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社会課題を解決する「空飛ぶクルマ」に夢を見た。“浮遊層”の時代をプロデュースする江藤誠晃の挑戦

こんにちは!HYOGO 空飛ぶクルマ研究室【HAAM】(以下、HAAM)です。

今回の記事は、HAAMスタッフのプロフィールを現在、過去、未来を深堀りしてご紹介するインタビュー連載記事の第一弾として、チーフを務める株式会社BUZZPORT プロデューサーの江藤誠晃氏にお話を伺いました。

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<現在>「空飛ぶクルマ」を通じて未来の観光市場に“浮遊層”をプロデュースする

こんにちは。空想観光学ラボラトリー「HYOGO空飛ぶクルマ研究室【HAAM】」のチーフ・“神戸生まれの地球育ち”の江藤誠晃です。

僕は、世界中のありとあらゆる場所を見てきた経験をもとに、これまでにいろんな地域に人を集めたり、イベントを作ったり、メディアをプロデュースしたりしてきました。

そして、これからは人々が、“空を飛ぶというよりはぷかぷか浮かんでいるような時代”・「浮遊層の時代」をプロデュースしようと考えています。

僕が「空飛ぶクルマ」のビジネスオファーをもらったのは2021年の夏のことです。

これまで、世界中を旅してきたこともあり、今や人類が知らない土地なんかないと思っていたのに、地べたで生きている自分と雲の上のあいだに“フロンティア”があると知ったとき、「こんなワクワクがまだ残っていたなんて!」と僕のなかで何かがスパークしたんですよ。

世界中にある過疎地や地域を支える産業従事者の減少、そして、そもそも観光すること自体が環境破壊になってしまう「オーバーツーリズム」。そんなさまざまな社会課題への危機感を抱いていたなかで「空飛ぶクルマ」はこれらをすべて解決してくれるものなのだと直感的に思いました。

今まで旅をできなかった人が思い切って山の上に登れたり、車では行けないような過疎地に出かけたり、地方を出ようとしていた若者が留まることができたり。観光を超えた“新しい生活革命”が僕のなかでバァッと見えたんです。まるで、難問を解く方程式のひとつが出たみたいに。

そしてこれから「空飛ぶクルマ」産業に新たな価値を生み出そうとしている僕の地元・兵庫県は、明治初期に開港し、世界の文化をいち早く受け入れてきた場所です。歴史あるこの場所から、「空飛ぶクルマ」のビジネスが生まれることにも必然性を感じました。

そんな兵庫県と空飛ぶクルマは絶対にシナジーを起こせると思うし、僕自身も、「ここから日本を変えて、世界を変えてやるぞ」という気持ちを強く持って、このプロジェクトに挑んでいます。

<過去>「バーチャルな世界の向こうに、世界は広がる」と信じて

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僕が生まれたのは1963年のことです。そして、あの大阪万博が行われたのが小学校1年生のときでした。当時は海外旅行なんて夢のまた夢の時代。

普段生活をするなかで外国のものに触れる機会なんてなかったけれど、万博会場に足を踏み入れたとき、多くの外国の人を目にして驚愕したのを覚えています。

映画で観たような未来の世界が広がっていたあの空間は、やっぱり未だに忘れられないですね。当時会場にはテレビ電話やワイヤレスホンなどが展示されていて、「そんなもの、できるはずがない」なんて思っていたけれど、今やスマホでそれどころじゃないですよね(笑)。これが、僕のなかでのひとつの原点です。

それからもうひとつの原点は、僕自身が映画少年だったこと。小学校高学年から高校生までは、週末はお小遣いを握りしめて、映画館で朝から晩まで過ごしていました。そこで観たのは何かというと、ありとあらゆる海外の映画。つまり、“広い世界”なんですよ。

