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51日目 貿易センターから始めよう

絶景すぎる研修会場で1日を過ごした。地域協働課職員さんに向けたファシリテーションと合意形成の研修の第2回である。半年前から準備したプログラムの1つの着地点がここに。ワークやディスカッションを多く取り入れた研修はライブのようなもので、設計は入念にするが現場で状況はめまぐるしく変わる。なので、終わるとスポーツの後のように疲れ果てた。

22階から神戸を眺めると、あの辺が自宅だなとか、あのタワマンにイニエスタが住んでいたなとか、ビルの屋上にお稲荷さんがあるなとか、発見もあって楽しい。貿易センター駅から真っ直ぐに伸びたポートライナーのレールが遠景の布引ロープウェイのラインとつながる。

反面、人の姿が見えないのでものすごく静的な街に見えてしまう。白いビル群の壁面が眼前にそびえている。何かに似ているな、と思った。そうだガザだよ。定点カメラでライブ配信されているガザの街並みは22階から見る神戸のように静的で無機的で、その足下にある市井の暮らしへの想像力を奪ってしまう。これは田舎でもそうだ。人の気配がほとんどしないと、想像力は暮らしに向かない。ふと、向かいのマンションで洗濯物を干す人が目に入ってきた。強化ガラスの高層階の真下には通勤する人がいる。そんな日常に空爆があるのだ。

ファシリテーションも合意形成も他者への想像力である。想像力を働かせるための「技術論」だと思う。ナラティブ(文脈)とナラティブが異なる両者の間に橋をかけるため、一度相手のナラティブに立ってどんな橋をかけたらいいのかを考えることだ。その考え方では変えられない世界の絶望感と対峙しつつ、私たちは日常での想像力を絶対に忘れてはならない。ファシリテーションは理不尽な世界に対しての日頃からの抵抗。いや、私が取りうる「態度」である。

長時間の研修コーディネートが終わると頭も体もクールダウンしないと、そのままでは家に帰れない。帰れないこともないのだが、一杯のコーヒーくらいは飲みたい。こういうときはスタバやタリーズじゃない。お客さんが2組しかいないようなお店を選んで小一時間休んでからパスに乗った。だからお客さんの少ないお店を潰してはならないのだ。わがままだけど。

それはさておき、ローリングストーンズである。18年ぶりの新作だと!メンバーほぼ80歳近いストーンズが新作をだすと聞いて耳を疑った。オレ、疲れ果てている場合ではないぞ。

20231026

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