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株式会社セイバン:中村氏 インタビュー(取材日/2022.8.26)

「天使のはね」でおなじみのランドセルメーカー、株式会社セイバン
2019年に創業100年を迎えたセイバンは、兵庫県たつの市に本社があり、日本全国に11店舗の直営店を有する会社だ。

次の100年を迎えるための事業戦略の一環として、2020年8月にセイバン初の海外ブランド「SICOBA」を発足。同年、ドイツで大人向けバックパックのオンライン販売がスタートしている。ランドセル事業に留まることなく、保育事業・メディア事業・バッグ事業・海外事業と、今後も新たな事業への挑戦を続けていく。

海外ブランド「SICOBA」

✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼今回、そんな株式会社セイバンの人事担当である中村氏にインタビューをおこなった。本記事では、中村氏やセイバンのこと、それに兵庫県についてもお話しようと思う。愛社精神にあふれたインタビューになっているので、ぜひ最後までお読みいただきたい。
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中村氏について

◆ ランドセル業界を選んだ理由

――なぜランドセル携わる仕事に就こうと思われたのですか?

ランドセル売り場で見た“笑顔”がきっかけです。

就活中、おもちゃ屋さんに併設されているランドセル売り場に立ち寄る機会がありました。そこで見た男の子が嬉しそうにランドセルを背負っていて、周りのご家族も笑顔だったんです。

「人を笑顔に出来るランドセルってすごい!」そう思いました。

もともと子供も好きでしたし、ランドセルに携わる仕事に就けたらイキイキと楽しく働けるだろうと考えたのが理由です。

◆ 人事の仕事内容

――人事のお仕事内容を教えてください。

人事と一概に言っても仕事内容は幅広く、採用・労務・評価・研修の他、リスクアセスメントの面で規定管理や外交活動等もおこなっています。従業員全体を管理する仕事といったイメージですね。

採用面から一緒に働く人を決めたり、評価・研修面から一緒に働いている人の技術力を上げたりと、間接的にランドセルの製造販売に関わっています。

――なるほど。ちなみに、入社前からランドセルに詳しかったのでしょうか?

いえ、全くの無知でしたので、入社してから詳しい従業員の方にお話を聞いて知識を身に付けました。

採用業務をおこなう上で学生に会社の良さを伝える必要があるので、会社全体の動きや商品について常にアンテナを貼り、セイバンの顔としてどんな質問にもお答えできるようにしています

◆ 人事のやりがい

――やりがいや、それに関するエピソードがあれば教えてください。

採用した社員の成長が見れることが、人事としてのひとつのやりがいです。

入社当初はランドセルについて何も知らなかった子が頑張って勉強して、その子が開発した技術が会社から認められた時は自分のことのように嬉しかったですね。

また、従業員が働きやすい環境整備も人事の仕事なのですが、経営面を鑑みて上に話を通す必要があるので従業員の意見すべてを聞き入れることは出来ません。

従業員と経営者との板挟みになることもありますが、双方の落とし所を見つけてよりよい環境づくりが出来た時はやりがいを感じます。

――では、お仕事をする中で意識されていることはありますか?

規定管理の仕事では、楽しく働きやすい環境づくりを心がけています

自身の働きかけで会社のルールをよりよく改変できるのは人事の特権!どうすれば会社と従業員がもっと繋がるのかを考えながら、日々、仕事に取り組んでいます。

セイバンについて

◆ セイバンの強み

――他のランドセルメーカーに負けないセイバンの強みは何ですか?

何よりも子どもたちのことを第一に考えていて、それが商品にも反映されていることです。

弊社が保持している特許のひとつに「天使のはね」があります。商品の特徴は両肩のベルトの付け根に樹脂素材が内蔵されていること。ランドセルの重心を上げながら体にぴったりフィットさせることで、重さを分散させて軽く背負えるようになっています。

また、ランドセルの側面にはフックが付いていますが、フックと自転車の車輪の高さが同一なため、巾着袋の紐などが車輪に巻き込まれる事故が多発しているんです。

そこで考えたのが、圧力がかかった場合に側面が外れるランドセル!セイバンのランドセルには、そういった“子供を守るための秘策”がたくさん詰め込まれています

「天使のはね」

◆ セイバンがおこなう取組み

――変わったオフィススタイルを導入しているそうですが、その背景について教えてください。

弊社は役職呼びが禁止されていて社長のことも愛称で呼びます。

それに、通常ですと役職が上の方は専用の部屋があったり、社員ごとに席が用意されていたりすると思うのですが、セイバンにはそれがありません。

どういうことかと言うと、社長含めて決まった席がないんです。自分の隣に営業の人が座ったり研究開発の人が座ったり…。その日ごとに座る席は自由なので、普通だと接点の少ない部署とのコミュニケーションも実現出来ています

フリーアドレスのオフィススタイルだからこそ、柔軟な発想を持った商品が生まれているのかもしれませんね。

――ワークライフバランス認定企業とのことですが、取組みについてお伺い出来ますか?

まず、社長が大の残業嫌いなんです。(笑)

定時になると懐かしい「キーンコーンカーンコーン」というサイレンが鳴り、たとえ仕事が残っていても帰らされるので、一人あたりの残業時間は月5時間もないほど。

また、通常は商品の売れ行きを予想して生産をおこなうと思うのですが、弊社の商品は全て受注生産になります。だからこそ生産計画を立てやすく、繁忙期でも定時退社が実現出来ています。

メリハリを付けて働くことが出来る、そんな環境です。

◆ 保育事業について

――御社の事業内容と保育園は一見関係がないように思えるのですが、どういった経緯で保育事業を始められたのでしょうか?

「県内の有名企業同士で未来の子どもたちを育てたい」という社長の想いを皮切りに、2018年に子供服のファミリアと提携して「familiar PRESCHOOL(ファミリア プリスクール)」を開園しました。

園の目的は、日々の生活・遊び・保育のカリキュラムを通して「自分の好きなこと、得意なこと、やりたいこと」を見つけて活かして貰うための基盤を作ること。

そういった想いを引き継ぎ、2023年4月にはファミリアから独立した「セイバンスマイルこども園」を開園いたします。​将来、卒園した子どもたちがセイバンのランドセルを使ってくれたら嬉しいですね。

兵庫県について

◆ 兵庫県の良いところ

――兵庫県の良いところや、休日の過ごし方について教えてください。

妻との結婚を機に兵庫へIターンしたのですが、当初、兵庫県についての知識はほぼ無く、知っていることと言えば横浜に似たおしゃれな街(神戸)があることくらいでした。(笑)

実際に移住してみて思ったのは、都会でもなく、かといって田舎でもないということです。

ちょっと車を走らせれば自然に触れ合えて、少し遠出すれば都会にも行ける。遊ぶ場所も多いので、休日は家族と美味しいものを食べ、自然の中で子供と遊ぶのが恒例行事になっています。

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