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趣味への熱が冷めたと気付く

最近、趣味の着物に対しての熱が冷めてきた。
別に嫌いとか着たくないわけではなくて、なんとなく手に取らなくなった。
以前は隙あらば着ていたけれど、今は別にそこまで。
自分でもこの心境の変化に驚いたけれど、そもそも着ていた理由の一つにSNSの存在があったと気付く。

趣味用として始めたSNS。
同じような趣味の人たちと繋がり、コーデやお買い得な情報、イベントなど色々私が知らない情報を得ることが出来た。
ただ、それと同時に見栄というのも沸々と湧いてきた。
人によっては毎日着物を着ている人、しょっちゅう着物で遊びに行く人、何かしら着物を買っている人で溢れているSNSを見ていると、少しずつこう見られたい、こう思われたい、こうなりたいという気持ちが増えてきた。

別におかしいことではないと思う。
誰かに憧れて着物を着たり、出かけたり。
それは物凄く楽しいものだから。
ただ、私は好きで着ているよりも、着てSNSに載せたい!という気持ちの方が上だった。
だから行きたいところよりも、着物で行ける場所や着物が映える様な場所を選びがちだったり、着物で行けないところは諦めたり。

趣味というよりもSNSに振り回されていた。
SNSを始めてから着物を買う頻度も増えた。
理由は毎回同じコーデだとダメだろう、良く思われないだろうという心理から。
もちろん、欲しいから買ったけれど今思えば慌てて買わなければいけない物ではなかったし、少ない着物を大切に着る方が私には合っている気がする。
沢山あっても、毎日着るわけではないし頻度が上がるわけでもない。
SNSを始めたらあれよあれよという間に増えてしまった。
無意識に他の人たちに負けないように集めていたのだ。

それに最近気付き、余計に熱が冷めてきた。
何のための、誰のための趣味なのか。
着物を楽しむのではなくて、SNSでの自慢が目的になり、お金がないのに、収納がないのに〜と呟きながら買うことがおかしいと思うようになってしまった。

とある着付け講師にミニマリストを自称する方がいる。
その人はワンシーズンに着物と帯を5、6着ほどで着回している。
着付け講師だから着る頻度も私より遥かに高いのに、この枚数で事足りると言うのだ。
初めて見た時衝撃を受けた。
着物好きの人たちはコレクター気質の人も多く、たくさん集めているし、収納スペースがないと悩む声もたくさんある。
それがこの界隈の当たり前なのかと思っていたけれど、その着付け講師が動画でシーズン毎の着物を紹介してるのを見て、案外この数で事足りるのかと気付き、そして自分もこれくらいの枚数で良いのでは?と思うようになった。

私は着物を着るのが好きだが、習い事をしている訳でもコレクターでもない。
吟味したお気に入りだけ持っていたいと、この着付け講師を見て改めて思ったのだ。

そして今最近始めた断捨離のおかげもあって、少しずつ家の中の不要なものが減ってきた。
ずっと放置していた着物たち。
以前、お下がりの着物への気持ちをエッセイにして思ったのだが、実際には私が好きで着たいと思うものは僅かしかない。
貰ったから、せっかくだから‥と結局いつか着ようと思ったまま時が過ぎているものもある。
そろそろ、これらともお別れしたい。

趣味の熱が下がった今なら冷静に要らないものと、必要なものが分かる気がする。
熱に浮かれていた時もそれなりに楽しかったけれど、もう少し趣味に対しては冷静でありたいと思う。


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