見出し画像

SDGs(持続可能な開発目標)と障害者 #2

SDGsと障害がどのように関係するかを調べるため、国連のレポートを眺めてみました。

具体的には、国連のウェブサイト、Sustainable Development Goals (SDGs) and Disabilityにある「UN Flagship Report on Disability and Sustainable Development Goals (2018)」のExecutive sumarryをDeepLで機械
翻訳したものを読みました。

レポートではいくつかのSDGsの目標において、障害者はそうでない人よりも状況が悪いことを指摘していました。

レポートの概要

レポートは、SDGsの各目標に関して障害者が置かれている現状を示し、目標実現を促進するためのアクションを示しています。このレポートは、国連含め様々な機関と障害者団体などから専門家が参加し、主要な障害者統計データベースを分析し、そして国連加盟国の法律や政策のレビューを行い作成されました。

レポートではいくつかの目標において、障害者はそうでない人よりも状況が悪いことを指摘しています。例えば、(以下、レポートの一部のコピペです)

「1. 貧困をなくそう」と「2. 飢餓をゼロに」に関して、障害者は、差別、教育や雇用へのアクセスの制限、生活やその他の社会的プログラムへの参加不足といった社会における障壁のために、障害のない人に比べて貧困状態にある可能性が高くなるそうです。絶対的貧困者である障害者の割合は、障害のない絶対的貧困者の割合より高いです。

「3. すべての人に健康と福祉を」に関して、障害者は障害を持たない人よりも低品質またはアクセスしにくいヘルスケア・サービスの影響を受けやすいため、障害者は障害のない人に比べて健康状態が悪い可能性が高いそうです。例えば、医療サービスへのアクセスは、障害者にとって課題で、必要なときに医療を受けられない可能性が障害のない人と比べ3倍以上です。

「4. 質の高い教育をみんなに」に関して、障害者は、障害のない人に比べて、学校に通うことや初等教育を修了することが少なく、非識字である可能性が高いそうです。障害のない人の77%が読み書きができるのに対し、障害のある人の54%は読み書きができないというデータもあります。

「5. ジェンダー平等を実現しよう」に関して、障害を持つ女性は、性別と障害の有無による二重の差別を受けることが多いそうです。例えば、障害のない男性と比較して、障害のある女性が医療に対するニーズが満たされていない可能性が3倍高く、読み書きができない可能性が3倍高く、雇用されている可能性が2倍低く、インターネットの利用が2倍低くなっています。

「6. 安全な水とトイレを世界中に」に関して、多くの国では障害者は改善された水と衛生設備にアクセスできる世帯に住んでいる可能性が低いそうです。例えば、障害者の7人に1人以上が自宅のトイレが妨げになる、またはアクセスできないと感じている、ということを示す途上国からのデータもあります。

「7. エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」に関して、多くの国で障害者は障害のない人に比べて近代的なエネルギーへのアクセスに多くの課題を抱えているそうです。例えば、17カ国では、障害者のいる世帯の50%以下しか電気にアクセスできないそうです。

「8. 働きがいも経済成長も」に関して、障害者の労働市場へのアクセスは依然として限られているそうです。15歳以上の障害者の人口に対する雇用率は、障害のない人のほぼ半分であり、雇用された障害者の賃金は、障害のない人に比べて低い傾向にあります。

「9. 産業と技術革新の基盤を作ろう」に関して、障害者は、障害のない人に比べて、情報通信技術(ICT)へのアクセスが制限されているそうです。インターネットの利用においても、障害のある人とない人の間には大きな隔たりがあり、14カ国で、インターネットを利用しているのは、障害のない人の36%に対し、障害のある人は19%に過ぎないそうです。

「10. 人や国の不平等をなくそう」に関して、障害者は、社会的、経済的、政治的な領域において根強い不平等に直面しており、SDGsが対象とするすべての分野において不利な状況に置かれているそうです。

「11. 住み続けられるまちづくりを」に関して、交通機関、公共スペースや施設、企業などは、障害者にとって利用しにくいことがあるそうです。データによると、一部の国では30%以上の障害者が交通機関や公共スペースが利用しにくいと感じていることが示されています。

「13. 気候変動に具体的な対策を」に関して、障害者は、自然災害、異常気象、紛争、人道的緊急事態において、特に被害を受けやすい立場にあるそうです。72パーセントが災害に対する個人的な準備計画を持たず、79パーセントが災害発生時に困難なく直ちに避難することができないと回答するなど、彼らはしばしば準備不足に陥るそうです。

「16. 平和と公正をすべての人に」に関して、障害者は、偏見、差別、社会からの排除の結果、暴力のリスクが高まっているそうです。開発途上国5カ国から得られた証拠によると、障害者の約5人に1人が障害を理由に殴られたり、言葉で罵られたりした経験があるといいます。

「17. パートナーシップで目標を達成しよう」に関して、障害別データの利用可能性の向上が必要だそうです。

またレポートの最後に、SDGs達成のための行動で注目すべき4つの側面が示されています。以下のとおりです。

⦁ 障害者排除を引き起こす根本的な障壁(差別的な法律や政策、物理的・仮想的環境におけるアクセシビリティの欠如、など)に対処する。
⦁ SDGsの実施において障害を主流にする。
⦁ 障害者のSDGsに向けた進捗のモニタリングと評価に投資すること。
⦁ 障害者のためのSDGsの実施手段の強化:資金、技術、能力開発、政策・制度の一貫性、マルチステークホルダー・パートナーシップ。

感想

各々目標達成に課題がある中で、自分にできることはなんだろうかと考えてみました。まず自分は障害者なので、自分が復職し貧しくならず健康になれば、SDGs達成に一役買えますね。次にもう少し問題設定の範囲を広げて日本としてみますと、障害に関するこれら課題に取り組む政治家に投票する事ができます。また、国内の政策に影響を与えるため、そして周りの人に障害について関心を持ってもらうため、情報発信(アンケートとか)もありえます。世界まで広げると、寄付や、技術開発に関わることも手段になりうると思います。何れにせよSDGs達成に対して微弱な貢献ですが、何かに取り組んでみたいです。(もちろん、自分自身の生活をよくする行動は取り組みますが。)

レポートにも何度か出てきました、データの利用可能性の課題には特に興味を持ちました。なぜなら私がかかった病気の患者のデータも可用性が低い、具体的には患者の経過のデータはまとまったものがあまり無いという話を聞いたことがあるからです。まとまった患者の経過のデータが無い理由は、この病気は回復に時間がかかるため患者が病院を転々としデータが集めにくいのと、そもそも患者数が少ないからです。ウェブにある体験記をデータ解析技術とか使って、患者の経過を上手くまとめてみたいですね。(ぼんやりと方法を考えています。)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?