日本代表の強さの源は、全員で戦う「チーム力」だと実感した。
こんなに幸せな寝不足があるなんて、初めて知りました。
眠い目をこすりながら、初めてのベスト8が目の前から零れ落ちた前回大会のベルギー戦。
寝不足以上の疲労感を感じながら出勤したことを思い出すと、今日はなんて足取りが軽い通勤だったろうと思います。
*今日の記事は、あくまでも私個人が感じたこと、一サポーターとして感じたことをまとめたものです。
サッカーの戦術・戦略解説や論評をする目的で書いていないことをご了承ください。
南アフリカ大会で感じた「チーム」が持つ力
話は遡りますが、2010年の南アフリカW杯。
12年も前の話なのでうろ覚えの部分が多いのですが、本戦が近づくにつれて、日本代表が失速をしていたのは覚えています。
20歳だった私は、期待は持ちつつも、半ば諦めの気持ちが強い中でW杯開幕を迎えました。
直前の親善試合を見ていてもどこかちぐはぐで、❝勢い❞という物を全く感じることができなかったように記憶しています。
当時、一勝もできずに終了した2006年のドイツ大会が何度も頭を過っていました。
(2006年もチーム全体に閉塞感が漂う中で、中田英寿選手が一人気を吐きながらも孤立していたように見えたのが印象的でした。)
「これは…ダメかもな…。」
カメルーン、オランダ、デンマーク―——当時の私からすれば、欧州のチームに勝つなんて奇跡に近い確率でしたし、アフリカ勢には対戦経験の少なさと身体能力の差で苦手としているような印象を受けていました。
それが実際に蓋を開けて見れば、まさかのグループ突破。
ワールドカップヒストリーには、このように書かれていました。
私がこの大会を通して感じたのが、「団結力」
2006の時のような孤立してしまう選手がいるチームではなく、そこには「日本代表」として「一つにまとまった」チームがありました。
今大会開催前、とあるサッカー番組で、南アフリカ大会の出場選手が「ベンチにいるベテラン勢が率先して水を渡してくれたり」等、ベテラン選手がチームを一つにまとめる働きをしていることを語っていました。
リアルタイムで試合を観ていた私も、テレビ越しでその空気は感じ取っていました。
当時の日本代表の個々の能力は、欧州やアフリカ勢と比べてまだまだ劣る部分は多かったと思います。
けれどそのベテラン勢がチームの空気感を作り、「ベンチから戦う」「23人で戦っている」ということを体現してくれたからこそ、ベスト16まで進めたのだと思いました。
個で劣っていたとしてもチーム全体でカバーすれば良い。
ピッチに立った14人だけではなく、ベンチも含めた23名…いや、監督やコーチ陣等も含めた「チーム日本」全体で勝ち取った結果だと思いました。
個々がバラバラになってしまった2006年
一人ひとりがチームとしてまとまった2010年
この2大会の振れ幅が私にとっては強烈で、そして以降、日本の武器は選手&スタッフ全員で戦う「チーム力」なのではないか、と思うようになりました。
(2006・2010年大会に対する私の感じ方は、あくまでも個人の感想です。)
ドイツ戦・スペイン戦で見せた「強さ」
以降、2014・2018年大会も日本はこの「チーム力」で世界に挑んだと思います。
2014年大会は残念ながらグループステージ敗退でしたが、ロシア大会では見事に決勝トーナメント進出。
一瞬で天国から地獄に堕ちたベルギー戦へと繋がるのですが、少しずつ世界の背中が見えてきたことを実感しました。
そして迎えた今大会。
予選敗退も覚悟しつつ、W杯を迎えると何故かチーム力が上がって無双することもある代表に一縷の望みをかけていました。
誰がこの試合結果を予想できたでしょう!
海外で活躍する選手も増えてきた中で、どこまで世界のトップ国と渡り合えるのか、今の日本の現状を知る試金石のような大会になるな、と思ってはいましたが…。
まさかドイツ・スペインに勝ってしまうなんて!
そして初のグループステージ1位通過を果たすなんて!
