読了!石田衣良「池袋ウエストゲートパーク」
《粗筋》
ミステリーの「今」を読みたければ、池袋を読め。刺す少年、消える少女、マル暴に過激ジャーナリスト、カリスマダンサー……駅西口公園、通称ウエストゲートパークを根城にする少年少女たちが、発熱する都会のストリートを軽やかに疾走する。若者たちの現在をクールに、そして鮮烈に描く大人気シリーズの第一作。青春小説の爽快感とクライムノヴェルの危険な味わいを洗練させ、新しい世代から絶大な支持を得て話題となった連続ドラマの原作。
《感想》
ドラマ見たのも小説読んだのも結構前だから忘れてるかなって思ってたけど、読み始めた瞬間全部蘇った!ドラマと小説の違い、めちゃくちゃ豪華だったキャスト、クッソカッコ良かったキング(窪塚洋介)、加藤あいに惚れてた自分、ドラマでの台詞、etc…色々ありすぎる笑
すごいよね。ドラマ化しても面白い!神!ってなるの。ちゃんと面白い衣良先生の原作と、クドカンとKREVAの才能の調和の結果だね。
やっぱ自分はストリートの文化が好きだな〜。ヤクザとかが出てくると怖くて日和っちゃうけど…
《引用》
「いいか、ヒカル、おれたちはホストじゃない。金を使ってくれる女じゃなくても、好きならいっしょに遊ぶさ」(P19)
「おれたちは警察じゃない。どんな手を使っても口を割らせてやる」(P40)
「今度マコトのうちに遊びに行ってもいいかな」
「待ってる。絶対こいよ」
和範は泣き笑いの表情を浮かべた。いい笑顔じゃないか。(P127)
その朝池袋の街は水に溶かすと糸を引くようなドロドロのスピードでもキメたらみたいだった。1週間絶食した男が小躍りしながらマラソンを完走する抜群のシャブ。誰でも3時間だけインスタントスーパーマンになれる夢よ静脈注射。(P150)
やっぱり資本主義は不思議だ。いや、不思議なのは千秋のアナルを買いにくる男たちなのかもしれない。(P170)
おれはラジオが幸せなやつだと思った。なんにせよ、本当に好きなことに巡り会えたんだから。たいていの人間にはそんな瞬間はやってこない。だからスピードが商売になる。(P210)
「このチビの言う通り、Gボーイズのほうが少々やりすぎていたとおれは思う。京一、それにレッドエンジェルスのみんな、すまなかったな。軽いものだが、おれのこの血で償わせてくれないか?おれはくだらない戦争はもうたくさんだ」(P350)
公園の石畳にぽつぽつとナイフが落ちる音。それはだんだんと勢いを増して、しまいには叩きつけるナイフの豪雨になる。おれはどんな音楽よりも甘いその音に耳を立てていた。(P351)
(2021/5/13)