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街の肖像写真

変わりゆく街の姿

「今コンビニのある場所は、1年前には何があった場所だろう」こんな風に感じる機会が最近増えてきました。コンビニに限ったことではなく、街の風景が子供の頃とずいぶん変わってきたんですよね。

僕の住んでいる群馬は大都市に比べれば開発のスピードは緩やかです。けれど確実に街の姿が変わっているのです。学生の頃にはなかった道が通っていたり、街の駄菓子屋がなくなっていたり、数年かけて変化する場合もあればもっと短いスパンで変化していくことも。
そうした変化を見ながら、ふと思いました。この街の変化を写真に残している人はいるんだろうか。


日本を代表するような大都市圏であれば自治体だけではなく、個人レベルで写真を撮っている人も多いと思うんです。ストリートフォトも写真好き界隈以外にも浸透してきている感じもありますしね。地方でも観光地や景勝地の写真は数多く撮られています。

一方で、僕が住んでいる観光地でもない地方都市の場合、誰かが意識して撮らない限りどこにも写真は残らないんじゃないだろうかと思うようになりました。いたとしても圧倒的少数だと思うんです。だったらせっかく写真が好きなんだから、自分の住んでいる街も写真に残しておこうという気持ちが出てきました。

僕自身、子供の頃や20代前半の頃は街に対して特別な感情は持っていませんでしたが、子供が生まれるとなんだか無性に地元の街に愛着を感じるようになりました。
きっと息子を通して自分の思い出を追体験しているからより愛着がわいてきたのかも知れません。息子と街のデパートに行けば、自分が幼い頃両親に手を引かれて歩いた記憶が蘇ってきます。

そうした思い出が地元の街にはあふれているんですよね。小学校までの道、デパートの屋上からの景色。公園の芝生。河川敷でみた夕焼け。挙げればキリがありません。街の色々な場所で人は経験を積んで育っていきます。なんでもない場所でも誰かにとって特別な場所になりえるのが地元の街なのかも知れません。行政や報道として残る写真ではなくて、その街で生活している一住人として自分の育った街と、そこで育っていく人と景色を、自分の写真で残していきたいと思います。



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