「怒り」はネガティヴとは限らない

「怒り」の感情について考えてみます。

例えば「怒り」について想像してみる時、どんな態度で、どんな気持ちを、どのように表している状況が浮かぶでしょうか?

大声を出しているところ?
物に当たる行動?
暴力を振るうような場面?

今、挙げたような「怒り」の想像は、おそらく共通することがあります。
それは「自分の意志で感情を抑えられず、感情に振り回されている」と言うことです。


こうした想像だけが頭の中の「怒り」のイメージになると、「怒り」=「自分の意志で感情を抑えられない」=「感情に振り回されている」=「人間として未熟」のような連想を持つかもしれません

そうなると、まるで「怒り」=「未熟」のようなイメージになり、怒りの感情を持つこと、怒りの感情を表すこと自体が、ネガティヴな事のように感じられるでしょう。


確かに人が怒る時には、未熟さ故に感情に振り回されること、そのマイナス面もあるでしょう。
しかし、それだけで「怒り」にネガティヴなイメージを持つのも、不十分だと感じます。


何故なら、怒りに相当する不要な扱いを受けている場合、
1、不当な扱いを受けている時に感じる「怒り」の感情自体は正当なものである
2、「怒り」の感情を持った上で、意志によってそれを律して行動することもできる

からです。


もちろん、最初から怒りを持たずに過ごせる状況の中にあればそれが理想なのだと思います。

しかし現実には、怒らないままでは状況が解決されにくい、怒らずに物事を対処する能力が足りない、などの様々な場合が有り得るでしょう。


と言う事で、1のような「不当な扱いへ抗う気持ちとしての怒り」を持ちつつ、最終的には2のように「怒りに流されずに、状況を解決する技術・経験を身に付ける」のが良いように思います。

怒りの感情に身を任せて解決する方法もあるとは思うのですが、「第三者を味方に付けやすい」と言う意味では、2の「静かな怒りを持ったまま、それには流されずに必要な行動を取る」ように出来ると、上手く行きやすいように思います。


それがもし出来るようになった時には、その「怒り」は、単に「強い意志」と呼ばれるのかもしれません。

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