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拝啓。



拝啓、大好きなおばあちゃん。
お誕生日おめでとう。

今日で81歳になるおばあちゃん。

ここ3年、彼女はこの世界に居ない。
3年前からちょっと遠くに行っているのだ。
またいつかふらっと戻ってくる。

そう思いたいだけの自分に気付いているけれど、
やっぱりそう思っていたい。


朝から綺麗なお花を買いに行って、ケーキを買いに行った。さすがにやりすぎ?と思いながら、8と1のナンバーキャンドルも手に取った。

私がおばあちゃんをだいすきだったのと同じくらい、もしかしたらそれ以上に、おばあちゃんは私のことが好きだったから、きっとこんな日には私が幸せでいると喜ぶはずだ。

そう思って、今日はとことん上機嫌でいるようにした。

嫌なことは何一つせず、好きなものを食べて、
好きな音楽を聴いて、部屋を綺麗にして、沢山笑った。

そのどれもに、いつもよりおばあちゃんの顔が浮かんだ。


夜ご飯はスペシャルメニュー。

おばあちゃんがよく作ってくれた豚汁の味をいつしか私は完全再現できるようになった。かぼちゃの煮物の上手な作り方も、炊き込みご飯も。食べると思い出して泣いちゃうほど上手に。

「おばあちゃん、これ上手に作れるようになったら私もお嫁に行けちゃうかな?」

「もちろん。でもそうなったら寂しいねえ。いつかそんな日がきちゃうんだろうかねえ。」

なんて優しく笑いながら、少し気が早いおばあちゃんのことを思い出して、愛おしくて、会いたくなったりもした。味は今日も泣いちゃうほど似ていた。


車で流すと、

「これ素敵な歌ねえ。ずっと聴いていたいわ。」

って、笑ってくれる歌があったから、
今日は気の済むまで聴いてみた。


最後の花火に今年もなったな
何年経っても、思い出してしまうな
ないかな、ないよな
きっとね、いないよな
会ったら言えるかな


今日は夏でもなければ、花火も打ち上がらない日だったけれど、心が揺れた。

いま会えたらなんて言おうかな、
会いたかったよ、かな、なんだかんだ
元気?とか 久しぶりとか口走っちゃうのかな。

とりあえず抱きしめたいな〜とか

そんなことを考えたりして、

上機嫌でいると決めたのに、視界が滲んでしまった。


兎にも角にも、
私のことを全肯定してくれる人だった。

良いも悪いも全部をまるっと受け止めてくれていた。


私は夢を叶えていまの仕事に就いたのだけれど、
ここで働く姿だけは見せてあげられなかった。この夢も、おばあちゃんがずっと応援してくれていた夢だった。

辞めたいと言うと、
「苦しいなら辞めていいのよ」と甘やかしてくれちゃう姿が想像できる。

頑張りたいと言うと、
「偉いね、無理しないでね」って笑ってくれるんだろう。


ああ、だいすきだったなあほんと。

今日沢山おばあちゃんのことを考えて、命尽きるまでとことん幸せでいたいなって思いました。健やかに生きていたい。おばあちゃんもきっとそれを願ってくれるから。

そういう思考にすぐ辿りつけちゃうのは、そのくらい愛されていた記憶があるからだなあ。

自分のことより、私のこと、みたいなね。

ありがとうが溢れて止まりません。

こんな日々の中で、私にとってのおばあちゃんみたいな、そっと誰かを守れる存在になれたら尚良いなあ、なんて思ったりしまして。また今日から精進します。


そんなこんなで超個人的noteですが
どうしても残しておきたい気持ちです。

愛しくて、寂しくて、でも素敵な日でした。

あと少し、今日という日を大切にして
眠りたいと思います。おやすみなさい。

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