見出し画像

13−4.住宅会社見極めポイント5つ+1

これまで5つのポイントについてお話ししてきました。
あれ?とお気づきのあなたは素晴らしい!!

そう「+1」が追加です。笑(誰が見ても分かるって・・・)

■機能性も大切、だけど・・・

これまでご説明したように、住宅において高性能であることはもちろんとても大切ですし、必要なのは言うまでもありません。
その機能性も大切だけど、それだけでは補い切れない部分があるんです。

きっと誰もが経験したことがあると思いますが、夏、直射日光に当たってたら暑いけど、ちょっと木の陰や軒下に入るだけでも暑さが和らぎますし、風が抜けたときはもっと涼しい。
逆に冬は、陽の当たる窓際だったり、陽だまりの中にいるとすごく暖かくて気持ちいい、という体感をしたことはありませんか?

■自然の力を借りること

Ua値の話をした際、窓がネックであるとお話ししました。
窓は熱も取り込むけど逃げてもいく、と。

じゃあどうすればいいのか?

自然の力を借りる=パッシブデザイン

パッシブデザインとは、太陽の熱や光、風といった自然のエネルギーを上手に利用しながら設計する手法のことで、家庭でのエネルギー消費を抑えつつ、快適な生活が送れるようにしていくものです。

この手法で設計している住宅会社はありますが、そんなことを考えずに設計している会社もまだまだあります。

■太陽の位置を考える

最近の流行りなのか、軒や庇のない家をどう思われますか?
スタイリッシュでカッコいい?

昔ながらの、軒や庇が出て縁側のある家をどう思われますか?
野暮ったくてダサい?懐かしい?

あなたが家を建てるとしたらどちらの家がいいですか?

私は後者の家を選びます。
(法律上、軒や庇を出せない土地もあるのでそこは例外としますが)

四季を通して太陽の位置を考えてみてください。
夏は高くなり、冬は低くなる。
昔の日本の住宅は、この太陽の位置を考えて作られています。

夏は部屋の中に太陽の光や熱が入らないように軒や庇で遮り、尚且つ縁側もあればさらに部屋の中には入ってこないので涼しい。
冬はその逆です。太陽が低いため、部屋の奥まで太陽の光が届いて暖かくなります。

日本の気候を上手く利用して作られているのが、昔ながらの家のカタチです。

ただ残念なことに、今の日本の夏はそれだけでは太刀打ちできなくなっており、冬も暖かさが持続するわけではないので、そこに現代の技術を取り入れた高性能住宅であれば、熱を入れない・逃がさない住宅が可能で、エネルギー消費の少ない家(エコハウス)となるわけです。

■風の通り道

季節限定ですが、風が通り抜けるととても心地良い瞬間があります。

住宅でも同じで、風の通り道を考えて窓の配置を決めるのも、パッシブデザインのひとつです。
ですから、小さい窓やFIX窓だけではなく、きちんと風の通り道も考えて開閉できる窓を設ける必要があります。

近頃は高気密住宅が多くなり24時間換気になっているので、窓を開けるお宅は減っているのかもしれませんし、花粉症だったり近隣の事情で窓を開けられない方もいるかもしれません。
エアコンを使用しなくてもいい季節のときや夏の涼しい夜、窓を開けて過ごすことができる条件であるなら、ぜひ開けて過ごしていただきたいなと思います。

■環境負荷を考える

ただただエネルギーを使うのではなく、太陽の光や熱を上手に使ったり遮ったり、風の通り道を使ったり、自然エネルギーを上手に使って環境負荷を減らしていかなければ、地球の未来はありません。

人類や文明の発達で便利な世の中になりましたし、その恩恵を思う存分私も享受しています。
その反面、地球環境への負荷も大いにあるわけです。
現に異常気象が世界各地で起こっており、日本でも異常な自然災害が頻発していたり、生態系の異常も確認されています。

住宅の話からずいぶん飛躍してしまいましたが、日本全体の電力消費量割合は、家庭が30%、残り70%は産業(工場など)と業務(オフィスビルなど)で使用されています。

家庭割合、意外と多いと思いませんか?

だからこそ私たち一人ひとりが、エネルギーの少ない住宅を造り、暮らし方を考える時が来ているのだと思います。

そのためにも高性能住宅を選択し、環境負荷を減らす。
目先のことや自分のことだけでなく、環境のことを考えサステナブルな生活を意識する。

今のままの状況が続けば、人類は自然界からもっと大きなしっぺ返しを食らうんじゃないかと思います・・・


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?