【短歌一首】 青色を空と海とで分かち合ふ海沿いの道秋走り出す
湘南海岸沿いを走る国道134号線。
夏の間は連日海水浴などの観光客で賑わい、車の往来が滞ることも多かった。
9月に入ってからはめっきり車も人も少なくなり、平日の昼間はかなり静かになた。
8月の終わり頃までは車が数珠つなぎの大渋滞になることも珍しくなかった国道134号も、今は車がかなりスムーズに流れている。水平線や稜線もくっきりしてきて、やはり夏のそれとはだいぶ変わってきている。
国道134号の下をくぐる海岸へ抜けるトンネルの上には、澄み切った青い空が鮮やかに見える。だいぶ空が高くなった。トンネルの影も夏よりも濃く感じる。
国道134号はまるで9月の澄んだ青い色を、空と海とに分け合っているかのようだ。特に、この日は空と海の色がとても似ている。
国道を走り抜けてゆく車のボディには、海岸沿いのカフェの建物が映し出されている。空気がサラサラしてきて、あらゆる物の輪郭がはっきりとしてくるのも秋の気配の一つ。
まだ日によって暑さが残るが、湘南の海も9月に入って日に日に秋が進んでいる。
夏の熱く力みなぎる海辺も素晴らしいが、秋の穏やかで静かな砂浜を歩くことは本当に心が安らぐ。 これから秋を迎え深めてゆく海辺を今年も楽しみたい。
猫間英介
鎌倉や湘南の海についての短歌を集めました。
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