カイロに好きを託してた頃の話
高校3年生の1月。センター試験が終わって
授業も二次対策がメインになってきていた。
休み時間のあいだも自習をするひとが
増えるなか、タダくんは
「マミヤ〜!今日のカイロ!」
と言って席が離れてるマミヤちゃんに
あったまったカイロを投げてた。
ほぼ毎日。
ほぼ毎日タダくんは自分で家から持ってきたカイロをすぐにはマミヤちゃんに渡さず、ある程度
あたためてからマミヤちゃんにあげてた。
マミヤちゃんのことが好きなんだろうなあ
私だけじゃなくて多分クラスのみんなが
そう思ってた。