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教員免許について書いてみた

教員免許。いうまでもなく、学校で教師という仕事する際に必要不可欠な免許。

私は3月まで高校で教えていたので「高等学校教諭一種免許状」を持っている。

「一種」というのは学士、つまりは4年制大学を出ると与えられる免許で、他にも「専修」と「二種」がある。「専修」は修士、つまりは大学院修士課程を修了した者に与えられる免許で、「二種」は短大卒業で与えられる免許になる。ちなみに、文科省は「二種」取得者に対しては、一種免許に移行するよう義務を課している。加えて、高等学校教諭の免許には二種はない。

さて、この教員免許であるが、高等学校の免許については、指定された講義を大学で受講し、教育実習を行えば取得できる。小学校・中学校の免許に関しては、7日間以上の介護体験が必要となる。

また、教育学部であれば、卒業要件に教員免許の取得が含まれていることが多いから、卒業に必要な講義を取っていれば免許は自ずと取得できる。教育学部以外であると、教員免許取得に必要な講義を自分で選択しなくてはならないので、講義が卒業に必要な数よりも多くなる。

以前は、教員免許は一度取得すると、一生涯有効なものだった。しかし、教員の資質向上を目的に、第1次安倍内閣時代の平成19年6月に改正教育職員免許法の成立したことで、平成21年から教員免許更新制が導入された。これにより、教員免許の期限10年となった。これは、更新制導入以前に免許を取得した者にも適用され、10年ごとに講習を受けなければならない。

講習は30時間以上で「1講座6時間×5講座」が基本となる。必修領域から1つ、選択必修領域から1つ、選択領域から3つ取ることになる。基本的に1講座6,000円。5講座なので30,000円になる。大学に行って受講するのが基本である。各講座の最後には試験があり、合格しないと更新できない。

中にはオンデマンドで行っている大学もあり、私は去年、それを利用して更新した。1講座9,500円と割高だったが、1日24時間いつでも好きな時に受講できるし、試験もパソコン上からできるの便利ではあった。ただ、ウェブカメラを使ってパソコンに向かっているかはチェックされる。まあ、映るのは上半身だけなので、上さえそれなりの服装をしていれば、下はパンツ一丁でも問題ないんだけどね。

講習に合格し、3,000円の事務手数料を払うと「更新講座修了確認証明書」が教育委員会から発行される。

講習の期限は2年間で、講習を修了できなければ自ずと免許は失効され、失職することになる。

この更新制度がはじまった直後に、民主党政権に替わり、民主党はこの制度を廃止することを掲げていた。それを見越して、当時は更新講習を受講しない者もいた。しかし、東日本大震災の発生で、それどころではなくなり、更新制度廃止の話もどこかにいってしまった。そして民主党政権崩壊。

当然、受講しなかった者の免許は失効となり、当時ニュースにもなった。

さて、この更新制度、本当に教員の資質向上につながっているか。確かに、大学の講義を受けることで最新の教育事情や国の施策を知ることができるが、実践性に乏しい。言葉悪いけど、大学の先生の頭でっかちな講義を聴くだけ。個人的には資質向上につながっているとは考えられない。

やらないと仕事を失うから、義務だからといって、多くの先生もやっている感が否めないかな。

でも、教員の側からは誰も資質向上につながっていないとは言いださない。昨今の教育現場に対する風当たりを考えると、資質向上につながっていないと言おうもんなら、さらに更新講習が厳しくなる恐れがあるからね。

私は導入初年度と去年と、気がつくと2回も受講した。年月の経つのは早いよ・・・。で、初年度は地元の国立大学で受講したんだけど、大学の先生もやる気がなかった。国から言われてやっている感が強く、実際に講義の中でも多くの大学の先生が愚痴っていた。

そんで、よくテレビを見ていると、教員免許持っている芸能人がすごいなんて言われたりする場面があるけど、上に書いたように講義さえとって、介護実習と教育実習さえ行えば取得できるので、別にすごいこともない。さらに取得してから10年経てば、更新受けていないと失効するんだから、30代半ばの芸能人が教員免許持っているといっても、失効している可能性が高いんだよね。

それに「教員免許取得している=教えるの上手い」とかは関係ないから。資格があるだけで、教師として務まるかはまた別の話。車の免許と同じだよ。車の免許だって持っているからといって、運転が上手いとは限らない。あくまでも車を運転できる資格があるというだけ。何度も運転して経験を積んで、運転技術を高めていくわけだからね。


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