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オススメの本 考え方編

今回は、私がコンサルとして働く中で、役に立った「考え方」に関するオススメの本を紹介します。背景として、最近よく後輩から「オススメの本はなんですか?」と聞かれることが増えたので、改めて振り返ってみようと思った次第です。

紹介する基準は、個人的に読みやすく、かつ実際の仕事で非常に役に立ったと思えた本です。定番から、そうでないものもありますが、どれも非常に勉強になるものだと思いますので、一読の価値はあると思います。

一瞬で大切なことを伝える技術

僕が社会人になって、1番最初に読んで、1番勉強になったと思える本です。オススメの本をどれか1つ選べ、と言われれば僕はこの本を選びます。
この本をオススメする理由は、全ての人が仕事で行うコミュニケーション(考える・話す・聞く)を論理的に行える技術が、具体的に、わかりやすく書いてあり、次の日から真似できる点です。著者の方は、もともと戦略コンサルだったこともあり、ベースは論理的思考でハードルが高そうに感じるかもしれませんが、イラストもたくさん入り、とにかく理解しやすく、実践しやすい点が最大のオススメ理由です。
この本のキーワードの1つでもある「それってダイジ?」という質問が、大げさではなく考える力を引き上げてくれると思います。

具体と抽象

この本も、「一瞬で大切なことを伝える技術」と同じくらいオススメしたい本です。オススメする理由は、「具体」「抽象」という、なんとなくわかるけど、理解しにくい概念を、とても丁寧に解説してくれている点です。
特に「具体」「抽象」がどういう関係になっているのか、なぜ「抽象的」であると話がわかりにくいと感じるのか、について解説されている本は、なかなかないと思うので、非常に勉強になると思います。
「なぜ話が噛み合わないのか?」という、誰もが抱いたことのある疑問に対して教えてくれます。ちなみに、僕が色々な人に紹介して、1番喜ばれた本なので、間違いなく良本だと言えると思います。

ロジカルシンキング

論理的思考を勉強するための、定番の本です。著者の方は、マッキンゼーでロジカルシンキングの講習をされていた方で、こちらも明快に「ロジカルシンキングとは何か?」について書かれています。
この本をオススメする理由は、「論理的に考えるって、つまりどういう事?」という疑問に対して、「こんなふうに考えるんだよ」と考えるガイドラインを示してくれている点です。ガイドラインといえば、この本から派生している「ロジカル・ライティング」、またこちらも定番の「考える技術・書く技術」もオススメです。「論理的に考える、書くってどうすればいいの?」という疑問に対して、答えを用意してくれています。

思考・論理・分析

この本も、論理的思考の本で、かなりオススメする本です。理由は、「そもそも、考えるってどういう事?」という、根本の疑問に対しての解説から、丁寧に「考える事」について説明してくれています。
「ちゃんと考えろ」「もっと考えろ」と言われることが多々ありますが、「その考えるができないんだよ」という人も多いと思います。この本は、その人に対して、「考えるとは何をすることなのか」「考える方法は何か」を教えてくれます。思考の基礎からしっかり学びたい人にオススメです。
難点があるとすると、内容が比較的難しいです。私は、学術論文を読んでいる気持ちになりました。が、かなり勉強になる本なので、チャレンジして読んで見る価値はあると思います。戦略コンサルの同僚からオススメされた本で、僕の考える力の基礎を強化してくれた本でもあります。

ずるい考え方

ラテラル・シンキング(水平思考)に関する本です。論理的思考は、筋道を立てて論理的に妥当だと思える1つの解を導く思考ですが、ラテラル・シンキングは、単純に言うと、結果に最短距離でたどり着くための、複数の可能性のある解を考える思考です。
オススメする理由は、何よりも考え方を広げてくれる点です。多くの人は、論理的思考を中心に物事を考えますが、「それだけが全ての考え方じゃないよ」ということを教えてくれます。「〜思考」という本はハードルが高そうに見えますが、必要なスキルや具体例を上げて、さらにポップなイラスト付きでわかりやすく解説してくれる本です。特に「本質とは何か」というテーマで書かれているパートは、非常に勉強になるので、一読の価値ありだと思います。

5W1H思考

考えるための、最強にして最古のフレームワークと僕は思っている「5W1H」について、実践で使う方法について解説してくれている本です。オススメする理由は、この5W1H(Why・Who・What・When・Where・How)を自由自在に操るための様々な具体例を提示してくれている点です。
そもそも、フレームワークはたくさんありますが、覚えて使いこなすのは、それなりに大変で努力も必要です。
考えることに自信がない人でも、「5W1Hが使えれば大丈夫だよ」と教えてくれることで、実際により深く・早く考えることができるようになり、「自分でもちゃんと考えられる」という自信もつけてくれる本だと思います。

アイデアの作り方

「〜思考」系の本ではないですが、この本も考え方について、とても有意義な学びを提供してくれる本です。オススメする理由は、とにかくシンプルで短いことです。本質的なところだけをピックアップした本で、1時間もあれば読めてしまう本です。
この本で僕が衝撃を受けた内容が、「アイデアは、既存のアイデアの掛け算(組み合わせ)でしかない」という考え方です。つまり、アイデアを思いつくのは、クリエイティブな人の持つ特別な能力でも、「降りてきた」という感覚的なものでもなく、「色々なアイデアの組み合わせが新しいアイデアだ」というシンプルな結論に、僕は感動しました。僕も、アイデアマンではないので、この考え方に救われた部分もあります。1988年に出版されている本ではありますが、今でも読みつがれる、アイデアの古典的名著だと思います。

仮説思考・論点思考

2冊合わせての紹介ですが、この本は、コンサルタントがどのように物事を考えているのか、を紹介している本です。著者はBCG出身の方で、戦略コンサルならではの思考技術を教えてくれます。
オススメする理由は、「じゃあその思考技術をどう業務の中で使えばいいの?」という点について、「こんな形で使えるよ」「こうすれば鍛えられるよ」といった、業務への適用方法を紹介してくれている点です。ただし、僕の感想としては、かなりコンサルティング業界の方向けの本だと思いました。コンサルティング業務に従事している人には非常に勉強になる本だと思いますが、そうではない人は、少し「縁遠い世界の話」と感じるかもしれません。

アナロジー思考

なかなか聞き慣れない言葉かもしれませんが、アナロジーとは、類推・類比という意味で、単純に言うと「うまい具合に、似ているところを利用しよう」ということです。乱暴に言うと、「適切にうまく行っているところから、似ているところをパクる」ことです。
オススメする理由は、「パクり方」を解説してくれている点です。単純にパクると著作権違反となったりするので当然NGですが、適切にパクると、異分野へうまく行っているところを適用し、更に良くなることが可能になる、ということを教えてくれます。
個人的には、少し難しいと感じる部分もありますが、考え方を広げる・引き出しを増やすという点で、非常に有用な本だと思います。

関連書籍も合わせると、12冊紹介しましたが、どれも非常に役立つ内容となっています。私がコンサルティング会社に所属している関係で、コンサル本が中心となってしまいましたが、間違いなく勉強になるといえる本ばかりなので、もし勉強したいと思えた内容があれば、是非一読してみてください。

これを読んで、「役に立った」と思っていただければ、僕個人としては非常に嬉しく思います。

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