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玉音放送と村山談話

昭和天皇の「玉音放送」こと「終戦の詔書(大東亜戦争終結ニ関スル詔書)」は、1945年8月15日に流れた。

その50年後の同日に発表された「村山談話」では、「終戦の詔書」にも登場する単語が使われている。

それは、「信義」である。


前者には「大道ヲ誤リ信義ヲ世界ニ失フカ如キハ朕最モ之ヲ戒ム」とある。

後者は「この記念すべきときにあたり、信義を施政の根幹とすることを内外に表明し、私の誓いの言葉といたします」と結んでいる。

信義とは、要するに「正しいことを信じる」という意味である。

正しいことを信じていない、間違っていると世界から思われてしまったら、国家としてやっていけないわけだ。

その点で村山談話は、終戦の詔書の内容を受け継いでいると言えよう。


ただし詔書で最も重視されているのは信義ではなく、やはり「國體」だと読み取れる。

この点は当然ながら、談話には受け継がれていない。



参考文献

『開戦の詔書』自由国民社、2005
弓狩匡純『日本人の誇りを呼び覚ます魂のスピーチ』廣済堂出版、2014

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