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孫悟空とベジータの性格の違いから出るゴジータとベジットの違い

スーパー戦隊シリーズに関して、今後の構想をある程度どうするかを頭の中に立てながらも難航していたので、どうしようかと頭を悩ませていた。
そう思ってTwitterを見てみるとタイムラインに「ドラゴンボール」の面白いツイートが乗っかっていたので、是非とも引用させていただく。

よく話題になっている孫悟空とベジータの性格の違いだが、孫悟空とベジータは一見ジャンプ漫画にありがちなライバル関係と見せかけつつ、実は微妙に異なっている。
そもそも孫悟空はあくまでも「武道家」、ベジータは「星の侵略者」であるからして、元々の行動原理から何から違っているのだ
共通しているのは「サイヤ人」であるという種族だけであり、後は「王族の生まれ」であるベジータと下級戦士の成り上がりである悟空という違いもある。
小さい頃にして既に父親を超える戦闘力を身につけ、フリーザ軍以外敵なしだったベジータと違い、孫悟空は生まれた時戦闘力1桁しかなかったゴミだった。

初期の悟空はこの程度

何せ最初の頃なんてブルマが繰り出す機関銃程度で痛がっていたのだから、それこそサイヤ人編で出てくる「戦闘力5のおっさん」と大差はないであろう。
これがベジータだったとしたら悟空とは違って微塵も隙はないだろうから、銃弾なんて余裕で全部受け止めるだろうし、地球制圧なんで余裕だ。
それこそ「ヤムチャに転生」で有名なドラゴン画廊リー氏が描いたベジータ主人公の同人誌「ドラゴンボール菜」はそのように描かれている。
ただ、ベジータを主人公にしてしまうと「強くてニューゲーム」のチート無双になってしまうため、無印の物語が一気に超イージーになってしまう。

閑話休題、孫悟空はよくファンからのこういう部分をもって「天然鬼畜」「サイコパス」「後半になると人間味が希薄化する」と言われがちだ。
しかし、それらも所詮は悟空が武道家として動いた結果論であって、根っこにあるのは亀仙人の教えだから、何もその行動原理からズレたことはしていない。
だから、ナッパにしろギニュー特戦隊にしろ、悟空は「勝負がついた相手は殺す必要がない」のであって、孫悟空が「殺す」となるとそれはよっぽどの時だ。
悟空が明確な殺意をもって「こいつは殺さないとまずい!」となったのは記憶にある限りだと少年期のピッコロ大魔王・ラディッツ・魔人ブウの時くらいか。

それは以前の記事でも書いた通りだ。

ピッコロ大魔王に関してはわからなくもない、あれはクリリンの仇討ちという「復讐」の要素もあったし、ラディッツの時はピッコロの魔貫光殺砲による心中以外に方法はなかった。
しかし、魔人ブウの時は殺す以外に方法がなかったにも関わらずベジータが元気玉を提案し殺そうとした時になぜか「いい奴に生まれ変われよ」とまでいっている。
そしてウーブが誕生したわけだが、これも恐らくは「ウーブを育てて武を競う相手にしたい」からであり、フリーザ・セルの時とは明らかに違っていた。
この悟空の倫理観のぶっ壊れ具合は時にとんでもないトラブルを招くのだが、それがベジータとの間で発生したのがナメック星編での価値観の相克である。

悟空の甘さを詰るベジータ

そう、悟空はリクームとバータを虫の息にまで追い込み「もういいだろう」と、まさに一発ズゴーンとかまして放置しようとしていたが、ベジータはすかさず殺した
「てめえの甘さに反吐が出る」といっていたが、それはベジータ自身が地球で悟空と戦った時に受けた屈辱も大きかったのだろう。
もっとも、この時ばかりはベジータの言い分の方が正しく、悟空はフリーザ軍の真の恐ろしさや綺麗事の通用しない侵略戦争の実態を知らなかった。
地球でぬくぬくと育ち、師匠に囲まれながら乳母日傘で育った甘ちゃんの悟空は30年間星の侵略を最前線でやっていたベジータに比べて「本当の戦い」を知らない。

悟空のこの「甘さ」は魔人ブウ編の最後でも目立ち、ミスターサタンが庇護しようとした純粋善のブウをベジータが殺そうとした時にも繰り返されている。
ベジータは魔人ブウの脅威を肌で知っているからこそぶっ殺す以外にないとするわけだが、悟空は「その時は俺たちが止めればいい」としていた。
地球での暮らしが長いとはいえ、やはりベジータの中にはどこかで「悪の侵略者」としての一面が残っており、それが悟空とは対照的なところだ。
まあ悟空のやらかしが一番酷かったのはフリーザにトドメを刺しきれなかったことであり、未来トランクスが後処理をしているわけだが。

こう考えていくと、ゴジータとベジットの違いもわかろうというものだ、ゴジータはどちらかといえばベジータに近く、ベジットはどちらかといえば悟空に近い
ゴジータは(GTの4を除いて)短期決戦で相手を仕留めにかかる容赦ない厳しさを持っているが、これはベジータの性格が強く影響しているだろう。
「最強のフュージョン」のジャネンバを余裕で圧倒しソウルパニッシャーで倒したゴジータ、そして「ブロリー」でフルパワーのブロリーを殺す寸前まで行ったゴジータブルー。
恐らくは直接的にお互いの肉体を融合させているため、サイヤ人としての闘争本能が極度に高く、特に「ソウルパニッシャー」なんて名前からして最強の処刑技だ。

これに対してベジットは魔人ブウ編と未来トランクス編でしか登場していないが、ポタラ合体のためか悟空のように一見おちゃらけた遊びを見せる
基本的には相手を茶化して煽り怒りを誘発し、その隙を突いて足や腕一本で相手をいなして戦うというところがとてもスマートだ。
だが、この遊んでいるように見せておいていざという時にビシッと凛々しく決めるところは正に悟空の性格を写し取ったかのようである。
これはまあベジータに比べて悟空の方がより「天使」の方に性格や価値観が近いというのもあるかもしれないが。

そしてまた、ゴジータが確実に相手を倒しきり勝ち星が多いのに対して、ベジットが勝ち星ゼロなのもそこにあるのかもしれない。
ベジータが性格のベースにあるゴジータは相手が誰であろうと容赦なく短期決戦で仕留めにかかるから、絶対に決めてくれる安心感がある。
一方で悟空の性格がベースのベジットは制限時間が基本ないから永久機関として戦い続けられるのだが、ここぞという時にいまいち決めきれない。
こう考えると、つくづく悟空は通常のジャンプ漫画やヒーローもののセオリーからは外れた主人公である。

それでも孫悟空が最強だというイメージを読者に定着させることに成功しているのだから、「ドラゴンボール」って本当に興味が尽きない作品だわ。

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