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音楽を聴きながら勉強や読書をしてはいけない理由

勉強や読書をするときに音楽をかけるのは有効なのか?

これは人によって大きく答えが分かれるところです。

しかし定量的な研究によって、すでに客観的な答えは出ています。音楽をかけながら勉強や読書をすると、成果が大幅に低下するのです。

グラスゴー・カレドニアン大学の研究は、次の4つの条件で認知テストを行い、記憶力や注意力への影響を比較しました。

・テンポの速い曲を流す
・テンポの遅い曲を流す
・環境音を流す
・無音

結果、無音がもっともテスト結果が良く、それに比べると他の3つの環境では著しくパフォーマンスが低下していたのです。とくに速い曲では、無音と比べて記憶力のスコアは50%も低下します。


なぜこうなってしまうのかというと、人間の脳は並列処理ができないからです。

音楽を聴きながら勉強をしているつもりでも、実際には音楽を聴く→勉強する→音楽を聴く→勉強するというふうに、タスクが高速に切り替わっているだけなのです。

これによって効率が落ち、記憶や注意の低下につながってしまうというわけです。

音楽によって集中力が増しているような気がしても、それは気分の問題であり、実際のパフォーマンスは落ちていると考えたほうがよいでしょう。


僕も中学生のころは、テスト直前に音楽(しかもロック)をかけながら勉強していました。

圧倒的に気分が乗らないものだから、なんとかしてテンションを上げようとしていたのでしょう。

しかし勉強の成果という観点でみればマイナスだったんですね。


ただし完全な無音が苦手という人は、少しの雑音を取り入れたほうが集中できる可能性はあります。

この場合はホワイトノイズマシンや、波の音や小川のせせらぎといった環境音を利用するのが最善の手になるでしょう。

やはり音楽は避けたほうが無難です。


音楽が効果を発揮するのは、勉強や読書をする直前に聴く場合です。

音楽によって脳が活性化しますから、そのモードで作業に取り掛かるとパフォーマンスが向上するのです。

いちばん良いのは、作業と作業のあいまの休憩時間に、音楽を聴きながら運動することですね。

勉強や読書をはかどらせるには、おそらくこれが最強。


ついでに言っておくと、肉体労働の場合は音楽をかけることで能率が上がります。

音楽がマイナスに作用するのは勉強や読書といった頭脳労働のケースなので、身体を動かす作業をするときには、音楽をかけまくっても大丈夫です。


・参考文献


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