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「雲」

振り返った空はいつも高かった。


突き抜けて何処までも明るくて、
何処までも遠くへ遠くへ昇ろうとする白。


手を伸ばしても掴めなかった
あの日。


◇◇◇

どうして望んだものはいつも上にあるんだろう。

下にある望みってないのかな。

15センチの距離なら絶対掴めるのに、
その15センチの距離さえ遠くて、もどかしくて、悔しくて、憧れで


あの夏に近づけないから、あの夏から逃げようと思ったんだ。





【記憶の中の夏】――――「雲」


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