中で、一定字数(700字~800字)の振り返りにまとめる必要があります。

そこで、どんな場面でも有意義で豊かな振り返りを書けるよう、次の4つの観点を持ち、まずは思考を広げてみることを心がけておきましょう。

1.起こったこと

まずはグループワークの中で、起こった出来事を自由に思い出してみましょう。特に印象に残っている瞬間を選ぶのが良いでしょう。起こった事実だけを時系列にして、問題用紙の余白やメモが出来るスペースに書き連ねてみましょう。その際、まずは自分の気持ちや気づきや学びは書かず、起こったことだけを書きましょう。

2.自分に起きた変化

書き連ねた出来事の中で、自分の中に起きた大きな変化について目を向けてみましょう。まずは「心情の変化」について目を向けてみてください。「うまくいって嬉しかった」「思い通りいかなくて悔しかった」「予想外のことが起きて驚いた」…など、ポジティブな感情にもネガティブな感情にも、向き合ってみることが大切です。

その次に、自分の「行動の変化」について振り返ってみましょう。グループワークの中で起きた、「普段の自分だったらやらないこと」「予想外に自分が取った行動」「メンバーに影響されて自分が起こしたアクション」など、「心情の変化」に伴って、何かしら行動にも影響が出ているはずです。そうした変化について、重点的に思い出してみましょう。

3.他の出来事との比較

グループワークでの「学び」や「気づき」をよりシャープなものにするためには、他の出来事と比較して、その違いを浮き彫りにしてみることが有効です。たとえば、「他者と協力して何かを成し遂げる」という経験は、今回のグループワークだけではなく、これまでの学校生活でも起こっていたはずです。

そうした過去の経験と比較して、今回のグループワーク”ならでは”の要素、そこから生まれた「学び」や「気づき」は無いだろうか?と、そんな風に比較しながら振り返りをしてみることで、新たな発見が生まれることがよくあります。

4.別の場面でも当てはまること

そうして1~3までを整理した後に、いよいよ「気づき」と「学び」について考えます。大切なのは、今回のシチュエーションだけではなく、また別の場面・機会でも役に立てることが出来る学びを抽出できているかどうかです。

大人から見ればありきたりな内容でも、今回の経験と深く結びついた学びであれば、何の問題もありません。起きた出来事を自分なりの視点で、つぶさに経験を観察出来ているかどうか。そしてそれをどれだけ抽象化して捉えることが出来ているかどうか。その2点が重要なポイントとなります。

普段の「振り返り」との違い

本来の「振り返り」は、自分の中に起きたことを素直に見つめ、ありのままを書き記す取り組みでなくてはいけません。よって、振り返りは「先生や親に見せない権利」が保証されるべきだという論調さえあります。また、振り返りは「絶対に評価される対象であってはならない」というのは、当然の前提となっているのが、教育界の常識でもあります。

しかし、広島叡智学園で課される「振り返り」はおそらく、「経験を学びに昇華する力」を測っている、評価の対象だと考えるのが無難でしょう。よって本来教育活動の中で実施される「振り返り」とは別のものとして、きちんと学校側にアピールするという視点も、合格のためには必要となってくると考えられます。

その際、上記の4つの観点を持っておくことは、焦らずじっくりと経験を見つめ直すためのガイドラインとして機能します。闇雲になんとなく「振り返る」ことを脱し、落ち着いて振り返り作文の課題に取り組めるようになるでしょう。

豊かな「振り返り」を行うために

上記のような観点を持ち、これまでの学校生活(たとえば運動会や修学旅行など、大きめのイベント)について振り返りを行う練習をしてみてください。その際、まずは時間制限なくゆったりと、4つの観点を考える練習が有効でしょう。

十分に思い出し、そこからの気づきについて思いをはせた後は、だいたい30分~40分程度を目安に、700字~800字の作文にしてみてください。自分の中に起きたことを、分かりやすく他人に伝えられる文章になっているかどうかを、保護者の方からアドバイスをしていただけたらと思います。

今回は、広島叡智学園の第二次選抜で課される「振り返り」について、取り組み方を解説しました。次回の記事では、第二次選抜の「面接」について解説します。面接についての考え方や本番への臨み方、準備の方法を知っておくことで、レベルが格段にアップします。近日中に公開しますので、ぜひご覧ください。

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