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エッセイ:4:44を怖がる

夜明け、来ちゃったよ。

おはよう!朝4時になにしてるんだい?
インターネットなんかをやってると、海外のニュース番組に出演したおじさんが、タイムラインで語りかけてくるのだ。
うるさいうるさい!今からおやすみだよ。おはようじゃねぇ〜〜!!
なんて思いながらインターネットを続けると、4:44とかになっていて、いつの間にか日が昇る。うそでしょ。あたし44分間の記憶ないんだけど。寝てないことはたしか。

4:44はゾロ目の「死」なので、縁起が悪い。
……という印象にかこつけて、児童向けの怪談小説では、やたら幽霊が現れたり階段が増えたりガイコツが笑ったりいろいろなネタが書かれてきた。
現代創作の中だけでいえば、4:44に起きてない怪奇現象ってないんじゃないかな。(知らんけど)
あたしは小学校のころ、児童向けの怪談小説がすごく好きだった。
こどもは基本おばけや幽霊が怖いので、大きくなってから見るとすごくショボいことでも、話の流れがどれもワンパターンでも、そこそこ楽しくビビる。
そしてその怪奇現象が起こるのは、たいていこどもの寝静まった深夜だ。
そう、ここでこどもを怖がらせるのに便利なのが、「4:44」。だって死の時間って響き怖いじゃん。

自分の眠っている間に、自分の通っている学校や自宅で、知らないこわいものがうごめいているのは大変な恐怖である。
寝てる間ってまわりがなにも見えないし、寝てる時間って外も暗いし、寝てる環境って異常なほど静まり返っている。
そんな時間に起きてたら、ほんとうに怖い目にあっちゃうかも…!と想像するのが、怪談小説を読んだ後のこどもの仕事。
そして、お話の中だけだから、大丈夫だよね…?と好奇心をもって4:44まで夜ふかしを試みるのが残業だ。あたしは睡魔に負けて残業したことないけど。

残業したことない、はずだったんだけど。

ここで冒頭に戻る、朝4時になにしてるんだろ、ほんと。
自分のことまだこどもだと思っているけれど、怪談小説を読み始めたころから10年程度経つ。
高校生って、思ったより大人なのかもしれない。
寝たい。
薬無しでは眠れない。
こんなつもりじゃなかった。

あたし、やっぱり4:44が怖いよ。
昼夜逆転睡眠不足って、 死 じゃん――

それでも一般社会は昼型なので、午後にはアルバイトに出ねばならない。
今の時刻はもう6時。夜明け超えて朝。
あたし大人だから、たとえタイムラインの朝4時おじさんが怖くてもビービー泣いてるわけにいかないの。
それにインターネット見てて寝れなかったなんて、世間から見れば馬鹿でしかないから。
あたしにとってインターネットは救済だけど、世間一般の人間はそうじゃないらしい。
あは、死の原因は救済を眺めていたからって、おかしな話だなあ。
今日も一日、死からのスタートを生きるとしますか。

不眠生活、やめたい

2022/05/31(火)6:15 ねがえり