世界各地が舞台の作品を見ることがバーチャルトラベルのようなものであったのはもちろんですが、当時はSF映画が全盛の時代で、それこそ『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のような荒唐無稽な未来を見たことが、今回の空飛ぶクルマに繋がってたかもしれません。

さらに10代後半の僕はかなりの読書家でもあったので多感なころにバーチャルで触れた世界を、社会に出てから実体として追いかける志向を持ったのだと思います。

スクリーンで見ていたもののなかに、エイッと飛び込んだんです。

 大学を卒業してからは、「世界中を旅しながら何かのプロデューサーをやっていきたい」という漠然とした想いを抱きながら、4年間のサラリーマン生活を経て独立しました。

そのうちに、地域創生や観光のプロジェクトに少しずつ関わるようになり、やがて夢見ていた、「旅をしながらいろんな場所を見て仕事をする」ライフスタイルが実現していきました。

自分の会社を作ったのは1994年のとき。そして、翌年の阪神淡路大震災で被災し観光に関するほぼ全ての仕事を失った環境のなかで、黎明期だったインターネットで世界の情報をひたすら調べ、同時にアメリカのマーケティングメソッドを勉強しました。

当時も今と同様に巣篭もりを余儀なくされても、パソコンがあれば世界相手に情報を取ることができたから、それをするしかないと思ったんです。結果的にその経験があったからこそ、その後のビジネスを大きく変えることができました。

そんな最中にも、やっぱり「バーチャルな世界の向こうに、世界は広がるんだ」という直感がありました。仕事がないなかでインターネットで情報を得るだけの生活は大変だったけど、そこを開拓していくことは旅をするのと同じくらい、ワクワクしましたね。

<未来>「空飛ぶクルマ」に挑戦したい人にバトンを繋ぎたい

これまで僕は、モノやコトをプロデュースしてきたけど、これからは「時代の空気」をプロデュースしたいと思っています。

僕は、2030年のSDGsゴールイヤーあたりがプロデューサーとしての自分の賞味期限だと思ってるんです。

最終的にすべてを次の世代にバトンタッチして、自分の役割を終えようと思っています。だから、あと8年しかないんです。僕の勝負っていうのは。

だからこそ、「空飛ぶクルマ研究室」では、人を育てると同時に、未来の乗り物を使って事業を作る「アントレプレナー(ゼロから会社や事業を創り出す人)」を絶対に生み出そうと思っています。

今回のHAAMは、「空飛ぶクルマ」の未来を考えることはもちろんですが、それ以前に、ここに集う若者世代がワクワクする未来に向けて挑戦をしながら生きていく探究の場をつくったつもりです。

今の僕の夢は、2025年の大阪・関西万博会場で日本中から集めた若い人たちの「空飛ぶクルマ」ビジネスアイデアを、世界に向けて発信すること。自分がリタイアした後は、社会課題を楽しく、カジュアルに解決する若者たちを見ながら最期を迎えたいな…なんて思っています。

残念ながら、「空飛ぶクルマ」で通勤したり、旅に出かけるのが当たり前の世の中になったころ、僕はもういません。

でも、「空飛ぶクルマ」に夢を感じてくれて、挑戦したいと思う人たちを育てて、このバトンをパスしたい。これを受け取った人が、僕の歩んできた道、抱いてきた夢を引き継いでくれたら嬉しいです。

【7/9 15:00】空飛ぶクルマの可能性を探るトークイベント開催

7月9日(土)15:00より「大学生と考える空飛ぶクルマ産業の未来〜HAAMで始める空飛ぶガクチカ〜」を開催します。

イベントでは、空飛ぶクルマに興味を持つ全国の大学生に向けて、ゲストスピーカーによる特別対談や『空飛ぶクルマゼミ』の先行案内をお伝えします。

神戸市の会場/リアルタイム配信/見逃し配信での参加が可能ですので、記事を読んで「空飛ぶクルマ」に興味を持った方はぜひチェックしてください!

▼イベント詳細はこちら

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