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見たこともやったこともない実験の問題を、どう対策する?(都立小石川)

こんにちは!公立中高一貫対策「iBASE(アイベース)」です。

全国の公立中高一貫校の「入試対策シリーズ」
今回は「理科の実験分野」について扱っていこうと思います。

こちらの記事でもお話しした通り、公立中高一貫校の適性検査では、基本的に小学校の履修範囲外のことは出題されません。そのため、全国の入試問題を詳しく見てみると、
「えっ、こんなディープな知識が問われてるの⁉︎ これ中学生3年生ぐらいじゃないと答えられ…いや、たしかに小学校の履修範囲内でも答えようがあるな。。」
という問題がたくさん出てきます(問題を作成している先生方の苦労と情熱がよく伝わってきて、もはや感動すらします)。

今回は、そんな「パッと見、超ディープ。よく見たら、解ける。」そんな理科の実験問題を紹介しながら、ご家庭でもできる対策について説明していこうと思います。

典型的な出題例の紹介

今回取り上げるのは、東京都立小石川中等教育学校(2020年度)の問題です。小石川中といえば、東京の公立中高一貫校の中で1、2を争う人気校。その入試問題は、全国の公立中高一貫校の出題者もきっとチェックしているため、他府県の志望者にとっても知っておく価値のある問題です。

それでは早速、問題を詳しく見ていきましょう。(小石川HPより引用)

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この記事では[問題1]についてお話ししたいと思います。(まずは、自分ならどう答える、というアイディアを1分ぐらいで考えてみてください)

問われている知識は小学校の履修範囲越え。でも…

まずは率直な感想。難しくないですか…?
お茶が時間が経つと変色するのは知っている。ペットボトルの緑茶が緑色なのも知っている。ただそれがなぜかを聞かれると…

そう感じるのは、無理もありません。実際に、小石川中がどういった意図でこの問題を出題しているのか、出題の基本方針をみてみましょう。(一部抜粋)

【出題の基本方針】
(2) 思考力や判断力、表現力等、小学校での教育で身に付けた総合的な力をみる。
【適性検査問題の出題の方針、問題の構成及び主なねらい】
(1) 出題の方針
身近な事象を通して、分析力や思考力、判断力などを生かして、課題を総合的に解決できる力
をみる。
(2) 問題の構成及び主なねらい
・ 大問を2問とし、小問7問で構成する。
・ これまでに身に付けてきた知識や経験を基にして、課題を解決する力をみる。
・ 自然科学への興味・関心の程度、表現力・論理的な思考力をみる。
・ 事象を数理的に分析し判断する力など、総合的な思考力をみる。

注目すべきは、2つの言葉。「身近な事象を通して」「これまでに身に付けてきた知識や経験を基にして、課題を解決する力をみる」です。

ビタミンCが変色を防ぐ仕組みを正確に答えるためには、酸化・還元という中学生で習う知識を使わないとなりません。
しかし、「お茶の色が変わる」という非常に身近な事象について問題が展開されてることで、小学生でもイメージがわき、まだ習っていない言葉を使わずとも、なんとか別の言葉で説明ができるように、とても工夫されています。

さらに、出題意図が「これまで身に付けてきた知識をみる」のではなく、「知識や経験をもとに、どう課題を解決するかをみる」というのが、公立中高一貫校の大きな特徴です。(小石川に限らず、全国的な傾向です)

つまり、この問題で言うと、①で聞かれている仕組みを知らないとアウトかと言うと、そうではありません(きっと問題を見て頭が真っ白になった受験生も少なからずいたはず)。

知らなければ知らないなりに、「今知っている知識を総動員して取り組めば戦える!」と考えた方が、確実に得点チャンスにつながります。

塾に行かずとも対策できる「たった1つの質問」

では具体的にどう戦うのか、というお話しは、リクエストやスキが多ければ、追って記事にしようと思います。
   なんだよ!気になる!
という方のために少しだけネタバレですが、ポイントは「仮説が検証できる実験方法になっているか?」ということにあります。また詳しく書きたいと思います。

さて、それよりもこの記事のまとめとして、上記のような「パッと見、超ディープ。よく見たら、解ける。」系の問題を、日頃からどう対策すればいいかについてお話しします。

当然、対策問題集に「お茶が変色する仕組みを『ビタミンC』という言葉を使って説明せよ」なんて問題載っていません。

しかし、生活の中でお茶が変色したのを見た際に、

Aさん:そのまま気にせず飲む。
Bさん:なんで色が変わったのか考えてから飲む。(または、おうちの人が「なんで色変わったんだろうね?」と聞く)

という反応をした場合、どちらが対策になるでしょうか?お茶以外にも、

・なんで自動ドアは自動で開くんだろうね?
・押すと泡で出てくる石けん、どうなっているんだろうね?
・どうして霜柱(しもばしら)はできるんだろうね?

このように、「どうしてこうなるの?」「これどうなってるの?」という質問を日常的に考える(または考えさせる)ことが、塾に行かずともできる最善の対策のように思います。

実験問題を対策するために

「iBASE」の理科専門チームでは、上記のような科学的思考を鍛えていくための質問や情報を、Twitterを中心に発信していきます。

理科分野は、たくさんの知識を詰め込んでおけば、一問一答的に素早く得点をとれる科目、という印象を持つ人もいるかもしれませんが、私たちは「知識をどう使うか」が大切だと考え、適性検査対策に必要なトレーニングをご提供していきます。

次回以降も、全国の公立中高一貫校を対象に、独自の入試問題を分析していきます!正しい情報と的確な分析を、志望校の合格にお役立ていただければ幸いです。

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