今大会のグループステージ、日本は本当にタフに戦っていたと思います。
世界の強豪国相手に臆することなく、2試合とも逆転で勝利をもぎ取ったことからも、精神面の強さも感じることができました。
ただこの精神面を支えた根底として、「チーム力」があったのではないかな、と考えています。
ドイツ戦勝利後の日に日に過熱する報道や選手に対するプレッシャー、コスタリカ戦敗戦後の批判に対して、ベテラン選手たちの存在が本当に大きかったと感じました。
表に出てきているのはほんの一部。
でもその一部からでも、今大会もチーム力を高めるために、ベテラン勢が果たしている役割の大きさを感じることができます。
作り上げてきたチームに、ベテラン選手たちの声掛けや前向きな姿勢、ピッチ外でのパフォーマンスが、このチームを前へと向かせてくれているんだと思いました。
思えば今大会の日本代表は、ドイツが相手だろうが、コスタリカが相手だろうが、スペインが相手だろうが、常に「自分たちは強い」「勝つ」と一貫しているように思います。
自分達に言い聞かせる訳でもなく、確信めいた言い方で。
チームの力を信じる、それは一点の曇りもないチーム全員の共通認識だったということなんですね。
やっぱり日本の武器は選手・監督・スタッフ等全員で一丸となって戦える「チーム力」なんだと、グループステージを通して実感しました。
日本は❝強豪国❞の仲間入り?
ただ、ドイツ・スペインを倒したからと言って、日本が即「世界の強豪国」になった、と私としては思っていません。
日本は確かに強い。
強くなったと思います。
戦術次第では、強敵相手に勝ちも狙える位置に来たのだと証明しました。
でも強豪国を名乗るには、まだ足りないものがあるような気がします。
そのヒントがコスタリカ戦にあったと思っています。
コスタリカ戦、守りを固められてしまった日本は成す術なく敗れてしまいました。
解説の方が言っていましたが、ああいう戦術を取られた時に、今の日本の力ではまだ崩し切ることができない。
ただそれは何も今回のコスタリカ戦だけでなく、アジアでの戦いの時でも同様の出来事が何度かあったように思います。
誰か自分よりも力のある人の力を借りて、本来以上の力を引き出すことは往々にしてあります。
(サッカーに限らず、自分の普段の仕事においてもある現象だと思っています。)
そこで引き出てくる力も自分の「強さ」ではあるけれど、ただそれだけでは本当の「強さ」、と言い切れないのではないか、と思うのです。
コスタリカ戦を通して、本当の「強さ」とは誰かの存在に左右されるものではなく、誰が相手でも、誰といても発揮できる自分らしさなのかな、と感じました。
(これもサッカーに限らず、自分の実生活に当てはまることかもしれません。)
そういう点においては、日本はまだまだ道半ばにいる気がします。
でも、伸びしろがあるって、それだけでワクワクする。
もしかしたら今大会で更に一皮二皮剥けるかもしれないし、自分たちらしさを確立するには数年…数十年の時間を要するかもしれません。
ただ、着実に積み重ねたものがなければ「強さ」は生まれません。
そういう意味では、今大会で感じた日本の「強さ」は、過去からの確かな積み上げと共に、未来への希望に溢れていると思います。
SAMURAI BLUEは、もっともっと強くなる。
今後の日本代表サッカーの変化を楽しみにしたいと思います。
新しい景色へ
ベスト8を賭けた戦いは、クロアチアとの対戦となりました。
ちょっと調べてみたら、本大会では2回対戦していて(1998年・2006年いずれもグループステージ)、1分1敗なんですね。
一部の報道では、ベスト8の先の準々決勝でブラジルと当たるのではないか等々言っているようですが、まずは次の試合。
駆け出したくなる気持ちは分かりますが、このベスト8への道がどんなに険しい物なのか、私達サポーターは知っています。
特に前回大会のベルギー戦を見ていた人なら、わかると思います。
ただでさえ、目標達成が目の前に来ていることに対するプレッシャーがある上に、このグループを突破したことによる世界からの注目もプレッシャーになっているでしょう。
プレッシャーは、プラスになることもあれば、マイナスになることもあります。
であれば一サポーターの私にできることは、力の限りの応援で、少しでもこのプレッシャーをプラスに持っていくことなのではないかと思います。
ピッチで戦っているのは選手やスタッフ全員ではありますが、私達サポーターの声援で少しでも後押しをしたい。
期待はしていますが、押し付けではなく一緒に戦う気持ちで。
今の日本であれば、ベスト8は乗り越えられない壁ではないと思うんです。
その為にも、私達の応援が勝ち上がる可能性を1%でも上げられるのであれば、サポーターとしても全力を注ぎたい。
その第一歩として、本日、12月6日午前の休暇申請を出してきました。笑
(0時キックオフは地味に辛い!)
12月6日。
サポーターも含めたチーム一丸となって、前人未到のベスト8———新しい景色を一緒に見ましょう!