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なでしこ4強逃す。スウェーデンからの素敵なギフトを素直に受け取ることはできなかった、なでしこ達。

一発勝負

なでしこジャパンが勝つべき理由はたくさんあった。しかし、スウェーデンが勝つべき理由もたくさんあった。トーナメントでの試合は勝ちを手放すか、手に入れるかの2択に絞られる。東京オリンピックの準々決勝では、なでしこジャパンが勝ちを手放して、スウェーデンが勝ちを手に入れた。

スウェーデンに胸を借りる

なでしこジャパンはスウェーデン戦の3日前にチリとハードな試合を戦っていた。比べて、スウェーデンはニュージーランドとそれまでの2試合から大幅に選手を入れ替えて戦っていた。そして疲労を回復したうえで、日本戦に臨む。なでしこジャパンも毎試合選手を入れ替えていたが、大幅ではない。ヒリヒリした状況でのグループE、第3戦目では大きく変えられなかったのかもしれない。だからこそ、苦しい。悪く捉えれば、それまでの2試合で借金を作ってしまったとも言える。

前半戦

一見すると日本の、なでしこが大きく不利な状況に見えるが、サッカーは相手が居てはじめて成り立つ。そう思った。センターバックとサイドバックのポケットをスウェーデンの選手が鋭く突いてくる。日本が追いつくまでに、3点くらい失点してもおかしくなかった。逆に、ゴールを守るなでしこ、としてはプレッシャーを与え続けたのかもしれないし、スウェーデンがゴールを外すことはスウェーデンがスウェーデンの首を絞めることになる。日本がセントラルミッドフィールダーを加えたビルドアップを見せるとそうなった。この点は、グループEでの試合からなでしこ達が成長した点で、セントラルミッドフィールダーがセンターバックの横、サイドバックの斜め後ろに落ちると前から猛烈にボールを取りに来たスウェーデンの選手達を剥がすことができた。そのように、スウェーデンの思い通りにさせない時間を作ると、相手陣内にボールを入れることができる。そこで、日本はスウェーデンとの相性の良さを出す。人に付くディフェンスをする彼女たちを日本代表はワンタッチ、反転からの抜け出しでかわし続けた。また、スウェーデンは自陣に戻るのが遅く、日本のテンポ感はスウェーデンを戸惑わせた。そして、追い付く。長谷川は4バックを崩すセオリーとして、確実にセンターバックの横に抜け出した。そこからのクロスにスピードはなかったが、バウンドした。このバウンドが1点をもたらす。バウンドしてなかったら、長い脚でクリアされていたと感じるからだ。田中は歩幅を合わせ、長谷川に応えた。ここから、後半の失点まで日本ペースであったと感じる。ただ、その日それ以上、なでしこジャパンが喜ぶことはなかった。

自分で自分の首を絞めるということ

後半開始から日本ペースが続くなか、ボックス内に深く侵入したうえでのシュートはできない。特に、相手ディフェンスが空けてくれたマイナスのスペースを生かせなかった。なでしこのクロスに対する入り方が追求されていなかった、と自分は思う。そうこうしてると、日本はスウェーデンのロングカウンターから攻撃を組み立てられ、最後はストライドの長さを生かした裏への抜け出し。左足でニアサイドへのシュートがゴールに流れていきました。個人を攻撃したり、批判したりする意図はないことを述べたうえで、山下のポジショニングに少し迷いが見られたことを表にする必要がある。逆に捉えれば、彼女は改善すべきところが見つかり、成長できそうだ。その後ボックス内でのハンドをするまで12分くらいあったが、攻め急いで、経由するパスが少なくなった。PKを決められると時間も経ち、相手が8枚のブロックを敷くことが増えてくる。相手が露呈してくれたアジリティ不足を日本は丁寧に突けなかった。そのまま試合は終わり、英語のアナウンスがよく響いていた。

スウェーデンは苦しめられたか。

自分がこの試合に関して問題提起したいことは2つ。まず、日本のプレーヤーが運動強度、スピード、身長などでフィジカル的に不利であったことが課題とされているが、スウェーデンの選手たちに対してアジリティの面では勝っていたために、その優位性をもっと生かせたのではないかという点。そして、クロスの入り方、選手のレーン、レイヤーの取り方など攻撃での決まりごとがもっとあるべき、もしくは、決まりごとの完成度をもっと高めるべきではないのかという点。決まりごとを作るために十分な期間があったかどうかは別に、課題としての認識が必要だと考える。相手を崩すパスを多く供給し攻撃においてタクトを振っていた中島だが、彼女はそれだけでなくピッチの中でコンサート会場を設営しないといけないような状況だった。

これからのこと、来週のこと

なでしこジャパンは来年にアジアカップを控えている。もちろん来年、どんなメンバーで、どんなサッカーをしているか分からないが、アジアカップでしっかり勝ちたい。他国の成長と共に、日本でWEリーグが始まる。日本の女子サッカーについて、マス・メディアでの発信も増えるだろう。だからこそ、あるべき未来を常に想像、創造し、女子サッカーの可能性を信じ続けたいと思った。信じることから文化は生まれる、と自分のために書いておきたい。

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前半12分三浦が前から取りに来た選手をボディフェイントで剥がしたシーン
→まず、三浦に繋ぐ前に中島がしっかり最終ラインまで落ちたのでミスせずに安定してパスを回せた。そして、三浦のボディフェイントはしなやかさがあり、良いフェイントだった。スウェーデンに対して、丁寧さ、しなやかさ、アジリティを武器にできるのだなと感じる。

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・木下桃香(キノシタモモカ、2003年生まれ、日テレ・東京ヴェルディベレーザ、サイドハーフ)
チリ戦のPoint Personにも無理やりねじ込んだのに、また贔屓して書いてるのかよ、と思われそうだけど取り上げてみました。スウェーデン戦はベンチ外だった。理由として、疲労、疲労からの怪我リスクなどが考えられるけれど、ストライドが長い菅澤がベンチ外なことから木下の得意とするストライドを生かしたプレーができないと判断されたのかもしれない。いつかは不動の存在になってほしい。今日の試合についてはただ焦らず、自分の気持ちを心にしまって、取り出せるようにしておきたいです。

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