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【短歌一首】 SNSにてねじれたる同窓会リアル・バーチャルない交ぜ進む

SNS
にてねじれたる
同窓会
リアル・バーチャル
ない交ぜ進む

中学校の同窓会(というより同期会)のようなイベントがあった。
中学を卒業してから40年以上経っている。
公立共学の中学で6クラスあり、一学年全体で約250人くらいいたが、イベントに参加したのはおそらく80人前後。

まあ、40年以上も経っていれば色々なことがある。まずはその場に来られているということは、そこそこ体が元気だということ。昔は亡くなった人は「物故者」ということで連絡が回ってくることもあったが、昨今は個人情報の取り扱いが厳しいこともあり、あまり正確な情報は入ってこない。 同じクラスの事情通によると、少なくともすでに15人くらいが亡くなっており、それ以外にも音信不通、行方知れずという話もよく出ていた。亡くなった人の中には自殺者も複数いる。

それにしても昔はなかったインターネットやSNSの発達により、今や同期メンバーがリアルでの付き合い以外に、SNSでどの程度繋がっているのかは本当に人それぞれで分からないところもたくさんある。まるで、東京駅のように地上での世界と地下の世界が何層にもねじれながら重なっているようだ。 

中学時代は全然付き合いのなかった者同士が現在ではFacebookやLINEで毎日のように連絡を取り合っているとか、誰と誰はSNSを通じていけない仲になっているとか、しょ〜うもない話も多いが。

ただ、友好的、平和的な話ばかりではない。誰某は薬物や恐喝・傷害・詐欺などで逮捕されたとか、今は塀の向こうにいるとか、反社会的勢力に入ったとか、事業に失敗して自己破産したとか。 中には地元の商店街で店を継いだ奴のところに、何十年も街から離れていた中学時代に幅を利かせていた奴がやって来て金を貸して欲しいというから貸したら全然返ってこないとか、そんな話も出ていた。 

よく会社や組織で働くようになってから構築された人間関係と異なり、学生時代の友人関係は利害対立がないので素晴らしいと言ったステレオタイプの話を耳にするが、そんなことは全くないといつも思う。 いやむしろまだ未熟で多感な中学時代に深刻な傷を負わされて一生残っていたり、今でも学校や先生や同級生を恨んでいるということもよくある話。

自分が心理カウンセラーとしてクライエントのお話を伺うときも、中学時代くらいまでの生育歴というのは本当に重要な確認ポイントの一つ。そのことを改めて感じた時間だった。

猫間英介



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