オンライン授業で、冒頭に履修者同士の 「自己紹介・交流タイム」 、授業中に何回かの 「感想雑談タイム」 を取る (学生の感想付き実践報告)

教室であれば、履修者同士の自然なつながりが、オンライン授業では、アーキテクチャ上、生まれることがありません。すごく孤立した状態で受講することになります。

そこで、僕の授業では、出会い・交流のきっかけのために、授業の最初に、7分間、3, 4人でブレイクアウトルームに分かれて話す「自己紹介・交流タイム」をつくっています。

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また、授業である程度講義を聞いた段階で、それまでの授業内容や感想についておしゃべりする「感想雑談タイム」も、5分程度、設けています。

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感想雑談タイムは、初回は実施するためにランダムでメンバーを組みブレイクアウトしたのですが、二週目からは、冒頭の「自己紹介・交流タイム」のメンバーで感想雑談タイムも分かれるようにしました。

学生から、「ブレイクアウトして対話をする時、メンバーを変えるのは、一週間に一度で良いかなと思いました。一度の授業で何回もメンバーを変えると、自己紹介を何度もしてしまいます。同じグループで一度話せば、次の対話ではお互い慣れますし、5分、10分でも、自己紹介が無い分、深く語り合うことが出来ると思いました。」、「同じメンバーの方が自己紹介を繰り返さなくてすみ、また話しやすいのである程度決まったメンバー、同じ部屋で行える と進めやすいのではないかと思いました。その日は同じメンバーで話せるといいのではないか」という感想をもらったためです。

たしかに、その方が、リアルな教室で、その日、席が近い人と何度か話すという感じに近く、自然と言えます。

参考に、学生たちの感想を紹介します。


【自己紹介・交流タイムについて】

⾃⼰紹介をたった5分間だがグループに分けて、実施したのは良かったと感じた。3⼈ずつのルームだったので、毎回授業はじめに5分間とってまた違う⼈とのアイスブレイクをやっても楽しいのではないかと思った。

 
【感想雑談タイム】

小さな感想タイムが途中に入るのは自分にとっては効果的だった。それまでの内容を整理する点でも、息抜きをする点においても孤独感がなくなったからだ。
キャンパスという場を想定した、休み時間のブレークアウトセッションがとてもよかった。集中できず聞き漏らしてしまった部分を、ブレークアウトセッションの際に教えていただけたので、自由時間のブレークアウトセッションはとても効果的だった。
オンラインでも普通に授業が楽しかった。聞いてるだけでなく、自分たちが話す時間があるのも良い。
雑談タイムは、全然授業に関係ない話であっても、みんなで授業を受けているという、同じ教室にいれば自然と感じていたであろう一体感を得られるので、より一層授業に積極的に参加したくなると感じた。講義形式だったり、受験のための予備校的な授業ならその一体感は不要かもしれないけど、このような授業ではそれが必要なのかなと思った。あと、そういうのがあったほうが1年生(もちろんそれ以外も)が「大学って楽しい!」と強く思えるんじゃないかと感じる。
オンラインだからこそ履修者の⽅との積極的な意⾒交換の場があると、より集中し⾼い意欲を持って授業に取り組めると思った。
少人数での対話の時間は、他の意見を聞いたり、自分の感じたことを確かめることが出来てとても有意義でした。オンライン授業でもこうした時間があるのは有り難いです。
ブレイクレイクアウトセッションを多く⽤いた授業は新鮮で、本当に楽しかったです!各ブレイクレイクアウトの時間は短かったけれど、回数はちょうど良いと思います。ラジオのような環境も⾯⽩いですが、やはりコミュニケーションが恋しいので、チャットにコメントするだけでなく先⽣と⽣徒が直接意⾒を交わせる場⾯が欲しいと思いました。
途中途中にブレイクアウトルームで話す時間があり、他の学生とコミュニケーションをとることができたので、退屈することは全くなかった。話す題材(事前課題)があることで、会話に困ることはなく、とても話しやすかった。そして、質問をして深掘ると、コミュニケーションを取れたというだけでなく、自分自身の成長に繋がるような情報も交換できたので、とてもよかった。
オンラインでも、ブレイクアウトルームでいろんな⼈と意⾒交換や雑談をする機会もあったりしたので楽しい。むしろ授業によってはオフラインの時よりもたくさん会話をした気がする。7分間話してくださいと⾔われたときは⻑いように思ったが、いざ話してみるとあっという間でまだまだ話し⾜りないと感じた。
オンラインという制約の中、想像していたよりも充実した授業だったと思う。私が受けた他のオンライン授業とは異なって、先⽣だけでなくクラスメイトの顔も⾒ることができたので、多少はクラスの雰囲気がみれたような気がした。雑談タイムも通常の授業の再現として有効だったと思う。話すテーマがないと少し気まずい雰囲気になったこともあったので、何か話すテーマがあった⽅が私は嬉しいと思った。けれど、普段の授業だったら最初から知っている⼈と席に座って雑談するところ、強制的ではあるが知らない⼈と知り合いになれたので、コミュニテイが広がった点でよかった。
雑談から⽣まれる有意義な話も楽しみたいと思ったので、ブレークアウトルームの回数を減らして、⼀回の時間がもう少し⻑いと嬉しい。ただブレークアウトルームの回数が多いと、こまめに会話が出来、全体ルームに戻ってきたあとは全体的に表情が柔らかくなるので、回数を減らしたくないと思う部分もある。
休憩前の何人かで授業を受けてどう考えたかの時間はもうすくし長くしてほしいです。
フリートークタイムの5分間で他の学生たちとフランクに 色々おしゃべりができる時間がとても重要だと後から実感しました。 インターネット上での授業という新しい環境に置かれた今だからこそ、もっと他の授業でもフリートーキングタイムのようなフランクに話せる場ができればいいなと思いました。
他の授業よりもグループワークが多いおかげもあり、オンラインでありながらオンキャンパスと同じような親しみやすさを感じられました。
雑談タイムでだいぶリフレッシュ出来たので、間間にそうしたリフレッシュタイムを挟んだ方が全体の質が上がるかなと思いました。
今まで受けてきた他の授業はカメラもオフにしたまま大勢で教授の話を聞くスタイルだったため、一方的に講義を受けるよりも、実際に小規模でアウトプットする機会はオンライン授業の中で重要だと思った。
感想雑談タイムがすごくいいと思いました。休憩を挟みつつ授業に能動的になれると思うのでぜひこまめに入れて欲しいです。

慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)基盤科目-共通科目
井庭 崇, 鎌田 安里紗 共同担当
2020年度春学期(クォーター科目 春学期前半)
初回感想より。

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