見出し画像

これって趣味なんだ!➁

年末に書いたNOTE(これって趣味なんだ!➀)で、「子供の食育」が私の趣味だ!と気づいたことを書いてみました。2回目の今回は「なぜ私が食育に目覚めたのか」を振り返って書いてみます。

「どうして、お料理を子供たちに教えようと思ったんですか? きっかけはどんなことだったんですか?」 先日、子供の担任の先生から質問されて、そういえば何でだろう・・・?と今さらながらに振り返ってみました。

そして、出てきた答えは自分でもすっかり忘れていた20年以上前の出来事でした。

それはまだ私が大学生の頃。年末年始で九州の実家に帰省をしていたら、 高校時代の友人から、「明日、〇〇くんのお通夜があるんだけど、来れる・・??」という電話がありました。

「え??? 今、お通夜って言ったよね??」 

「うん・・・。 そう・・なんだ。」

それ以外の会話はほとんど覚えていませんが、私はお通夜には行けなかったのでご葬儀に参列しました。彼は現役で東京大学に合格した同級生でした。あまりのことにびっくりして、どうして? どうして? という問いだけが頭の中で巡りました。

友人から聞いた彼の死因はなんと「栄養失調」。東京で寮生活をしていた彼は12月中旬に風邪を引いてしまったらしく、部屋で寝込んでいたようです。年末年始に向けて、学生はみんな帰省していくので彼の姿を見かけないことに周囲も気がつかず、おそらく彼からのSOSも出されずに・・・ひっそりとこの世を去ってしまったのです。

せっかく希望していた難関大学に行けていたのに。。今のようにスマホがある時代ではありませんでしたが、誰かに助けて!という術は何かしらあったと思うのだけれど、それができなかった…。命ってこんなに簡単に消えてしまうものなのだとその時ショックを受けたことは覚えています。

その時の私の気づきは・・・

頭が良くて勉強ができることよりも、生きる力、生きる術を身に着けておくことの方がよっぽど大事だ 

私がその時に必要だと思った生きる術は、コミュニケーション力と食に関する知識、経験でした。困った時には、困っていると伝えられること、そして万が一の事態になっても、命をつなぐ食事を自分の手で何とかすること。

食に対する強い思いを持ったのは、悲しい出来事がきっかけの一つではありましたが、一人暮らしをする中で自分で作る楽しさも発見しました。レシピどおりに作れると今度はアレンジしてみたくなり、失敗しながら覚えていきました。

大学時代は、後輩が仕送りが届く直前にピンチ!を迎えている時には、作って食べさせてあげることもありました。おかげで誰かに食べてもらう喜びも経験しました。大学時代は自宅に「ドリンクメニュー」を作っていたり、うどんやパスタの乾麺はいつもストックして、急に誰かが来ても対応できるようにしていました。

命をつなぐ食事ではあるけれど、日常の中では楽しい場面や、嬉しい瞬間を作ってくれるものです。だからこそ、自分でできる!という楽しさや誰かに食べてもらえて「おいしい!」と言ってもらえる喜びを感じてもらいたい。そして、いざという時に必ず役立つ経験を子供のころから積み重ねておいてほしいと思っています。

3回目の次回は、「気づかせてくれた問いの力」について書いてみます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?