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手軽さと心地よさという話

それは日常の1パート、週末の1シーンから。

割と最近たまたま私が見た光景が、もう、「とてつもなく理想的だった~」という話をさせてほしい。一応これは取り立ててヤマもオチもないし、もしかするとごくありふれた話なのかもしれないけれど、それでも語りたい気分なのだ。

その日は日曜で、夕方にお友達とカフェしたあとに、近くで晩ご飯と買い物を済ませる事にした。たまたま麺類の気分だった私は、比較的近くにあった行きつけのラーメン屋へと入った。

夜6時を少し回ったばかりの店内は、入口から見渡しても客はまばらだった。テーブル席にはおよそ2組くらい、あとはカウンター席の左端に男性が1人、右端に男女1組が座っていた。私はカウンター席の中間に座ることにした。

「テーブル席が空いているのだし、そっちの方がいいのでは」なんて、ちょっとだけお節介な事を考えつつもその男女の方を見た。どうやら日本人の夫婦らしく、男性が40歳前後、女性が30代後半くらいだと思う。私が来たときには既に、餃子と豚皿、中身が半分ほどになった生ビールがあった。

席について早々に注文を済ませ、それが届くまでの間になんとなく聞き耳を立ててみた。何の話をしていたかは所々しか分からなかったし、もうほぼ覚えていないけれど、恐らくは最近気づいたこととか、少し先の話とか、きっと、普段自宅にいる時とはまた別の話なんだろうと勝手に思っている。

ただそれ以上に、新たに運ばれてきた熱々のあんかけ海老炒飯に釘付けになってしまった。正確には、両側からレンゲで少しずつ(冷ますのに)崩している様子にだ。

……この気持ちはなんだろう。
何だか見ているだけで、というか近くにいらっしゃるだけで、少しだけ温かいような、不思議な気持ちになってくる。
この気持ちは、なんだろう?

あぁ、そうか。
私もそうなりたいんだ。
私も真似したいと思ったんだ。

特別なことなんて、なにもなく。
普段から見栄を張ったりせず、あるがままの自然体。お互いにとって心地よい過ごし方が、きっとそれなんだ。
オシャレなレストランでも普通の日本食屋でもなくラーメン屋。ちょっと早い時間から始めて、きっと最後には「明日からまた仕事だね」って言いながら一緒に帰って、新しい一週間を迎えるんだろう。

そしてそんな時間と繋がりに、私は憧れを抱いたんだ。

#雑記 #独り言 #海外生活 #ベトナム #ハノイ

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