見出し画像

「トリップ」の言い訳

 3連休明けの火曜日は、通常の月曜日より辛いかもしれない。おつかれ様です。まつ子です。

 昨日は成人の日でお休みでした。成人された皆様、おめでとうございます。私も数年前に20代に突入したばかりなのに、こう、「おめでとうございます」というと何だか偉そうで年取ったなと思いますね。こうして人は老けていくんでしょうね。

 monogataryさんの昨日のお題は「星人式」というものでした。今回はこのお題に沿って書いた「トリップ」についてです。

大人?

 一人前とか大人とか、具体的に説明できないテーマだなと感じます。人によってもその定義は少しずつ違うのでしょう。だからこそ創作にもってこいですね。

 成人式の祝辞などではよく「責任」とか「義務」とか「貢献」とかいう言葉が繰り返されていた覚えがあります。新成人に対して在成人はありとあらゆることを求めますが、彼らもその「責任」「義務」そして「貢献」を全てきっちり果たしているのでしょうか。果たしているよと胸を張って言える大人はどれくらいいるのでしょうか。

 こんなこと言うのはまだ反抗期から抜けてないみたいで幼稚かもしれないですが、疑問に思ってしまったものはしょうがないです。創作に昇華してやりましょう。そうしてできたのが「かつて青だった星」という設定です。

 今、色んなところで議論されている環境問題。これについて、私たちよりも前の世代がその「責任」だとかを果たさなかったと想定して、その結果朽ちた地球が「かつて青だった星」の正体です。「トリップ」の環太郎たちは、地球ではない他の星から記念旅行にやって来ます。

星?

 お題は成人式ではなく、「星人式」。ファンタジーが香る変換です。どこかの星で成人式をするのか、星人になる式をつくるか、色々とイメージが膨らみます。

 私は星からすぐ『銀河鉄道の夜に』を連想しました。これは最近見た動画に影響されているんだろうなと思います。

 「トリップ」には2人の青年が出てきますが、彼らがお互い呼び合う名前を『銀河鉄道の夜』と『フランダースの犬』の中からお借りして、カンパネルラとパトラッシュにしました。

絵?

 前の世代の大人たちが「責任」を果たさなかった世界。それが「かつて青だった星」です。そこは海が無くなっただけで、そこにあった海以外の地形や街などはそのままになっている設定です。だからカンパネルラもパトラッシュはニューヨークの国連本部を訪れることができました。

 私は実際に国連本部を見学したことがあります。全部英語で解説を聞いたので細かいことは覚えていませんが、でも一枚の絵が強烈に印象に残っています。それがノーマン・ロックウェルのモザイク画です。

 これは実物を見ることをおすすめします。あの絵の前に立つことで得られる感動は凄まじいです。この絵を見ると「私たちがなんとかこの地球を維持しなければ」という気持ちでいっぱいになります。私たちの肩にのる「責任」「義務」「貢献」を重く重く感じると同時に、それを果たしたいと思うことができました。

 責任が果たされなかった結果の世界で、登場人物はこの絵を目にします。絵に感動するクライマックスといえば?そうです、『フランダースの犬犬』です。なのでパトラッシュの名前をお借りしました。

「意味なんてねーよ、お前だってそうだろ?」

 パトラッシュは呼び合う名前について、こう発言しますが、バチバチに意味があります。彼らはそれぞれ元々のカンパネルラ、パトラッシュの来世みたいな存在です。だから星をまたぐような旅をするし、ラストシーンでは「絵」がキーとなるのです。

生きる?

「猫の国。それは自分の時間を生きられないやつの行くところ。」

 ジブリ作品である『猫の恩返し』のキャッチコピーは「猫になっても、いいんじゃないッ?」ですが、ポスターにはその前に、上の文が書かれています。

 自分の時間を生きるとはどういうことでしょうか。人のために生きることが美徳とされる世の中のような気がするのに。

 私もまだ答えが出ていませんが、カンパネルラ(環太郎)とパトラッシュはどちらも自分の時間を生きることができていないキャラクターです(それぞれの元のキャラクターについても、同じように解釈しています)。だから彼らは「ハタチの記念旅行」に当選しました。

 カンパネルラもパトラッシュも、原作では成人する前に亡くなってしまいます(パトラッシュに関してはわんちゃんなのでワンチャン成人、いや成犬していた可能性がありますが、まあそこはネロと精神を共にしていたということで見逃してください)。そこから成人する前に星になった彼らの成人式、というのを思いつきました。

 成人したとしても、問題は山積みで「大人」とまだまだ名乗れない気がしている2人です。でもラストでは、2人が心から「生きたい」と思うように変わります。「トリップ」は、無欲のような2人が生きることを受け入れる、という通過儀礼の物語にしたいと考えました。

タイトル「トリップ」

 最初はそのまま「ハタチの記念旅行」にしようかとも思っていました。でもなんか違うなって思って。

 「トリップ」は英語で旅という意味ですが、カタカナ表記だとタイムと合わせてタイムトリップと使われたりしています。そのせいか私の中で「トリップ」は飛ぶ、飛ばす、みたいなイメージがあります(たぶん「スキップ」にも引っ張られている笑)。

 それから「トリック」という言葉にもニアピンです(?)。今回は、色んなところに設定をつけたり仕掛けを考えるのにたくさん時間を使ったので、似て聞こえる「トリップ」を採用しました。

 ジブリ作品って、子どものころも十分楽しめるけど、大人になってみると「自分なりの解釈」みたいな愉しさも増えて、永久不滅感がすごいですよね。『フランダースの犬』のような童話も、大人になって時代背景などを知ると、違って見える面白さがあります。

 小説を書くようになって、そういう作品を観ると心地よい絶望感を得るようになりました。自分もこういうの書いてみたい……!でもレベル高すぎ……!みたいな。笑

 土曜プレミアムの「千と千尋の神隠し」が盛り上がっていたのもあって、今回の「トリップ」はだいぶ凝ったものになりました。少しは巨匠たちに近づけたでしょうか。いや、全然まだまだですね……。精進します。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?