なぜそこで意地をはる | 500文字のエッセイ
普段は大抵家でご飯を食べるのだが、今日はわけあって外食ですますことにした。
長居も無用だということで、会社から駅までの道すがら、チラチラとお店を探しながら歩く。途中松屋を見かけたけど、吉野家があったら牛丼にしようかと通り過ぎる。
結局駅までの道には吉野家はなく、迷っていたところで見つけた天下一品に入ることにした。
むかしほど、いくら食べても太らない体ではなくなりつつあることに最近うっすら思い当たるところがあり、食事は出来るだけセーブしようと心に決めている。
今日もラーメン一杯食べて帰るか、と思いながら店に入ったのだが、なぜだか「ラーメン 半チャーハン、餃子セットで」と頼んでいる。
半ば注文をしながら後悔していることに気がついているのに、なぜこんなところで食い意地を張ってしまうのだろうか。
定食屋でご飯の量はどうしますかと聞かれれば迷わず「大盛りで」と答えているし、例えば辛さはどうしますかと聞かれたら、お腹を壊すことを知っているのに、「辛いので」と答えている。
酒のおかわりを促されたら、おかわりをもらってしまうのもおんなじだ。
意思が強いんだか、弱いんだか。意地で腹は膨れないというのに。
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