彼じゃなくて、彼といるときの「自分」が好きだった。
こんなにも醜くて、自分の感情だとは信じたくない真実に向き合ってみる。
以前同じ職場だった先輩との2回目のデートで、彼に彼女がいることを知り、恋愛感情がサーっと綺麗に消え去った。
それまでの2回のデートは自分から誘ったけれど、もう何も生まれない関係に期待して会うのはやめようと、自分と約束した。
そんな彼から、また出かけようとお誘いがあった。
断れなかった。
もう恋愛感情はないし、何も期待してないのに、断れなかった。
ずっとモヤモヤしていたけれど、彼との3回目のお出かけをしてみて、何となく理由がわかった。
彼のことは(異性として)好きではないけれど、彼といるときの自分が好きだからだということに。
同性の友人といるときよりも、彼にはなぜか気を遣わず素でいられる。たぶんもう恋愛感情がないから。その素の自分が好き。
彼にたくさん質問をしてあげてる自分も好きだし、話を笑って聞いてあげてるのも好き。
面白い話をして、彼を笑わせてるのも好き。
今、これを読んでくださっている人はドン引きかもしれない。けれど何を隠そう、これが真実だ。
好きな自分に会えるから、断れなかった。
でも今後、また気になる人ができたら、その人といるときの自分だけじゃなくて、その人のことも好きでいたい。
今回の彼には彼女がいて、どう頑張っても結ばれなかったのは、私にとって好都合だったのかもしれない。
もし結ばれてしまっていたら、私は自分一人では好きな自分を追求せず、彼に好きな自分を依存するようになっていたかもしれないから。
これもまた運命。
好きな自分を他人に依存せず、
自分一人でも好きな自分を見いだせて、
好きな人ができたらその人のことも好きでいられる、そんな風になれたら素敵だなあ。
醜い自分に向き合う、
今の私に必要なことだったのかもしれない。
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